クリスチャン・ハーゲン著
Watches & Wondersが間近に迫り、他にも一部のブランドが節目を祝っている中、2023年に何が待ち構えているかについては、まだ推測段階にある。これを読み進める前に、これらの予測はあくまでも著者の個人的な考えを基にしたものであることを覚えていてほしい。著者にはインサイダー知識があるわけではなく、言及した時計のいずれかが生産されることを既知しているわけでもない。
1948年製のオメガ シーマスター
オメガは今年間違いなく、これまでで最も有名なモデルラインの1つであるシーマスターの75周年を祝うサプライズをいくつか用意しているはずだ。しかし、シーマスターは2018年に38mm径のシーマスター 1948 コーアクシャル マスター クロノメーターで70周年を迎えているので、この記念すべき年に何らかの形でこのモデルが復刻しても驚きではないと思う。とはいっても、38mm径のシーマスター 1948 コーアクシャル マスター クロノメーターは、発売当時わずか1,948本のみ生産の限定モデルだったので、これは誰にも予測できないだろう。
スウォッチがオメガと再びコラボして「SeaSwatch」を作り出すことを強要しないことを願いたい。代わりに、シーマスター 1948の75周年記念モデルとして、ゴールドでポーセリンまたはエナメルの文字盤を備えたモデルが発表されたらかっこいいのではと思う。
1953年製のロレックス エクスプローラー
ロレックス サブマリーナの誕生はエクスプローラーと同じ年だ。2003年にグリーンのベゼルを備えたサブマリーナ、または通称 “カーミット” が発売されて50周年を迎えたので、この定番ダイバーズウォッチについてはあまり期待していない。ロレックスは2020年に41mm径のRef. 126610LVも発表しており、こちらもグリーンのベゼルを採用している。言い換えると、記念モデルのグリーンのサブマリーナは(著者の謙虚な意見では)今のところ必要ないのだ。
その代わりに、著者はエアキング Ref. 126900と同じ40mmケースの新世代エクスプローラーが登場することを期待している。このエクスプローラーの次の進化がエアキングの足跡をたどるのは、極めて当然のことだと思う。何と言ってもエクスプローラーは、2021年に、昨年からエアキングに搭載されるようになったキャリバー3230にアップデートされたのだから。
ついでに、次世代のミルガウスには同じ(またはそっくりの)ケースに保護用のリューズガードが装着されることを期待したい。また、エクスプローラーとミルガウスをRLXチタンで製造してはどうだろうか?
1963年製のロレックス デイトナ
2013年にロレックス デイトナが50周年を迎えた際、「唯一の」新モデルの発売は、アイスブルーの文字盤と栗色のセラクロムベゼルを備えたロレックス デイトナのプラチナバージョンだった。
著者は今年、ロレックスにはクレイジーなアップデートを期待はしていないが、もしロレックスがデイトナをアップデートするとしたら、日付表示付きのコンプリケーションを搭載してもいいと思う。しかし、これまでデイトナに日付表示機能が搭載されたことがないことを考えると、これはあまり期待はできない。
1973年製のオメガ スピードマスター 125
オメガ スピードマスターは今年の「注目の新作」リストには入らないかもしれない。しかし、オメガでクールな復活の価値に値するものを選ぶとしたら、それはスピードマスター 125だろう。
オメガ スピードマスター 125は1848年のブランド創業125周年を記念して、50年前の1973年に発売されたものだ。このモデルは、「ただの」スピードマスターではない。スイス公認クロノメーター検定協会(COSC)が1973年に創業された際、オメガ スピードマスター 125は権威ある認定を受けた初の自動巻きクロノグラフとなったのだ。
オメガ(そしてケースバックの刻印)によると、オメガ スピードマスター 125は2000本の限定生産だったというが、専門家はわずか2000本のみの生産であったことに疑問を抱いている。それでもなお、スピードマスター 125はロシアの宇宙飛行士、ウラジーミル・ジャニベコフの愛用時計であり、複数の宇宙ミッションで使用された。
大型で少し変わった外観のこの時計には、オメガ キャリバー1040を改良した自動巻きクロノグラフキャリバー1041が搭載され、24時間表示、AM/PM表示、クイックセットデイト機能を備えている。
これらのコンプリケーションに加えて、この時計のケース、ブレスレット、文字盤、およびムーブメントは、このモデル専用のもので、それ以前にも以降にも他の時計には使用されたことはない。そのため、スピードマスター 125はすでに素晴らしいオメガのポートフォリオの中でも重要な時計となっているのだ。
オメガは2021年以来限定版の時計を提供していない。著者はこれが今後も続くのではと予想しているが、1973年のオリジナルと同じファンキーな1970年代の形とコンプリケーションを備えたスピードマスター 175(ぴったりな名前だと思わないだろうか?)が登場したらよいのではと思う。また、自社製のコーアクシャル マスター クロノメータームーブメントを搭載してはどうだろうか?実現すれば、早速予約をしたいものだ。
1983年製のスウォッチ
スウォッチは、1983年に発売したカラフルなプラスチック製の時計で業界にその名を馳せた。 “スウォッチ” とは “セカンドウォッチ” を略したもので、瞬く間に世界的な成功を収めた。さらに重要なのは、スウォッチの成功がいわゆる「クォーツ危機」の際に弱体化していたスイスの時計産業を救ったことである。
スウォッチは昨年、ムーンスウォッチを発売して業界を席巻した。これは、1983年のスウォッチの最初の発売を思い起こさせる、一種の成功の第2波と見なされるかもしれない。40周年を記念して同社にどのような企画があるのかは分からないが、スウォッチにはオメガ スピードマスター ムーンウォッチの模倣よりももっと “自分らしい” ものを開発してほしいものだ。
1983年製のカシオ G−ショック
1983年は、カシオが大成功を収めた超耐久性のあるデジタルG−ショックが発売された年でもある。これらの定番時計は、アウトドア愛好家、アスリート、ファッションに敏感な人など、タフなデジタルウォッチを着用したいすべての人に人気がある。
その後、カシオは数え切れないほどのG−ショックのモデルを発売してきた。2018年にフルメタルの金メッキ版G−ショックを発売したときと同じように、カシオが何らかの形で感動させてくれることを期待したいが、今年彼らが何か驚くべきリリースを行うことはあまり期待していない。
1983年製のクロノスイス
クロノスイスは1983年、ミュンヘンでゲルト・リュディガー・ラングによって設立された。ラングは機械式時計の時代を超越した魅力を信じていた。
同ブランドは分、秒、時間表示が分かれた文字盤レイアウトを持つレギュレーターの小型化で名声を博した。レギュレーターはラングが腕時計に搭載する以前から、マリンクロノメーターやラジオ放送のタイムキーパー、時計製造のための基準時計などに使われていた。
ラングは1983年にムーンフェイズを備えた初のクロノグラフも製作した。結果として、これはクロノスイスが今年40周年を迎え、そのモデルの改訂版をリリースするする絶好の機会となるかもしれない。