オメガ アポロ 11

2019年、人類が初めて月面に着陸してから50周年になります。この歴史的偉業が成し遂げられた際、当時宇宙飛行士の標準装備とされていたオメガのスピードマスター プロフェッショナルも、一緒に月へ同伴しました。オメガがこのアポロ11号の偉大な記念日に、かの有名なスピードマスターを讃えて2つの特別エディションを発表したのも当然と言えるでしょう。その1つのモデルはステンレス製で、もう1つはムーンシャインゴールド製です。ゴールドモデルの方は、1969年にミッションの成功を祝って発表された スピードマスターアポロ11号モデルと、細部に至るまでほぼ同様のデザインで仕上げられています。

オメガはそれ以来、この歴史的出来事に因んだスピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチの特別エディションを定期的に発表してきました。そのすべての時計においてケースのデザインは同一で、ケース径は42mm、プッシュボタンとリューズは安全を考慮してやや下目に取り付けられており、ベゼルにはタキメータースケールが刻まれています。文字盤には3つのインダイヤルがトリコンパックス構成で設置されています。

各モデルの大きな違いは、使用されている素材にあります。ステンレス素材のアポロ11号モデルに並び、オメガはイエローゴールド、ホワイトゴールド、チタン、またプラチナ製のモデルも提供しています。さらに、初の有人月面着陸を思い起こさせる、様々なエングレービングや装飾が施された時計も用意されています。

初代のスピードマスター プロフェッショナル アポロ11号モデルは、オメガが月面着陸の成功を祝して発表したリファレンスナンバー BA145.022-69の記念エディションです。このモデルは合計1014本製造され、その内28本はアポロ計画に参加したNASAの宇宙飛行士たちに贈呈されました。

この時計のケース、ブレスレット、文字盤は18Kイエローゴールドで統一されており、それと対照的なワインレッド色のタキメーターベゼルが際立ちます。時計針とアプライドのインデックスはブラックで、ゴールドの背景に完璧に浮き出ています。また、文字盤の表示は丸みを帯びたプレキシガラスによって保護されています。

オリジナルのムーンウォッチと同様、時計の心臓となっているのは キャリバー 861 です。この手巻き式キャリバーはレマニア 1873をベースとしており、アワーカウンターとミニッツカウンターが3時と6時位置に設置されています。また、9時位置にはスモールセコンドがあります。

この時計は非常に希少で、入手は困難です。このため状態の良いモデルには、約612万円の価格が付けられます。

オメガは1979年、月面着陸10周年記念のアポロ11号モデルとして、 BA345.0802と BC345.0802を発表しました。両モデルの違いは素材にあります。300本限定のBAエディションの素材にはイエローゴールドが使用され、20本限定のBCモデルのケースにはホワイトゴールドが採用されました。どちらのモデルにもブラックのタキメーターベゼルとシースルーのサファイアクリスタルケースバックが搭載されています。この裏蓋を通して、精巧に装飾されたキャリバー861L (Lはluxuryの頭文字) の動きを眺めることが可能です。

ホワイトゴールドのモデルを入手するのはほぼ不可能です。これに対し、イエローゴールドのモデルは市場でも見られます。その価格は状態の良い中古品で約330万円～367万円になります。

月に向けた宇宙飛行計画成功の20周年を記念するスピードマスターアポロ11号は Ref. ST145.022 で、このモデルの本数は6250本に限定されています。ケースの素材はステンレスで、文字盤とベゼルはブラックです。オメガはこのモデルに夜光塗料を使用したホワイトの時計針を取り付けました。また、インデックスにも同じくこの塗料が使用されており、暗い場所で光を放ちます。

このモデルシリーズは、ケースの左側に「Apollo XI 1969」のエングレービングが施されていることによって見分けられます。さらに、アメリカ用とドイツ用に製造されたモデルには、これに追加して各時計の番号が刻まれています。搭載されている機構は、以前のモデルと同じくキャリバー861です。

このアポロ11号モデルのご購入をお考えの場合、状態の良い中古品で約73万円のご予算をお立てください。

1994年に、月面着陸は25周年を迎えました。オメガはこの記念日を3つの異なるアポロ11号モデルで祝しました。その1つ目はステンレスモデル、2つ目はホワイトゴールドモデル、そして3つ目はプラチナモデルです。ステンレスモデルは2500本製造され、デザインと技術の両面において アポロ11号20周年記念エディションとほぼ変わりません。ケースの側面には「Apollo XI 1969 – 1994」とのみエングレービングされており、ケースバックには「Limited Edition」と刻まれた文字が見られます。この時計は状態の良い中古品で約56万円にてご入手いただけます。

リファレンスナンバー 3692.30のホワイトゴールドモデルにはホワイトシルバーコーティングが施された文字盤が備えられており、時計の裏面ではサファイアクリスタルケースバックから透き通るキャリバー 864の動きを眺めることができます。この時計は500本限定のため、入手は簡単ではありません。そのため約159万円の価格が付けられることも珍しくありません。

プラチナのアポロ11号25周年記念エディション (リファレンスナンバー 3097.30) の製造本数は50本に限定されています。 手作業でシースルー加工が施された文字盤とムーブメントが、この時計をアポロ11号シリーズの中でも唯一無二にしています。このモデルも非常にレアで入手は大変困難であり、価格はステンレスおよびホワイトゴールドモデルの何倍にもなります。

