2022年04月14日
 8 分

Watches & Wonders 2022は、時計市場をどのように変えるのか?

Chrono24
W&W-Highlights-Magazin-2-1

Watches & Wonders 2022が終了して一段落したところで、今年最高の新作をご紹介します。今回のイベントで最も話題になった時計はどれだったのでしょうか。そしてこれらの新作は先代モデルの市場価値にどのように影響を与え、あるいは上昇させる可能性があるのでしょうか? 

盛り上がりが続くロレックス GMTマスター II

今年のWatches & Wondersで最も話題になったのは、間違いなくロレックスの左利き用GMTマスター IIだ。しかし、決して国際的な評価を得たものではなかったのは確かである。このロレックス GMTマスターの変り種は、間違いなく万人受けする時計ではない。ロレックスは、リューズと日付を時計の左側に反転させたことに加え、新たに黒と緑のセラミックベゼルを導入した。いくつかのニックネームがすぐにソーシャルメディアに登場していたものの、議論はどのニックネームが定着するか、ということではなかった。ロレックスはそもそもなぜこのようなことをしたのか、そしてそれが本当に良い新作だったのかに焦点が当てられていたのである。  

とはいっても、ロレックスのスポーツウォッチとして注目度は高く、購入したいファンも多いだろう。そして、気に入らない人には、新作は通常のロレックス GMTマスターの素晴らしさを再認識させる役割を果たし、もしかしたら次の購入はGMTマスターにしようと追いかけることになるかもしれない。いずれにしても、ロレックス、特にGMTマスター IIは今後数週間で大きな注目を集め、結果として価格が上昇することが予想される。  

グリーンで左利き用の新作GMTマスター II
グリーンで左利き用の新作GMTマスター II

チューダー ブラックベイ プロ 新生のロレックス エクスプローラー II?

今回のショーの目玉は、なんといってもチューダー ブラックベイ プロだろう。GMTのコンプリケーションを搭載したこの新しいブラックベイモデルは、1970年代の伝説的なロレックス エクスプローラー II Ref.1655からインスピレーションを得たものである。このような特定の初代エクスプローラー IIを愛する時計ファンは多く、その精神がチューダーによって復活したのは、嬉しい驚きだ。チューダーらしい、さまざまな手首にフィットする39mmのサイズ、優れたパワーリザーブを誇る自社製ムーブメント。アンティークのロレックスにインスパイアされされたものでありながらも、デザインにはチュードルらしさが感じられる。  

チューダーは、視認性の高い文字盤をステンレススチール製の24時間ベゼルで囲み、ブレスレットやストラップに映える時計を作り上げることに成功したのだ。全体的に、このモデルは最も話題となり、賞賛されている新作のひとつである。この新しいチューダーには、入荷待ちリストが発生するだろう。 

GMT機能を搭載したチューダー ブラックベイ プロが新登場

ヴァシュロン・コンスタンタン ヒストリーク 222によって、2022年を象徴するブランドは決まったのか?

ヴァシュロン・コンスタンタン 222の華々しい復活は、今年のWatches & Wondersで最も注目の新作となった。この新しいヒストリーク 222は、1970年代に発売されたアイコニックなラグスポ時計に新たな関心を呼び起こすに間違いない。ヴァシュロン・コンスタンタン 222は、ジェラルド・ジェンタのロイヤルオーク、ノーチラス、インヂュニアに次ぐ、4番目のアイコニックなラグスポ時計である。今年、ヴァシュロン・コンスタンタンは、そのアイコン的存在である222 “ジャンボ” を18Kイエローゴールドで現代的に復刻したモデルを発表した。ヴァシュロン・コンスタンタン 222 “ジャンボ” のオリジナルは、現在約2,200万円~2,400万円となっている。この新しい復刻版は、オリジナルの時計への完璧なオマージュのように見えるが、現代のムーブメントが搭載され、全体的に改良された仕上げが施されている。さらに、新作モデルの価格は約810万円で、アンティークバージョンよりもずっとお求めやすくなっている。  

しかし実際に手に入れられるかどうかが、より大きな問題である。限定版ではないものの、この時計は生産数が限られている。そのため、限られた人たちだけがラッキーな新しいオーナーとなる。アンティークバージョンを探すのも、きっと同様の状況になるだろう。ヴァシュロン・コンスタンタン 222は、現在のヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズのインスピレーションにもなっている。したがって、同ブランドの現在のモダンなラグスポ時計に対する需要もおそらく増加することだろう。2022年はヴァシュロン・コンスタンタンの年となるのだろうか?  

