メインページへスキップする

2025年のトレンドカラー:まだ注目されていない紫系文字盤の時計

Donato Emilio Andrioli 著
2025年5月13日
5 分
3543-2362-max (2)

2025年のトレンドカラー:まだ注目されていない紫系文字盤の時計

ロレックス オイスター パーペチュアル、グランドセイコー 44GS、オリス ビッグクラウン、アーミン・シュトローム オービット パープルなど。Watches and Wonders 2025 ではライラック、ラベンダー、パープルといったカラーの文字盤が今シーズンの最新トレンドであることがはっきりと見て取れた。この記事では、このトレンドをWatches and Wonders 2025に先駆けて取り入れていたものの、時計愛好家にはまだあまり知られていないモデルを3つご紹介したい。

次に来るのはライラック、パープル、ラベンダーの時計だ。
次に来るのはライラック、パープル、ラベンダーの時計だ。

ドイツ発のトレンドセッター:ノモス クラブ・スポーツ ネオマティック34 パープル

ドイツの有名時計メーカー、ノモスはWatches and Wonders 2025よりもずっと以前から紫色のトレンドを予測し、同社でおそらく最も人気の高いノモス クラブ・スポーツ ネオマティック34に、2024年11月の時点ですでにこのカラーを取り入れていた。34mmの時計は男性向きではないと思われるかもしれないが、その点は心配ない。ノモスの腕時計の最大の特徴でありながら賛否両論の分かれるデザインだが、ラグが長めに設計されているのである。そのため腕時計は手首上で実際より少し大きく見える。長いラグはチューダーのスノーフレーク針と同じくらいブランドの一大特徴となっている。ケース径が小さくなったことで、手首の細いユーザーや、長いラグに抵抗があった層にとっても、人気のクラブ・スポーツコレクションが手に取りやすい存在となった。ユニークなデザインと、ドイツ・グラスヒュッテ製ならではの優れた品質、さらに裏蓋から覗くたびに感嘆を誘う自社製ムーブメントで、今回も見事なまでの完成度だ。紫色の文字盤のリファレンス757は美しいサンバースト仕上げが特長で、その効果は太陽の日差しの下ではすぐに目を引く一方で、暗がりでは上品で控えめな表情を見せる。そこに、部分的にポリッシュ仕上げが施されたステンレス製ブレスレットが絶妙なバランスでマッチし、華やかさと高級感を同時に演出している。ノモス クラブ・スポーツ ネオマティック 34 パープルは、紫色を愛し、毎日使える万能な時計を求める人にぴったりだ。このトレンドセッターは56万円強で入手可能だ。

ノモス、2024年の新作をご紹介!
ノモスは人気のクラブ・スポーツコレクションに意外な新作をリリースして時計ファンを驚かせた。(画像:ノモス)

未来の名作:ロレックス オイスター パーペチュアル 39 114300

ロレックスはWatches and Wonders 2025でオイスター パーペチュアルの新色を発表し、その中にはパステルトーンのライラック色も含まれていた。しかし、皆様は気づいていないかもしれないが、ロレックスは何年も前にこの永遠の定番モデルに紫色を採用していたのである。2020年に製造終了となったロレックス オイスター パーペチュアル 39は、特にスレート(グレー)のバージョンが時計ファンの間で惜しまれている。紫の文字盤バージョンは公式カタログに掲載されていた当時ですら、あまり注目されていなかった。文字盤にはサンバースト仕上げが施され、非常に暗く落ち着いた印象を与える。ほとんどの照明条件では黒紫に見えるが、明るい環境でこそこの色は本来の魅力を放つ。白いインデックスと文字盤外周にあしらわれた赤いマーカーが一風変わった印象だが、全体に落ち着いた雰囲気のオイスター パーペチュアルに独特の個性を与えている。「レッドグレープ」はめったに見かけることのない時計であり、将来的にはコレクターの間で人気のアイテムになる可能性がある。現在のところは、まだ150万円以下で手に入るものもある。

ロレックス オイスター パーペチュアル「レッド グレープ」はいわゆる未来の名作かもしれない。
ロレックス オイスター パーペチュアル「レッド グレープ」はいわゆる未来の名作かもしれない。

紫色のスポースウォッチ:タグ・ホイヤー カレラ グラスボックス

タグ・ホイヤーもまた、Watches and Wonders 2025に先駆けて紫の文字盤を採用しており、今年初めにはこのトレンドカラーを使った複数のコレクションを発表している。その中には伝説的なモナコ、そしてもちろん同じくアイコニックなカレラも含まれている。ここではそのカレラについてご紹介したい。直径39mmのバイコンパックス クロノグラフであり、スポーティーかつエレガントなデザインが濃い紫のトーンと見事に調和している。自社製自動巻きキャリバーを搭載し、たっぷり80時間のパワーリザーブを誇り、技術面でも優れている。文字盤は中央が濃いヴァイオレットで、外周に向かってブラックに変化していくのが特徴だ。特に興味深いのは、この色合いが極めてダークに映り、カレラのスポーティーなテイストを強調している点である。ブラックのレザーストラップも、この時計全体のルックと見事にマッチしている。このモデルは発売されたばかりの新作であり、まだ流通量は多くないが、登場からわずか数か月で早くもメーカー希望価格を下回る価格で出回っており、98万円以下で購入することもできる。

極めてスポーティー:タグ・ホイヤー カレラ グラスボックス、パープル
極めてスポーティー:タグ・ホイヤー カレラ グラスボックス、パープル

トレンドカラー・紫:まとめ

少なくともWatches and Wonders 2025以降は確実に紫が新たなトレンドになりつつあるようだが、すべての時計愛好家にとって紫が魅力的な色というわけではない。しかし、思い切った色選びを好む時計ユーザーや、すでに複数の時計を所有しているコレクターにとっては、定番の黒・青・緑とは一線を画す、歓迎すべきバリエーションとなるかもしれない。筆者自身がこのカラーの文字盤の時計を購入するかと問われれば、おそらくそれはないだろう。個人的にはシンプルで時代に左右されないものを好むからだが、皆様にとってはこのトレンドが魅力的な選択肢かもしれない。

記者紹介

Donato Emilio Andrioli

Donato Emilio Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

記者紹介

最新記事

特集