2021年08月16日
 9 分

Chrono24ご購入ガイド: オメガ スピードマスター プロフェッショナル

Jorg Weppelink
Omega-Speedmaster-Buyers-Guide-2-1-EN

オメガ スピードマスターは、時計の歴史における偉大なアイコンのひとつである。1957年にレーシング クロノグラフとして発表されたこのタイムピースは、月面で時を刻んだ世界初の時計である。しかし、スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチは、種類豊富なスピードマスターのモデルのひとつに過ぎない。この記事では、オメガ スピードマスター アポロ11号 50周年記念モデルについて詳しく紹介していく。 

スピードマスターのサクセスストーリー

スピードマスターのサクセスストーリー

オメガが1957年にスピードマスター、シーマスター 300、レイルマスターの有名な3部作を発表して以来、何百種類ものスピードマスターモデルが、このブランドとその時計の偉大な伝統に貢献してきた。現在のスピードマスターコレクションは、いくつかの異なるモデルグループに分かれている。もちろん、ムーンウォッチ プロフェッショナルに始まり、ヘリテージモデル、ダークサイド オブ ザ ムーン、小型のスピードマスター 38 mm、2カウンター、そして最後に計器のモデルグループがある。 

史上最もアイコニックな時計のひとつが、オメガ スピードマスターである。
史上最もアイコニックな時計のひとつが、オメガ スピードマスターである。

伝統 VS ムーンウォッチ?見事なオメガ スピードマスター コレクション

オメガ スピードマスター アポロ11号 50周年記念モデルが、実はムーンウォッチ コレクションに含まれていないことを知って驚くかもしれない。オメガは、バズ・オルドリンが月面で着用した最初のオメガ スピードマスター Ref.105.012のラインのみを、直接の後継モデルとして残している。アポロ11号 50周年記念モデルは、スピードマスターの中でも特に優れたモデルを集めたヘリテージモデルのラインに属している。ヘリテージモデルには、アニバーサリーシリーズ (この記事でご紹介する時計もここに属する)、キャリバー321モデル、スピードマスター ’57シリーズ、そしてアイコニッなスピードマスター マーク IIシリーズがある。 

アポロ11号の限定モデル

オメガのアニバーサリーシリーズは、歴史上の象徴的な瞬間や過去の卓越したスピードマスターモデルを称え、特別な記念モデルを発表している。このシリーズは、1969年7月20日にニール・アームストロングとバズ・オルドリンがアポロ11号計画の一環として月面に降り立った直後にスタートした。人類の偉大な功績を称え、オメガは今では伝説となったゴールド製スピードマスターBA145.022に1014個のシリアルナンバーを入れて製造し、3番から28番までを当時のNASAの宇宙飛行士に贈呈した。 

このタイムピースが発表されて以来、オメガは11号のミッションを記念していくつかの特別エディションを製作してきた。最初のモデルは、1980年のスピードマスター アポロ11号 1980だった。オメガはその後、1989年のスピードマスター アポロ11号 20周年記念モデルを皮切りに、5年ごとに特別な記念モデルを発表してきた。2019年は、バズ・オルドリンがスピードマスターを携えて月面に降り立ってから50年という節目の年であり、オメガはもちろん、特別仕様の時計を作らずにこの瞬間を見逃すわけにはいかなかった。 

オメガのアポロシリーズは、バズ・オルドリンの伝説的な月面探査を記念したものである。
オメガのアポロシリーズは、バズ・オルドリンの伝説的な月面探査を記念したものである。

アポロの伝統: オメガの記念限定モデル

初の月面着陸から50周年を記念して、オメガは2019年に2つの特別なスピードマスター限定モデルを製作した。1つ目は、オメガが独自に開発したムーンシャイン™ゴールドを使用したアポロ11号 50周年記念 (Ref.310.60.42.50.99.001)。2つ目は、ステンレススチール製の「アポロ11号 50周年記念」 (Ref. 310.20.42.50.01.001) である。どちらも、オメガ マスター クロノメーター キャリバー3861を搭載している。 

ステンレススチール製 アポロ11号 50周年記念限定モデル

ムーンシャイン™ゴールドのアポロ11号 50周年記念モデルは、2年前に注目を浴びた。これは、1969年に発売されたゴールドのBA145.022モデルを現代的に再解釈した素晴らしいモデルだった。ステンレススチール製モデルも、まさに特別なものだ。6969個のシリアルナンバー入りのこのモデルは、おなじみの42mmのステンレススチールケースに丸みを帯びたサファイアクリスタルを採用している。 

