チューダーは、まるで誰からも好かれる友人という感じだろうか。あるいは、みんなの頼りになる友人という感じだろうか。ソファーを動かす?チューダーを呼ぼう。空港まで送って欲しい?チューダーを呼ぼう。そう、いつだって頼りになる友人、チューダーはそんな存在だ。その機能性の高さから評価されており、ペラゴスやブラックベイ、そして市場に出回っているあらゆるチューダーを見れば、それが理解できるだろう。ロレックスは、貴金属を使ったモデルを打ち出し、主要モデルの供給をコントロールすることで、ラグジュアリー感をより一層高めている。一方チューダーは、チューダーらしい時計を作り続けてきた。また、小型化しつつあるケースサイズのトレンドを牽引するブランドでもあり、ブラックベイ 58は、同ブランドのケースサイズへの柔軟さを体現したモデルであり、多くのファンを獲得した。ここ数年は、彼ららしい価値感を提案することで時計界をリードするだけでなく、多くの人が実際に購入したいと思うような時計を展開し、勢いを増している。今回は、そんな注目ブランドであるチューダーの中から、Chrono24で最も売れている40mm以下のベストセラー5モデルを紹介したい。みなさんのお気に入りは入っているだろうか。
ブラックベイ 58M79030N-0001

多くの人が39mmこそが最高の時計のケースサイズだと言う。このことは人によって異なるが、ブラックベイ 58は、人々の注目を40mm以下へと向けた時計だと言われている。非公式ではあるが、ロレックスのサブマリーナー “ビッグクラウン” Ref. 6538を模したと言われるブラックベイ 58は、ヴィンテージのデザインを現代に蘇らせた最高の成功例の一つだ。厚すぎず、それでいて頑丈で、派手すぎないところが魅力だ。ブラックベイ 58は、コストパフォーマンスに優れた最高のオールラウンダーの一つであり、当然ベストセラーの第1位となっている。
ぺラゴス 25407N

チタンは、その軽さと傷のつきにくさから、ブランド各社が採用している素材であり、2024年の年間最優秀ケース素材と言っても過言ではない。チューダーも以前からチタンを愛用しており、その代表例が大ヒットしたペラゴス 39だ。この時計では、ヒット作である42mmのペラゴスをお手本に、小さめサイズの究極のデイリーウォッチへと昇華させた。39mmのバージョンは、確かに42mmほど頑丈、強靭ではないが、日常使いに十分に対応し、小さな手首でも着け心地抜群である。デザイン面では、ブロック状のスノーフレーク時針が常に賛否両論だったが、四角いアワーマーカーと調和し、まとまりのあるデザインと言える。
ブラックベイ 5479000N

小型のダイバーズウォッチに興味があるなら、この時計がおすすめだ。初代チューダー サブマリーナーのデビュー年(1954年)にちなんで名付けられたブラックベイ 54は、37mmのステンレススチール製ケース、ギルト加工のダイヤル、ミニマルなベゼルなど、ミッドセンチュリー風テイストを備えている。ステンレススチール製ブレスレットとラバーストラップが標準装備で、ブレスレットには、チューダーの特徴であるT-Fitクラスプ付きで、外出先でも簡単に調整することができる。
ブラックベイ プロ79470

ブラックベイ プロは、39mmの人気サイズで成功を収めたもうひとつの例だ。デザインは、ヴィンテージの定番、ロレックス エクスプローラー II Ref. 1655をベースにしており、ブラックの文字盤にスチール製のベゼルが組み合わされ、鮮やかなカラーのGMT針が特徴だ。このリスト内で唯一、日付窓を備えるモデルであることにも注目したい。このブラックベイ プロは、同ブランドの人気オールラウンダーをベースとし、GMT機能を追加したものだ。しかし、チューダーファンたちが唯一残念だと思ったのはその厚みで、15mm近くあるブラックベイ プロは、シャツの袖下にうまく収まらない。
レンジャー M79950-0001

レンジャーはヴィンテージ愛好家のためのモデルだ。1960年代の初代レンジャーは、ロレックスの究極のフィールドウォッチであるエクスプローラー Ref. 1016に対するチューダーからの回答だった。どちらも似たような文字盤レイアウトを持ち、ケースとベゼルの構造も似ている。レンジャーの特徴的な時針は、2022年に34mmから39mmに変更された際も残され、機能性を重視した姿勢は、70年前と同様に現在も受け継がれている。シンプルでわかりやすく、どんな場面にも対応できる時計である。