ジン 903 – 歴史あるナビゲーション クロノグラフ
ドイツ・フランクフルトに拠点を置くジン特殊時計が提供するナビゲーション クロノグラフ903は、最高のツールウォッチです。レトロな雰囲気を持つこの時計を用いて正確なタイムの計測や、また計算尺を使用して数学的な計算を行うことが可能です。
ジン 903を買う5つの理由
- 計算尺ベゼルを備えるビゲーション クロノグラフ
- ブライトリング ナビタイマーと類似の低価格モデル
- 耐負圧性、耐衝撃性、耐磁性、水深100mまでの防水性
- ジンによってフィニッシングされた、高精度スイス製自動巻きムーブメント
- レザーストラップ、ステンレスブレスレット、シリコンベルトなど豊富なブレスレットの品揃え
計算尺付きのレトロ クロノグラフ
ナビゲーション クロノグラフ 903 は、1979年からフランクフルトの時計メーカーであるジン特殊時計のプログラムにラインナップされています。この時計の特徴は、ストップ機能に並び、計算尺ベゼルが搭載されていることです。このベゼルを用いて様々な計算や換算などを行うことができます。
文字盤の縁に刻まれた 計算尺のスケールが、このクロノグラフの最大の特徴です。外側の両方向回転リングを用いて、計算に必要な数値を設定できます。古いモデルではこの設定をベゼルの回転によって行っていましたが、現行のモデルでは10時位置に設置されたリューズによってこれが行われます。また、3つのインダイヤルが、3時 (30分積算計)、6時 (12時間積算計) 、9時 (スモールセコンド) 位置に設置されています。このモデルの日付は4:30の位置に表示されます。
文字盤上にはたくさんの小さな数字や目盛りが表示されているのにもかかわらず、整った印象を与えます。これは、時刻表示がバーインデックスのみで行われ、12時以外には数字が用いられていないことにもよります。バーインデックスには蓄光塗料が使用されており、針にも同じく蓄光塗料が使用されているため、暗い場所でも高い視認性が保たれています。
スポーティーで優雅かつレトロで上品なモデル903は、ステンレスやレザー、またはシリコン素材のブレスレットで腕に巻かれます。
ジン 903の価格は?
モデル | 価格 (約) | ムーブメント | 特徴 |
903.H2 | 45万円 | レマニア 1872 | バイコンパックス ダイヤル |
903.H4 ムーンフェイズ | 40万円 | レマニア 1883 | 4つのインダイヤル、ムーンフェイズ、ポインターデイト |
903.ST.GL24 | 38万円 | レマニア 1877 | 24時間表示 |
903.ST | 35万円 | セリタ SW 500 | 日付 |
903現行モデルの価格
現行のジン 903には3種類のモデルがあります。そのすべてはケースサイズ41mmのステンレスモデルですが、違いは文字盤の色にあります。 モデル 903.ST.AUTO は対照的な配色でできています。このモデルのインダイヤルはホワイトシルバーで、インデックスと針、また計算尺リングも同じくホワイトシルバーです。文字盤は電気めっきで黒に着色されており、サテンブラックに輝きます。
これに対して 903.ST.AUTO.Sの文字盤は完全にシルバーで統一されています。その代わり、このモデルの針とインデックスはブラックです。上品なレザーストラップとのコンビネーションで、このタイムピースはドレスウォッチとしても着用できます。3つ目のモデル 903.ST.AUTO.B.Eは、どこかレトロな雰囲気を持つデザインです。このモデルでもインダイヤルとインナーリングはシルバーですが、ダイヤルはダークブルーです。また、針とインデックスはアイボリーカラーになっており、古びた夜光塗料のような印象を与えます。
これら3つのモデルは、技術面ではすべて同一です。時計を駆動しているのは自動巻きのセリタキャリバー SW500です。この機構の振幅数は毎時2万8800回で、秒針停止機能と日付クイックチェンジ機能も備えられています。また、時計は水深100m (10気圧) までの防水性、ISO1413に準じた耐衝撃性、DIN8309に準じた耐磁性を備えています。
現行ジン 903モデルの価格は、未着用品で約34万円~35万円です。着用済みの中古モデルはそれより多少安い価格で提供されており、平均約24万円~28万円になります。
903のヴィンテージモデルと特別限定モデルの価格
ジン 903シリーズには、初代モデルの発売以降、多数の異なるモデルが追加されてきました。903.H4 ムーンフェイズなど、その内のいくつかのモデルはコレクターから熱い人気を誇っています。この時計はいくつかの点において特別です。スモールセコンド、30分積算計、12時間積算計に加え、12時位置に4つ目のインダイヤルが設置されています。このインダイヤルでは ムーンフェイズ表示とポインターデイトの両機能が融合しています。この追加コンプリケーションを実現しているのは、手巻き式のレマニアキャリバー1883です。サファイアクリスタルのケースバックを通してこの機構の動きを眺められます。また、スタンダードモデルと異なるもう一つの特徴は、計算尺リングを操作するリューズが10時位置から8時位置に移動したことです。このモデルの価格は、状態の良い中古の時計で約40万円になります。
また、903.H2も大変興味深いモデルです。その文字盤上には 2つのインダイヤルのみ設置されており、一つは3時位置の30分積算計、もう一つは9時位置のスモールセコンドです。この時計のケース内にも手巻き式のレマニアキャリバー1872が搭載されています。この時計は数百本しか製造されておらず、とても希少です。価格は約45万円です。
モデル 903.ST.GL24も、注目のコレクター時計です。通常の12時間表示の代わりに、この時計は24時間表示になっています。つまり、時針は文字盤上を1日に1周します。この時計を駆動しているのは手巻き式のレマニア1877キャリバーです。この時計には日付表示が備わっていませんが、計算尺は装備されており、これはベゼルによって操作されます。価格は時計の状態によって、約38万円~44万円になります。
前世紀に製造された古いモデルも、コレクターの間で高い人気を誇っています。1980年代初期の手巻き式バルジューキャリバー7740搭載モデルは、状態の良い中古モデルで約36万円にて提供されています。2000年以降に発売された自動巻きキャリバーのバルジュー7750搭載モデルはそれより少々安く、約32万円でご入手いただけます。
ジン 903の歴史
ジン 903は、よく ブライトリング ナビタイマー と見間違えられます。この両時計を手に取って比べてみると、本当に似ていることがよく分かります。そして、これには正当な理由があるのです。
クォーツショックの影響が頂点に達した時期、ブライトリングは経営不振に陥りました。同社の製造所の大部分は閉鎖され、時計製造はほぼ停止状態となりました。実業家アーネスト・シュナイダーはブライトリングの氏名権と商標権を買収しましたが、同社に属していた施設や部品、機構などには手を付けませんでした。これにチャンスを見いだしたヘルムート・ジンは、それらの部品や機構の大半を購入しました。彼はまた、これらの部品や機構を使用して組み立てた時計を、自身の名の下で販売する権利を確保しました。
従って、ジン 903 はナビタイマーの双子の妹と呼ぶことのできるモデルなのです。このモデルはオリジナルナビタイマーのお手頃な類似時計であり、1979年以降はいくつかの特徴を備えた独自のモデルとして確立しました。