ローラン フェリエ スポーツ オート

一体型ブレスのモダンなラグスポ時計についての話をしばらく続けたい。ローラン フェリエ スポーツ オートは、厳密に言えば2月のWatches & Wondersの直前に発表されたものだが、このジュネーブのフェアで初めて実物を目にすることができたモデルだ。新作のスポーツ オートはもちろん、2019年から大人気のグランドスポーツ トゥールビヨンに続く、この小規模独立系ブランドから登場した2番目のスポーツモデルである。新しいチタン製の時計は、41.5mmのケース、美しいブルーダイヤル、美しい一体型ブレス、そして見事な自動巻きキャリバーLF 270.01を搭載している。  

この新しいローラン フェリエは、オーデマ・ピゲ ロイヤルオークやパテック フィリップノーチラスを目指さず、より高級でさらに特別なものを求める人のためのトータルパッケージといえる。ローラン フェリエ スポーツ オートの税別価格は46,000スイスフラン(552万円)だ。 すでにジェンタのアイコニックなデザインの時計を所有するコレクターが、少し違うものを求めて、この新しいバージョンに飛びつくことが予想される。生産数が限られているため、間違いなく2022年注目の新作となり、価格も上昇する可能性がある。  

新作のローラン フェリエ スポーツ オート

パテック フィリップ パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 5270P

パテック フィリップの大きな新作は、年次カレンダー トラベルタイム 5362Gである。ジュネーブを拠点とするパテック フィリップが、年次カレンダーとトラベルタイムのコンプリケーションを1つの時計に搭載したのは、このモデルが初である。この見事な新しい時計に対する反響は全体的に非常に好評で、ブランドにとって大きな成功になる可能性がある。  

しかし、Watches & Wondersで人々の話題となったのは、既存のモデルの新しいバリエーションであった。それは、プラチナ製でグリーンのラッカー仕上げの文字盤を備えたパテック フィリップ 5270Pである。この時計はプラチナのバージョンを、アラビア数字をあしらったサーモンダイヤルに置き換えたもので、素晴らしい外観となっている。このモデルでは、数字をアプライドインデックスに変更し、ブラックの文字盤のローズゴールドバージョンと同様のインデックスを採用している。5270Pは同ブランドの中でも特に人気の高いモデルで、今回の新作は息をのむような美しさだ。さらにこの時計には、輝かしい手巻きキャリバーCH 29-535 PS Qが搭載されている。間違いなくこのブランドが製造する最高の時計の1つである5270Pは、この新しい仕上がりによって大成功となり、少数の幸運な人だけが購入できるものになると著者は推測している。二次流通市場で価格が高騰しても不思議ではない。  

パテック フィリップ パーペチュアル カレンダー クロノグラフ 5270Pがグリーンで登場
パテック フィリップ パーペチュアル カレンダー クロノグラフ 5270Pがグリーンで登場

カルティエ タンク ルイ カルティエ

この記事で最後に紹介したいブランドは、カルティエだ。カルティエはWatches & Wondersの期間中にその人気がさらに高まった。カルティエは、このイベントで最もクリエイティブでアイコニックな時計を発表しただけでなく、その反響の大きさは、現在のカルティエの根強い人気を証明するものとなった。どのモデルも話題性には事欠かないので、今回の新作の中で目立ったモデルをひとつ挙げるのは難しい。しかし、その中でもすぐにひと際目を引いたものがあった。それは、新登場したカルティエ タンク ルイ カルティエである。1本目はグレーモザイクの文字盤にローズゴールドのケース、2本目はバーガンディレッドモザイクの文字盤にイエローゴールドのケースを採用している。どちらも華やかな文字盤が魅力的だが、著者の考えではイエローゴールドと黒漆の文字盤が最高だ。  

この時計は、カルティエ タンクの驚くべきアイコン的価値を完璧に表現しており、イエローゴールドとブラックのカラーコンビネーションは他に類を見ない。全体的なデザインと手巻きキャリバー1917MCの組み合わせにより、ブラックのタンク ルイ カルティエはWatches & Wonders 2022で最も人気のある時計のひとつになるだろう。 

カルティエ タンク ルイ カルティエ

時計市場に影響を与えそうな、W&W 2022の注目の新作モデル6本はこれで以上である。これだけ多くの時計が登場すれば、当然注目に値する新作発表は他にもたくさんある。美しい新作の数々をチェックして、新しい時計を見つけるのもいいかもしれない。 


記者紹介

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Chrono24マガジンの裏側にはChrono24社員、フリーの記者、ゲスト記者などがいますが、その全員に共通していること、…

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