2024年01月24日
 7 分

60万円前後で購入できるおすすめGMT時計:ロンジンかチューダーか?

Jorg Weppelink
GMT時計:ロンジンかチューダーか?

GMT時計:ロンジンかチューダーか?

チューダーは60万円前後の価格帯で高い市場シェアを誇るブランドだ。ブラックベイ、ペラゴス、レンジャーなどの人気を考えると、この価格代ではチューダーを最初に思い浮かべるファンが多いのではないだろうか。しかしこの2〜3年、ロンジンが新しい戦略でチューダーに迫る勢いを見せている。ロンジンの伝統と歴史を受け継ぐデザインと優れたムーブメントは注目を集め、60万円前後という価格帯でトップを行くチューダーを脅かしている。

ロンジンとチューダーのGMT時計

“ロンジンンには、チューダーのブラックベイ GMTとブラックベイ プロに対抗しうる2つのGMT時計がある。ロンジン スピリット Zulu
Timeはヴィンテージ感あるGMT時計で、2022年の発表時に高い評価を受けた。サイズは42mm径で3種類のカラーバリエーションで発売された。そして2023年には、小型な39mm径モデルが4種類のカラーバリエーションで追加された。”

Can GMT watches from Longines compete with Tudor?
ロンジンのGMT時計はチューダーのGMT時計に匹敵するか?

そして39mm径のスピリット Zulu Timeの発表から間もなく、モダンなGMT機能を搭載したダイバーズウォッチ、ハイドロコンクエスト GMTが発表された。こちらも4色展開で、ブルー、ブラックの文字盤は非常にモダンなルックスで、グリーン、ブラウンの文字盤は、金メッキのアワーマーカーと針でレトロな魅力を持つ。

ロンジン vs チューダー:GMT時計を比較

では、ロンジン スピリット Zulu Time、ハイドロコンクエスト GMTとチューダー ブラックベイ プロ、ブラックベイ GMTを比べてみよう。まずはZulu Timeから。前述したように、サイズは39mmと42mmの2つから選ぶことができる。

Zulu Timeの39mm径モデルの厚みは13.5mmで、ラグトゥラグは47mm、防水性は100m。このスペックをブラックベイ プロと比較するなら、大きな違いはひとつ、厚みである。チューダー ブラックベイ プロは、ケースサイズ39mm径、厚みが14.6mm、ラグトゥラグが47mm、防水性は200mだ。

Longines Spirit Zulu Time L3.802.4.53.6
ロンジン スピリット Zulu Time L3.802.4.53.6

ブラックベイ プロのケースは1.1mm厚く、これはかなり重要なポイントであると言える。その厚みは、時計ファンの間でも論点になっている。厚みが14.6mmとなると、特に39mmという小さめの直径では、かなり分厚い時計になる。さらに、ポリッシュ仕上げのケース側面には何のディテールも施されていないことが、その厚みを一層際立たせている。そのため、すっきりとしたロンジンのZulu Timeの方が、この点では勝っていると言える。

Tudor Black Bay Pro GMT ref. M79470
チューダー ブラックベイ プロ GMT Ref. M79470

スリム化が進んでいるロンジンの時計

2つのZulu Timeのうち、ケースサイズ42mm径のモデルでは、厚みが13.9mm、ラグトゥラグが49mm。ブラックベイ GMTは、ケースサイズ41mm径で厚みが14.6mm、ラグトゥラグが50.2mm。ここでも再び、ロンジンの方がスリムで、かつラグトゥラグのサイズも小さいことから、さまざまな手首のサイズに合わせやすいと言える。

Longines Spirit Zulu Time Blue L3.802.4.93.2
ロンジン スピリット Zulu Time L3.802.4.93.2

ロンジン ハイドロコンクエスト GMTは41mm径のケースに、厚みが12.9mm、ラグトゥラグはわずか50mm以下と、今回取り上げた5つのモデルの中で最も薄い。その見た目も他の4つよりもダントツでモダンで、現代的なデザインの時計を好むなら、Zulu Timeとブラックベイ GMTの代替モデルとしてもぴったりと言える。また、ハイドロコンクエスト GMTはダイバーズウォッチでもあるため、防水性も300mとトップクラスだ。

モダンなフライヤーGMTムーブメント

ロンジンは、Zulu Timeとハイドロコンクエスト GMTのどちらにも、ETA製のムーブメントをベースとしたロンジン キャリバーL844.4を搭載しいる。クロノメーター認定を受けたこのモダンなムーブメントは72時間のパワーリザーブを誇る。また、チューダーもクロノメーター認定キャリバーであるケニッシ製のMT5652を搭載し、パワーリザーブは70時間だ。

