格式高いジュエラーとして知られるカルティエは、時計ブランドとしても確かな地位を築いています。タンクやサントスなど、アイコニックなモデルは今なお世界中のファンに愛され、ヴィンテージ市場でも高い評価を受けています。
本記事では、カルティエの基本から人気モデルの特徴、価格帯や中古市場での相場までを網羅的にご紹介。初めてカルティエの時計を購入される方にも、時計愛好家・コレクターの方にも役立つ情報をお届けします。
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目次
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カルティエとはどんなブランドか?
カルティエは1847年、フランス・パリで創業された老舗メゾン。王侯貴族にも愛されたジュエラーとして知られていますが、20世紀初頭には世界初の実用腕時計「サントス」を発表し、時計史にもその名を刻みました。
カルティエの時計は、デザイン性とクラフツマンシップの融合が魅力。洗練されたケースフォルムや独自のローマンインデックスなど、ひと目で“カルティエらしさ”が伝わるデザインが特徴です。
カルティエの歴史とその歩み
1847年にフランス・パリで創業したカルティエは、ジュエラーとしての名声を築き上げながら、時計業界においても革新を続けてきた“腕時計の発明家”です。当時、懐中時計が主流だった時代に、世界で初めて量産された腕時計のひとつを世に送り出したのがカルティエでした。
1904年、ブラジル人飛行家アルベルト・サントス=デュモンの「飛行中に時間を確認できる時計がほしい」という依頼に応える形で生まれたのが、ブランド初の腕時計《サントス》。これが現代の腕時計の礎となり、サントスは今でもカルティエを代表するモデルとして愛され続けています。
さらに1917年には、戦車のフォルムから着想を得た《タンク》が登場。長方形のケースにローマンインデックスを組み合わせたこの革新的なデザインは、100年以上経った今もなおカルティエの象徴として進化を続けています。
その独創性は、デザインだけにとどまりません。近年では自社製ムーブメントの開発にも力を入れ、複雑機構を搭載した《プリヴェ》や、芸術性を極めた《アンドンプターブル ドゥ カルティエ》など、ハイジュエリーの分野においても他の追随を許さない存在感を放っています。
また、《パシャ》《パンテール》《バロンブルー》など、女性のためのコレクションが充実しているのもカルティエならではの魅力です。優美で気品に満ちたそのデザインは、エルトン・ジョンやアンディ・ウォーホル、ジャック・シラク、イヴ・サン=ローランといった著名人たちをも魅了してきました。
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実は幅広い!? カルティエの価格帯
カルティエは、1980年代、90年代のクォーツムーブメントで女性用の場合、Chrono24では約15万円以下で購入することができます。反対に上位の価格帯では、1000万円を超えるようなダイヤモンドなどの宝石をあしらった高額のジュエリーウォッチが揃います。最上位モデルや希少価値のあるモデルの場合、価格は5000万円前後まで上昇します。
しかし、多くが約50万円から200万円という価格帯で、定番のステンレス製タンクやコンビカラーのサントス、またはパシャ クロノグラフがこの価格帯に含まれています。イエローゴールドやピンクゴールド製のモデルとなると、価格は340万円以上になります。
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カルティエの人気モデルと特徴・価格推移まとめ
サントス(Ref.2961)
カルティエを代表する「サントス」は、1904年に飛行家アルベルト・サントス=デュモンの依頼で誕生した、世界初の実用腕時計とされています。彼が操縦中に時刻を確認できるよう設計されたこの時計は、パイロットウォッチの起源としても知られています。Ref.2961は、クラシックな角型ケースやアールデコ調のローマンインデックス、ベゼルのビス装飾といった伝統的な意匠を踏襲しながら、現代的なエレガンスを兼ね備えたモデルです。
現在は「サントス デュモン」と「サントス ドゥ カルティエ」の2系統が展開されており、ステンレス、ゴールド、プラチナなど素材も豊富。バイカラーやDLCコーティングモデルなども揃い、男女問わず高い人気を誇ります。ムーブメントは、小型モデルにクォーツ、大型モデルに自社製自動巻きが搭載されています。
カルティエ サントス Ref.2961は、過去3年間にわたり価格の安定した上昇を続けており、直近では75〜80万円付近まで上昇しています。右肩上がりの傾向が明確であり、約2年間で50%近くの価格上昇が見られます。特に直近1年間の価格上昇は顕著であり、今後もさらなる注目を集めることが予想されます。
