はっきり言って35万円は大金だ。だが、時計の世界ではそうでもなく、エントリークラスの価格帯である。ただ、今やビギナーだけでなく経験豊富な時計コレクターも惹きつける、高品質かつデザイン性が高いモデルが比較的安価で手に入る時代になった。今回は35万円以下で購入できる素敵な時計を10本ご紹介したい。
- シチズン ツヨサ
- ティソ PRX パワーマティック 80
- ティソ ジェントルマン パワーマティック80
- ミドー マルチフォートTVビッグデイト
- スクワーレ 1521
- タグホイヤー フォーミュラ 1 キャリバー 5
- ジン 104
- ノモス ラドウィッグ 38
- ロンジン ハイドロコンクエスト
- チューダー ロイヤル
1. オールラウンダーの新星:シチズン ツヨサ
2023年に発表されたシチズン ツヨサは瞬く間に爆発的なヒットを記録した。見事なデザイン、高い品質、自動巻きムーブメント、シースルーバック、そしてカラフルな文字盤で業界に旋風を巻き起こした。海外ではTsuyosa Collectionの愛称で知られている「NJ015」シリーズの価格は6万3800円だ。シチズンは優れた時計が高価である必要がないことを証明していると言えるだろう。
2. ほぼ定番:ティソ PRX パワーマティック80
ティソ PRXもまた、ファンの心をつかむ魅力的なモデルだ。このジェンタにインスパイアされた時計は2021年に発表され、数年後には時計界に欠かせない存在となり、今では定番になっている。デザインが見事なだけでなく、経験豊富な時計愛好家も納得の素晴らしい品質だ。一番の特長はパワーマティック80自動巻きムーブメントと、着用中に何度も眺めたくなる美しいワッフル文字盤だ。ティソ PRXには35mm径と40mm径が用意されており、文字盤のカラーバリエーションも豊富だ。メーカー希望小売価格が10万7800円というのも魅力だ。
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3. よりモダンさを求める方に:ティソ ジェントルマン パワーマティック80
ティソ PRXが成功して人気を博しているとはいっても、誰もがジェンタ・ライクなデザインを好むわけではなく、よりシンプルなデザインを好む時計ファンもいる。ティソ ジェントルマンはPRXのモダンな兄弟モデルであり、基本的に兄貴分が持っているものはすべて備えている。例えば、豊富な文字盤カラー、素晴らしい品質、80時間のパワーリザーブと日付機能を備えた自動巻きムーブメント「パワーマティック80」だ。メーカー希望小売価格が13万5300円と今や古株ともいえるPRXよりやや高価だが、ジェントルマンは35万円を遥かに下回る価格の高品質な時計であることは間違いない。
4. ミドー マルチフォートTVビッグデイト
パテック フィリップ ノーチラスは時計愛好家の夢だが、ほとんどの人にとっては手の届かない高嶺の花だ。幸いなことに、我々一般人は莫大な資金を無理に注ぎ込む必要はない。なぜなら、ミドー社がマルチフォートTVビッグデイトという、ステンレススチール製スポーツウォッチのレジェンド、ノーチラスを彷彿とさせつつ独自のDNAを十分に備えた時計を用意しているからだ。時々16万円前後のものも見つけられるが、この魅力的な時計を自分のものにしたければ、20万円前後は覚悟しておくべきだろう。ミドー マルチフォートTVビッグデイトは35万円以下で購入でき、パテック フィリップ ノーチラスに代わり得る時計である。
5. ダイビングのエキスパート:スクワーレ 1521
経験豊富な時計愛好家にさえ、スクワーレを知らない人が時々いるという事実に、筆者は驚きを隠せない。何しろ、この独立系メーカーは完全にダイバーズに特化しており、この分野の専門知識を豊富に備えているのだ。ブランドが正式に設立されたのは1959年のことだが、スクワーレの創業者チャールズ・フォン・ビューレンは1940年代の終わりにはすでに自身の名前をつけた時計を作っていた。
60年代から70年代にかけて、スクワーレは他のメーカー(ドクサ、ジン、タグ・ホイヤー、さらにはブランパンなど)にケースを提供していた。スクワーレ1521は500m防水と、ファンの間では伝説的なフォン・ビューレン製ケースを備えた、おそらくこのメーカーのアイコン的存在といえるだろう。筆者が特におすすめだと思うのは白文字盤のモデルだ。比較的希少で手に入りにくいが、20万円程度でコレクションに加えることができる。
6. タグ・ホイヤー フォーミュラ1 キャリバー5
タグ・ホイヤーのフォーミュラ1コレクションは時計の世界では比較的ファンが少ない。これはおそらく、クォーツタイプの時計だとイメージされていることが主な理由だと思われる。だが、コレクションのすべてがクォーツ式なわけではないことをご存じだろうか。タグ・ホイヤー フォーミュラ1 キャリバー5はデザインが優れているだけでなく、自動巻きムーブメントを搭載してもいるのだ。筆者はグレーのサンバースト文字盤と時計全体にあしらわれた赤いエレメントが特に気に入っている。このモデルのスポーティーなコンセプトを見事に表現できていると思うからだ。未使用のものでも25万円前後から購入できる。
7. ファンに人気のドイツブランド:ジン 104
フランクフルト出身の筆者としては、35万円以下の時計10選にフランクフルトのブランド「ジン」を入れないわけにはいかない。ジン104は2013年に発表され、瞬く間にパイロットウォッチとして確固たる人気を得た。サイズも手頃な素晴らしいデザインで、特に白文字盤のバージョンは傑作だと思う。未使用のものが24万円前後で購入可能だ。
8. メイド・イン・グラスヒュッテのバウハウスデザイン:ノモス ラドウィッグ38
35万円以下の時計のリストにはエレガントなドレスウォッチも外せない。ノモス ラドウィッグ 38は特別な日にふさわしいだけでなく、普段使いにも最適な美しいドレスウォッチだ。シンプルで控えめながら魅力的な時計をお探しなら、ノモスには35万円以下の素晴らしいモデルが揃っている。なかでも筆者のお気に入りはもちろんラドウィッグ38だ。24万円程度でコレクションに加えることができる。
9. 手頃なダイバーズのアイコンウォッチ:ロンジン ハイドロコンクエスト
時計ファンの間でダイバーズのアイコンウォッチといえば、ロレックス サブマリーナー、オメガ シーマスター、ブランパン フィフティファゾムスといった輝かしい名前がすぐに思い浮かぶだろう。ロンジン ハイドロコンクエストは、今挙げた時計よりもかなり安価だが、それでも時計界ではすべてのコレクターからリスペクトされている。ロンジンは長年にわたり、このフラッグシップモデルを改良し洗練させて来た。現行のロンジン ハイドロコンクエストは極めて優れたダイバーズウォッチで、27万円前後で手に入る。
10. 煌びやかなチューダー:チューダー ロイヤル
チューダーはとりわけ、ヴィンテージデザインのスポーティーなツールウォッチのダイバーズで知られている。だが、同社のポートフォリオにも、チューダー ロイヤルという、ロレックス デイトジャストやデイデイトなどを思わせる一種のジュエリーウォッチともいえる時計がある。ケースとブレスレットに施されたポリッシュ仕上げのパーツの数々、遊び心のあるベゼル、サンバースト仕上げの文字盤は、チューダーの極めてエレガントな一面を見せている。公式のメーカー希望価格は40万円以上だが、Chrono24では35万円以下で出品されているものもある。したがって、このエレガントなスポーツウォッチを10選リストに仲間入りさせても良いだろう。
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