ロンジン ハイドロコンクエスト L3.790.4.06.6
ロンジン ハイドロコンクエスト L3.790.4.06.6

COSC認定は、日差-4/+6秒というムーブメントの正確性を意味している。結果としてどちらのキャリバーも高精度の素晴らしいものだ。しかも、どちらも自動巻きのいわゆるフライヤーGMTムーブメントである。これはローカルタイムの時針を独立して調整できるもので、中央の時針を現在のタイムゾーンに合わせるだけで済むため、頻繁に旅行をする人にとって便利な機能だ。あとは24時間針をホームタイムに合わせるだけで、非常に使いやすい。時計に日付表示があるなら、日付も同時に合わせられるようになっているものが多い。

過去にルーツを持つデザイン

全体的な見た目については、チューダー ブラックベイ GMTはブラックの文字盤にブルー&レッドのペプシベゼルを持つアイコニックなロレックス GMTマスターをモデルにしている。2023年初めには、ホワイトの文字盤バージョンが発表された。ブラックベイ プロは、アイコニックな初代ロレックス エクスプローラー II Ref. 1655のデザインをベースにしている。チューダーのデザイナー陣は、初代エクスプローラー IIの外見をアップデートし、ほどよくチューダー色を添えるという素晴らしい仕事をした。

一方、ロンジン スピリット Zulu Timeのデザインは、ロンジンの航空史をしっかりと引き継いでいる。そのため、世界旅行がまだまだ真新しいものであった時代の真のヴィンテージGMTウォッチ感がある。ハイドロコンクエスト GMTは、GMT機能が搭載されたモダンなダイバーズウォッチだ。しかしそのゴールドカラーのアクセントで、ブラウンとグリーンの文字盤のモデルはレトロな雰囲気を漂わせ、多くの時計ファンたちから愛されている。

Tudor Black Bay GMT ref. M79830RB-0010
チューダー ブラックベイ GMT Ref. M79830RB-0010

ロンジンが競うのはルックスとスペックだけではない

冒頭で言及したように、どちらのブランドも60万円前後という価格帯で高いシェアを誇るブランドで、この価格帯の時計を探している多くの時計ファンたちがまず注目するブランドだ。しかし、この2社の間にも価格差は存在する。チューダー ブラックベイ プロはステンレススチール製ブレスレットの場合、59万700円。ストラップの場合は、54万5600円。チューダー ブラックベイ GMTはステンレススチール製ブレスレット付きが61万3800円。ホワイトの文字盤バージョンはファブリックストラップ付きが56万8700円となっている。

これに対して、ロンジンの2モデルはかなり手頃な価格設定だ。39mmと42mmのスピリット Zulu Timeはステンレススチール製ブレスレット付きで48万9500円で、レザーストラップ付きなら若干安くなる。ハイドロコンクエスト GMTはそれよりも低価格で、ステンレススチール製ブレスレット付きが46万7500円、ラバーストラップ付きが43万4500円となっている。

チューダーはロンジンよりも良い選択肢なのか?

チューダーとロンジンの2ブランドが展開する60万円前後のGMT時計のうち、どれが最良の選択肢なのか。もちろん、個人的な好みによるが、私たちはまず時計のルックスに惚れ込む傾向があり、外観についてはどのモデルがベストなのかを判断するのは難しい。チューダーには、ロレックスとのつながりというポイントもある。それはただ見た目という点だけでなく、両社の関係もあり、多くのファンが愛するつながりでもある。

しかし、ロンジンが2つの魅力的なGMT時計でチューダーに迫っているのは間違いない。どちらのモデルも、少しレトロな雰囲気を持ちつつ、デザインはすっきりとしている。そのうえ、ケースは薄く、着け心地がいい。また、ロンジンの最新のムーブメントはチューダーのキャリバーに匹敵する品質と言える。

ロンジンは歴史あるブランドで、そのGMT時計はデザイン、スペックともにチューダーに匹敵するものだ。もし、予算を節約したいというのであれば、その人にとってロンジンが優位となるだろう。この先、ロンジンとチューダーという2ブランドのどちらが優位に立つのかは非常に興味深いところだ。しかし、時計ファンの真の願いは2つのブランドがこの先も、良心的な価格で素晴らしい時計を届けてくれることだろう。


記者紹介

Jorg Weppelink

こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

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