パシャ ドゥ カルティエ(Ref.W3140002)
パシャ ドゥ カルティエ Ref.W3140002は、ラウンドケースにリューズプロテクターを備えた独創的なデザインが魅力。1980年代の登場以来、ユニセックスで人気の高いモデルです。スポーティさとエレガンスを兼ね備え、オンオフ問わず使える万能モデル。
2023年前半〜中盤にかけて、一時的に40万円を超える価格上昇が見られますが、その後現在にかけては20〜25万円台に落ち着いています。比較的安定した相場を保っており、エントリーモデルとしても再評価が進んでいるモデルです。
サントス ガルベ(Ref.2319)
「サントス ガルベ」は、カルティエの定番モデル「サントス」を現代的に再構築した、1980年代生まれの時計です。角を落としたラウンドスクエアケースにビス留めのベゼル、装飾が施されたブレスレットリンクなど、視覚的なインパクトと洗練されたディテールが融合。ジュエラーであるカルティエならではの「ラグジュアリー×実用性」を体現しています。Ref.2319はクォーツ式ムーブメントを搭載し、巻き上げ不要で手軽に使える点が特徴。「カルティエを日常使いで楽しみたい」という方に適したエントリーモデルです。
機械式のRef.2961とは異なり、サントス ガルベはよりカジュアルなアプローチで設計されており、ジュエリー感覚で楽しめる万能ウォッチとして高い人気を誇ります。
価格帯は80万円未満で安定しており、再評価が進めば資産価値の向上も期待できます。カルティエ入門にも、“ひとクセあるファッション時計”を探す方にもおすすめのモデルです。
タンク ルイ カルティエ(Ref.78086)
サントスに続く新たなデザインを模索していたルイ・カルティエが、戦車の俯瞰図から着想を得て生み出したのが、カルティエを象徴する「タンク」です。1917年に「タンク・ノルマル」、1922年にはルイ自身も愛用した「タンク・ルイ カルティエ(タンクLC)」が登場し、アンディ・ウォーホールやイヴ・サンローランなど多くの著名人に愛されました。そして、タンク ルイ カルティエ Ref.78086は、カルティエの美意識を体現した「タンク」の最上位モデル。
ルイ・カルティエ自身の名を冠し、流れるようなケースラインとドレス感あふれる佇まいが魅力。Ref.78086は手巻き式で、現代でも根強い人気を誇ります。
Ref.78086の市場相場はおおよそ100〜150万円台で推移しており、ここ数年でじわじわと価格が上昇。手巻き式ならではの希少性と、洗練されたデザイン性が相まって、現在も安定した人気を維持しています。
タンク ヴェルメイユ(Ref.590005)
カルティエのクラシックな魅力が凝縮された「タンク ヴェルメイユ」は、シンプルなタンクシェイプに金メッキ(ヴェルメイユ)ケースを組み合わせた、エントリーモデルながらも気品ある一本です。ヴェルメイユとは、シルバー925素材に金を厚く重ねた加工技術で、手頃な価格でゴールドの質感が楽しめるのが最大の魅力。主に1980〜90年代に展開されていたヴィンテージモデルとして、現在再注目されています。
ここ3年でじわじわと価値が見直されつつあるモデルであり、安価なヴィンテージドレスウォッチとしては異例の価格上昇を見せました。 金メッキながらもカルティエの名作デザインを堪能できることから、現在も安定した人気を誇っています。
タンク ソロ(Ref.W5200005)
カルティエ タンク ソロ(Ref.W5200005)は、タンクシリーズの伝統を継承しながらも、現代的にアップデートされたエントリーモデルです。シンプルで端正なスクエアケースに、ローマ数字のインデックスとレイルウェイ式の分目盛りがクラシカルな印象を与え、洗練された佇まいを備えています。ケース素材にはステンレススチールを使用し、マットな質感のシルバーダイアルにカルティエ伝統のブルースティール針が映えるデザインは、飽きがこない上品さを感じさせます。
ムーブメントはクオーツ式で、機械式に比べて扱いやすく、初めての高級時計としても最適。時間のズレが少なく、日常使いにおいてもストレスフリーな仕様です。風防には傷がつきにくいサファイアクリスタルガラスが採用されており、長く愛用できる堅牢性も備えています。また、リューズにはカルティエらしい青いカボションがあしらわれており、細部まで美意識が行き届いています。
サイズはメンズのスモール〜ミディアムにあたるため、腕元にさりげなく上品さを添えることができ、性別を問わず人気があるのも特徴です。全体として、タンクの精神を受け継ぎながら、現代のライフスタイルに合う実用性とエレガンスを両立した一本といえるでしょう。
ここ3年でじわじわと相場が上がり、2024年には一時45万円近くまで高騰。近年は調整が入るも、全体的に堅調な推移を見せており、“はじめてのカルティエ”としての人気ぶりが価格にも表れています。