アポロ11号計画30周年の際にも、オメガはスピードマスター プロフェッショナルの特別エディションを市場に送り出しました。リファレンスナンバー3560.50のステンレス時計には、1994年に発表されたモデルと同じくブラックの文字盤とブラックのベゼルが使用されており、また蓄光塗料が使用されたホワイトの時計針とインデックスが備えられています。この時計の内部で時を刻むのは、キャリバー1861です。

時計を見分ける際には、裏蓋のエングレービングをご覧ください。„Hello Houston, tranquillity base here. The Eagle has landed” (「ヒューストン、こちら静かの海基地、鷲は舞い降りた」) の文章だけが刻まれています。

アポロ 11 号 30 周年記念エディションの価格は、状態の良い中古品で約40万円です。

アポロ11号 35周年記念エディションは、以前のモデルとは見た目が大幅に異なります。 リファレンスナンバー 3569.31 のこの時計には、所謂パンダダイヤルが搭載されており、ホワイトの文字盤上にブラックのインダイヤルという配色になっています。そして、月面着陸が達成された日付が、スピードマスター プロフェッショナルのモデル名のすぐ下に赤い文字で書かれています。時計針とインデックスはロジウムメッキでコーティングされており、夜光塗料が施されています。その全体はブラックのタキメーターベゼルによって縁取られています。

ケースバックもまた、その他のアポロ11号モデルとは異なる様式になっています。オメガはこのモデルのサファイアクリスタルケースバック内側に、アポロ11号ミッションのエンブレムをプリントしています。

3500本製造されたこの時計の価格は、状態の良いモデルで約128万円になります。

スピードマスター アポロ11号 40周年記念エディション は、2009年にステンレスとプラチナの両タイプで発表されました。両モデルに共通している点は、同一の機構であるキャリバー 1861が使用されていることと、マットブラックの文字盤、蓄光塗料使用のホワイトの時計針、ブラックのタキメーターベゼルが備えられていることです。しかし、両モデルの見分けを付けるのは簡単です。それは、リファレンスナンバー 311.30.42.30.01.002のステンレスモデルの9時位置に設置されたスモールセコンドには、アポロ11号のレリーフがシルバーで彫られているからです。また、ケースバックにもこれと同じモチーフが彫刻されています。これに対し、プラチナモデルではスモールセコンドのレリーフもケースバックのエングレービングも、ゴールドで統一されています。

アポロ11号 40周年記念エディションのステンレスモデルは7969本製造され、状態の良い中古時計は約70万円でご購入いただけます。プラチナモデルは69本に限定されており、そのため大変希少です。価格は約661万円になります。

オメガは2014年に発表されたスピードマスター アポロ11号のデザインにおいて、チタンケース、ブラックのセラミックインレイが使用されたローズゴールドベゼル、並びに ブラックのPVDコーティングが施された文字盤という仕様を採用しました。文字盤を保護するのはサファイアクリスタルです。時間と分の目盛り、ロゴ、数字、インダイヤルの目盛りは小さく盛り上がっており、これが文字盤に美しい3D効果をもたらしています。

文字盤のブラックとコントラストを成しているのは、アプライドインデックス、およびベゼルの配色と同じローズゴールドで作られた時計針です。オメガはこのゴールド素材をセドナゴールドと呼んでいます。このリファレンスナンバー 311.62.42.30.06.001のモデルは、ダークグレーNATOストラップによって腕にしっかりと着用されます。

1969本製造されたこの特殊なスピードマスターは、状態の良い中古品で約122万円にて販売されています。

オメガは月面着陸の50周年を記念して、2つのアポロ11号モデルを発表しました。その1つ目は スピードマスター アポロ11号 50周年記念ムーンシャインモデル (リファレンスナンバー 310.60.42.50.99.001) で、これは1969年に発表されたアポロ11号モデルをモチーフにして作られました。昔のオリジナルモデルと同様、50周年記念エディションも18Kゴールド、もっと正確に言えばこのモデルのために特別に開発されたムーンシャインゴールドが使用されています。この素材は、元祖モデルに使われたイエローゴールドより明るい色を持ちます。

ベゼルにはワインレッド色のセラミック製インレイが備えられており、タキメータースケールはセドナゴールドで刻まれています。デザインのモチーフとなった60年代の時計と同じく時計針とインデックスはブラックで、ゴールドの文字盤の上で黒く際立ちます。風防はサファイアクリスタルで、シースルーのケースバックもこれと同素材になっています。 コーアクシャル マスタークロノメーター キャリバー 3861 の動きはスケルトンの裏蓋を通して眺められます。

この時計は1014本に限定されており、定価は371万円です。

2つ目のタイムピースは、ステンレス製の アポロ11号 50周年記念リミテッドエディション (Ref. 310.20.42.50.01.001) です。このモデルの文字盤はブラックで、針とインデックスは18Kゴールド製です。ベゼルも同じくゴールドを素材としており、ポリッシュ加工されたブラックセラミックのインレイが備えられています。

この時計の9時位置に配置されたスモールセコンドには、バズ・オルドリンが着陸船から月面に降りた際の様子がゴールドでエングレービングされています。時計の裏面には宇宙飛行士の足跡が描かれており、ニール・アームストロングの名言 „That’s a small step for a man – One giant leap for Mankind“ (「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」) も刻まれています。

この時計も、マスタークロノメーターの認定を受けたコーアクシャルキャリバー 3861によって駆動されています。本数は6969本に限定されており、定価111万2400円にて提供されています。