ポリッシュ、サテン仕上げのブレスレットは、バズ・オルドリンのスピードマスターに使われていたオリジナルのブレスレットを彷彿とさせる。また、月面着陸の50周年を記念して、オメガは針、インデックス、そしてダイヤルのニス仕上げされたグレーの中央部分にあるヴィンテージロゴをムーンシャイン™ゴールドで製作した。ベゼルインサートはポリッシュ仕上げのブラックZrO2セラミックで、オメガのセラゴールド™タキメータースケールが付いている。9時位置のサブダイヤルには、月着陸船イーグル号から月面に降り立つムーンシャイン™ゴールドのバズ・オルドリンの姿が非常に緻密にレーザー彫刻されている。 

もうひとつの美しい要素は、”11” のアプライドアワーマーカーである。一見すると目立たないが、この時計が特別な日を祝福していることをさりげなく示している。時計を裏返すと、ケースバックには有名な月の足跡と、”THAT’S ONE SMALL STEP FOR [A] MAN / ONE GIANT LEAP FOR MANKIND (人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である)” という言葉、そして、”NAIAD Lock”、”Cal.3861”、”Co-Axial Master Chronometer”、”Apollo 11 50th Anniversary Limited Edition” などの印字とともに、製造された6969本のうちの何番目の時計かを示す文字が刻まれている。 

オメガ キャリバー3861

この時計の内部では、オメガ マスター クロノメーター キャリバー3861が時を刻んでいる。これは、オメガが2021年に先行して発表したムーンウォッチモデルに使用している現行のコーアクシャル クロノグラフ ムーブメントである。伝説的なキャリバー1861をアップデートしたこのムーブメントを最初に搭載したのは、50周年 記念モデルの2本だった。マスター クロノメーター キャリバー3861は、コーアクシャル脱進機を搭載し、METASのマスター クロノメーター認定を受け、1万5000ガウスまでの耐磁性を備えている。これは真の技術的進歩であり、最新世代のスピードマスター モデルに最適なムーブメントだ。 

オメガ マスター クロノメーター キャリバー3861は、最新のムーンウォッチ モデルの時を刻んでいる。
オメガ マスター クロノメーター キャリバー3861は、最新のムーンウォッチ モデルの時を刻んでいる。

スピードマスターの価格推移

スピードマスターには多くのモデルがあり、その価格推移はいくつかの異なる要因によって決まる。リファレンスは、限定エディションなのか、スタンダードなのか?より希少なムーンウォッチモデルなのか?Chrono24を見ると、ほぼすべてのリファレンスが値上がりしており、スピードマスターを購入することは素晴らしい決断だと言える。では、その市場での推移をさらに詳しく見ていこう。 

クラシックなムーンウォッチは、常にその価値を高めてきた。
クラシックなムーンウォッチは、常にその価値を高めてきた。

アポロ11号 50周年記念ステンレススチールの性能

疑問の余地はない。ステンレススチール製のアポロ11号 50周年記念モデルは、オメガがいかにして特別エディションの時計製作に精通しているかを示している。しかし、この時計がすぐにヒットしたわけではないことを知ると、驚かれるかもしれない。定価9650ドル (約105万円) の6969本がすべて完売するまでには時間がかかった。この価格はゴールドモデルの3万6500ドル (約400万円) に比べればかなりお買い得だが、それでも大きな投資である。 

また、9時位置のサブダイヤルに表示されているバズ・オルドリンの像が、秒針の代わりになっていることについても意見が分かれている。私に言わせれば、これは実際に見てみないとわからない要素のひとつであり、この時計はまさに見事な職人技の結晶なのだ。この時計が2019年7月に発表されてから最初の数ヶ月間は、オメガのブティックでまだ販売されていたが、Chrono24での価格は希望小売価格よりも13万円以上上昇した。価格はその後すぐに少しずつ下がり始め、2020年3月には最安値が約130万円弱となり、その後は価格が少しずつ上昇し、その後1年間で約130万円~140万円の間に落ち着いた。 

アポロ11号 50周年記念の価格は、この2年間で変化した。
アポロ11号 50周年記念の価格は、この2年間で変化した。

ステンレススチール製のオメガ スピードマスター プロフェッショナル アポロ11号 50周年記念モデルは、当初の定価よりも約13万円も高い安定した価値を維持している。このモデルは限定のアニバーサリーモデルであるため、時間の経過とともに価格はおそらく上昇するものの、今後数ヶ月の間に価格が急激に上がることはないだろう。生産数の多さ、価格の高さ、そしてデザインに対する賛否両論など、このスピードマスターがいかに特別なものであるかをコレクターが理解するには、しばらく時間がかかるかもしれない。個人的には、数年後には価値が大幅に上がっていると信じて疑わない。この時計を間近で見た後に言えることは、この時計の本当の価値を知るために、同じように一度見ていただきたい、ということだ。そして、この時計が記念すべきものであること、また、この時計の精巧な仕上げと優れたムーブメントを考慮すると、あなたのコレクションに加えるべき素晴らしい時計であることは間違いないので、機会があればぜひ検討してほしい。 

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こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

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