2022年10月05日
 4 分

オメガ スピードマスター X-33 マーズタイマー

Donato Andrioli
Watches-in-Space-Magazin-2-1
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オメガの新作、スピードマスター X-33 マーズタイマーの発表はまったく突然のことであった。筆者はこのユニークなクォーツクロノグラフを吟味し、以下の結論に達した。スピードマスター X-33 マーズタイマーはまったく無用な時計であるが、同時にこれこそが時計業界、そしてもしかしたらあなたも必要としているものであると。

オメガ スピードマスター X-33 マーズタイマーにどんな意義があるのだろうか?

オメガ スピードマスター X-33 マーズタイマー 他の惑星から来たかのような時計

オメガ スピードマスター マーズタイマーは欧州宇宙機関(ESA)とのパートナーシップにおいて開発された正真正銘のスポーツクロノグラフだ。この変わった名前を持つ新型オメガ スピードマスターは機械式のスピーディーではなく、極めて正確で多機能なクォーツムーブメントを搭載し、アナログとデジタル両方の時刻表示を備えた時計である。直径は45mm、厚みは14.9mmとかなり大型であるが、チタン製であるため重さは112gしかなく、着け心地は快適だ。両回転アルミニウムベゼルの色は火星の塵を強く想起させ、この色は秒針にも使用されている。時計を裏返すと、そこには有名な「Speedmaster」の文字とシーホースのロゴが刻印されており、その周囲にこの新作時計がESAによって試験および認定されていることが記されている。

防水性能は火星ではそこまで重要ではないため、このクォーツ時計では最大30mとなっている。火星自身よりも埃っぽく見えるチタンブレスとクラスプもデザインし直せたのではと思う。これはその他のX-33モデルや生産終了となったオメガ スピードマスター プロフェッショナルで使用されているものと同じブレスレットだ。幸い、時計の色と素晴らしくマッチした20mm幅のNATOストラップが付属しており、時計に現代的な印象を与えているだけでなく、重々しい感じも軽減している。オメガはここでも同社がどれだけプレゼンテーションの上手いブランドであるかを見せている。付属キットは特製ウォッチロールに入れられており、その内側には火星表面の急峻な峡谷であるヘベス谷が再現されている。

オメガ スピードマスター X-33 マーズタイマー 最大の特徴

オメガ スピードマスター X-33 マーズタイマーの最も重要な特徴には今まで触れてこなかったが、この時計の名前そのものがそれを表している。地球上の複数のタイムゾーンだけでなく、火星の日付を含む3つのタイムゾーンも表示し、1日が地球よりも長い火星の日時を示すことができるのだ。さらに、この時計は太陽コンパスも搭載しており、地球上でも火星でも簡単に北の方角を探すことができる。これはかなり革新的な機能で、クロノグラフやアラーム、曜日・日付表示、パーペチュアルカレンダーなどの機能が霞んで見えてしまうほどだ。風防の素材はもちろんサファイアクリスタルで、バッテリー寿命はオメガによると24ヶ月となっている。

オメガ スピードマスター マーズタイマー 無用であるが、まさに時計業界が必要としていた時計

オメガ スピードマスター X-33 マーズタイマーはまったく無用な高級時計である。日常ではほとんど身に着けられないほど大きく、まだ人類が降り立ったことのない火星の時刻を表示する。しかし、この時計がムーンススウォッチほどの話題を呼ばず、88万円という定価によって売れ行きも同じようにはいかないとしても、オメガ スピードマスター X-33 マーズタイマーはまさに時計業界が必要としている時計なのだ。私たちは誰もがスマートフォンを持っている時代に生きている。オメガが提案する時計の新鮮でユニークなアイデアは、我々時計ファンの注意を再び引き付け、時計業界に新しい刺激を与えてくれるのである。たとえこの時計を買おうと思わないとしても、高級時計メーカーがユニークな時計を作ることは素晴らしいことだ。オメガはこの時計が人気商品にならないことを100%分かっていると思うが、それでも市場に送り出した。しかし、ESAの管理センターで働く職員はきっとこの新作時計を身につけるだろう。そして、将来的な探査車ミッションにおいてオメガ スピードマスター X-33 マーズタイマーが重要な役割を演じ、ESAの宇宙飛行士がこの時計を身に着ける日も来るかもしれない。つまり、この時計はまったく必要ないこともないのである。何と言っても、火星は長年我々人類の次のフロンティアであると言われているのだ。この時計が火星に史上初めて降り立つ未来の「マーズウォッチ」となるかどうかは、時が経てば分かるだろう。


記者紹介

Donato Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

記者紹介

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