タンク フランセーズ(Ref.W51002Q3)
カルティエ タンク フランセーズ Ref.W51002Q3は、1996年に登場した「タンク」シリーズの中でも特に現代的な進化を遂げたモデルです。従来のタンクが持つスクエアなクラシックデザインを踏襲しながら、ケースとブレスレットが一体化した滑らかなラインが特徴で、ジュエリーのような洗練された印象を与えます。
このRef.W51002Q3は、自動巻きムーブメントを搭載しており、機械式時計の味わいを楽しみたい方にもおすすめの仕様です。程よいサイズ感でユニセックスに着用できるため、性別を問わず多くのユーザーに支持されています。ダイヤルにはカルティエらしいローマンインデックスとレイルウェイ目盛りが配され、視認性とデザイン性を兼ね備えています。
高級感のあるステンレススチール製ブレスレットは、ビジネスにもカジュアルにもなじみ、オンオフ問わず活躍する一本。細部にはブルースティール針やカボションリューズといったカルティエの伝統的な意匠も盛り込まれており、実用性とブランドらしさを兼ね備えた完成度の高いモデルです。
中古市場では、近年価格がやや上下を繰り返しながらも安定的に推移しており、2025年4月時点ではおおよそ25万円〜40万円前後で取引されています。特に状態の良い個体や付属品完備のものは高値で推移しており、今後の資産価値も見込めるモデルといえるでしょう。
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カルティエの真の資産価値とは?
ここまでカルティエの代表的なモデルをご紹介してきましたが、ロレックスのように「リセールバリュー(値上がり益)」を主目的に購入されることが多いブランドと比べると、カルティエの時計はやや異なる魅力で選ばれる傾向があります。
カルティエの魅力は、何よりもその比類なきデザイン性とブランドが放つ気品にあります。ジュエラーとしての歴史を持つカルティエは、時計であってもどこか装飾品のような佇まいを纏っており、装いに洗練された華を添える存在です。価格帯も比較的抑えられており、初めてのラグジュアリーウォッチとしても選びやすい点も魅力の一つです。
とはいえ、すべてのモデルが資産価値において劣るわけではありません。たとえば「タンク ルイ カルティエ」や「サントス」といったクラシックモデルは、長年にわたり市場で安定した人気を保っており、状態や付属品の有無によっては、購入時と同程度、あるいはそれ以上の価格で再販されることも十分にあり得ます。とくに限定モデルや初期生産ロットなどはコレクターからの需要も高く、資産性の観点からも注目すべき存在です。
つまり、カルティエの時計は“値上がり益”を狙う投資というよりも、優れた審美眼に裏打ちされた「持つ喜び」や「長く愛される普遍性」にこそ価値があるブランドです。
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もし売却を検討するなら?タイミングと注意点
カルティエを資産として所有する場合、売却のタイミングも重要なポイントです。市場が活況を呈しているタイミングや、特定モデルの注目度が高まっている時期に売却することで、より高いリターンを期待できます。一方で、モデルの状態や付属品の有無によって価格が大きく変動するため、メンテナンスや保管環境にも注意が必要です。また、売却先によっても査定額に差が出ることがあるため、複数の買取業者やオークションサイトで相場を比較することが推奨されます。
高値で売却しやすいタイミングは、主に以下の3つです:
- 為替が円安傾向にあるとき(海外バイヤーの購買力が上がる)
- 該当モデルの後継機が発表・発売された直後
- 資産としての注目度が高まっている市場環境(株式や仮想通貨が不安定な時期など)
これらの時期は、買取価格が一時的に高騰することがあるため、売却を検討している方にとっては見逃せないタイミングです。
カルティエの売却先としては、国内外どちらも選択肢となりますが、人気モデルや希少モデルの場合は、海外マーケットのほうが高額で取引される傾向があります。特に、円安時には日本国内で販売したとしても、海外の需要を背景に高値がつくケースが見られます。
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まとめ
中古市場で時計を購入する際は、信頼できる販売店を選ぶことが非常に重要です。偽物を取り扱う悪質な業者も存在するため、安心して取引できる環境を選びましょう。また、商品の外装だけでなく、ムーブメントの状態も確認し、適正な価格かどうか相場を把握しておくことも大切です。
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