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ロレックスは2025年も価値を維持できるのか? – 注目の3モデル

Jorg Weppelink 著
2022年12月2日 | 更新日: 2024/12/02
6 分
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ロレックスは2025年も価値を維持できるのか? – 注目の3モデル

時計の世界はここ2、3年で大きく変わった。中古時計やヴィンテージ時計の価格は急速に下がってきている。2024年になっても、一部の非常に人気の高いブランドやモデルの価格はいまだに下がっている。そこで疑問に思うのが、ロレックスは2025年も資産価値を維持できるのだろうか、ということだ。二次流通市場における価格の下落傾向は、特にスイスブランドに大きな影響を及ぼしている。でも、すべてがそうというわけではない。1950年代、1960年代、1970年代のヴィンテージロレックスは、価値を維持しており、新しいロレックスモデルに比べてかなり安定している。そこで今回は、価値が安定し、今後さらに高まる可能性のある3つのロレックスについて紹介したい。

エクスプローラー II Ref. 1655

エクスプローラー II Ref. 1655
エクスプローラー II Ref. 1655

最初に選んだのは、初代エクスプローラー II Ref. 1655だ。洞窟探検家のために設計されたもので、1971年に発売された。その独創的なデザインは、オリジナルのエクスプローラーとは一線を画し、24時間ベゼル上で追加の針が時刻を24時間単位で示すという機能を備えている。この機能は、暗い洞窟に長時間潜っていると昼夜の区別がつかなくなる探検家にとって特に便利なものだった。ケースサイズ40mmのこの時計は、時刻を読み取るのが難しいほど風変わりな文字盤が特徴だ。5分ごとの太いマーカー、6時、9時、12時位置に特大のマーカーを持つ60分目盛に、3時位置には日付窓が備わっている。ミニッツトラックの外周には、24時間スケールの奇数時間にマーカーが配置されている。この奇数時間のマーカーとベゼルの24時間目盛りを読むには、4本目の大きなオレンジの針を使う。Ref. 1655は1988年まで生産され、一目でそれとわかる、コレクターに人気の高いロレックスの定番モデルの一つだ。そのため、変動が激しかった過去2~3年の間、このモデルの価格はかなり安定していた。価格は約300万円〜400万円で、オリジナルの箱と書類付きのものは約700万円〜800万円になることもある。ロレックスの過去のアイコンのいくつかが、はるかに高い価格で販売されていることを考えると、このエクスプローラー II Ref. 1655の価値も時間とともに上がっていくだろう。

サブマリーナー Ref. 5512

サブマリーナー Ref. 5512
サブマリーナー Ref. 5512

次に選んだのは、伝説的なサブマリーナー Ref. 5512だ。1959年に発表され、今日のサブマリーナーのデザインを作り上げたモデルである。ケースサイズは37mmから40mmへと大きくなり、初めてリューズガードが採用されたモデルだ。1980年に生産終了となるまで、ロレックスはさまざまな文字盤やケースのバージョンを製造してきた。文字盤における最も大きな違いは、初期の光沢のあるギルトダイヤルからマットなブラックに変わったことだ。1962年、ロレックスは実質的にRef. 5512と同じであるRef. 5513を発表。両者の違いは、Ref. 5512がクロノメーター認定ムーブメントを搭載しているのに対し、Ref. 5513はそうではないという点だ。その結果、ロレックスはRef. 5512に1962年以降、文字盤の下半分に「Superlative Chronometer / Officially Certified」という文字を追加するようになった。後のRef. 5513よりもRef. 5512の生産数はずっと少なかったため、コレクション価値がより高くなっている。1959年から1967年まで製造されたギルトダイヤルのモデルは、特に人気が高い。ギルトダイヤルを持つRef. 5512の価格は約320万円から始まり、状態の良いものでは約1600万円にものぼることがある。1967年以降に発売されたマットブラックダイヤルモデルは、約240万円からスタートし、特にオリジナルの箱と書類が付属している場合、状態の良いものでは約570万円に達することもある。生産数が比較的少ないクラシックなサブマリーナーのリファレンスとして、価値は安定しており、時間とともに上昇する可能性があると予想される。

エクスプローラー Ref. 1016

エクスプローラー Ref. 1016
エクスプローラー Ref. 1016

最後は、1960年から1989年まで製造された、アイコニックなエクスプローラー Ref. 1016だ。製造期間が約30年と長かったことから、さまざまな文字盤やムーブメントのバージョンが存在する。では、なぜこのエクスプローラーは特別なのろうか?サブマリーナーやGMTマスターのようなロレックスの重要モデルに隠れたこのモデルは、いつだって地味なクラシックモデルだった。けれども、36mmケースと象徴的な3-6-9の文字盤レイアウトを備えたこのモデルは、1953年のエベレスト初登頂のストーリーと特別な繋がりを持つ真のクラシックなのだ。サブマリーナー Ref. 5512と同様に、エクスプローラー Ref. 1016もまた、1967年まで製造されていたギルトダイヤルから、1989年まで使用されていたマットブラックダイヤルへと移行した。さらに、この時計は1960年代半ばまでキャリバー1560を搭載していたが、その後、より高精度で振動数の高いキャリバー1570に変更された。キャリバー1570は、Ref. 1016が生産終了になるまで使用されていた。予算、また文字盤の好みによって選択肢がさまざまなため、自分にとって完璧なものを見つけるには、ある程度のリサーチが必要となるだろう。価格は長年安定しており、約160万円から始まり、オリジナルの箱と書類付きの良好なコンディションのものでは、約570万円にまで上昇する。予算にかかわらず、エクスプローラー Ref. 1016は、真のロレックスのアイコンだ。

まとめ

ロレックスに限らず、時計の価格推移やパフォーマンスを見る上で、一つ理解しておかなければならないのは、すぐに利益を得られるわけではないということだ。時計で利益を求めるなら、忍耐が必要だ。利益目的でロレックスを購入した場合、大きなリターンを得るには数年かかるかもしれない。時計市場は従来型の投資市場ではないので、じっくりと時間をかけてほしい。それまでは、ロレックスを身に着けて楽しみ、ぜひその特別な魅力を発見してほしい。

記者紹介

Jorg Weppelink

Jorg Weppelink

こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

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