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ジン特殊時計会社 – 機能性に重視したプロ用時計
ドイツの時計メーカーであるジンは、機能的で耐久性のある時計で有名です。Uボート・スチール素材のダイバーズウォッチは海水に非常に強く、また高い圧力にさらされても動き続けます。このため、同社の時計はドイツの対テロリズム特殊部隊GSG9によって、出撃用計測機器として着用されています。
ジンの時計を買う5つの理由
- 極限の環境にも耐久する堅牢な時計
- 海水に強い: Uボート・スチール素材のダイバーズウォッチ
- モデルEZM2Bは5000m (500気圧) まで防水
- 公式認定されたパイロットウォッチ・ダイバーズウォッチ
- 1985年に宇宙飛行を成し遂げたスペースクロノグラフ ジン140
いかなる出撃においても大活躍
ジン特殊時計会社が製造するタイムピースは、機能的で非常に堅牢、そして革新的です。ドイツのフランクフルトを拠点とする時計メーカーのジンは、救急隊員や消防士、特殊部隊などで活躍する人々のために作られたアインザッツツァイトメッサー (ドイツ語で出撃用計測機器の意味) で有名です。このひとつである ダイバーズウォッチ UX GSG 9 は、ドイツの対テロリズム特殊部隊GSG9によって着用されています。このモデルは海水に強いUボート・スチールを素材にして作られており、水深1万2000m (1200気圧) までの防水性を備えています。
このメーカーは非常に強い耐水性を持つダイバーズウォッチや、極限の環境でも使用できるその他の出撃用計測機器に並び、数多くのパイロットウォッチの製造も行っています。パイロットウォッチには、3針モデル、GMT機能搭載モデル、クロノグラフ機能搭載モデルがあります。また、トップのモデルは2つのタイムゾーンの時刻を同時に表示し、さらには12時間までのタイムを計ることができるストップウォッチ機能も持ち合わせています。ドイツ工業規格DIN 8330の認定を受けたパイロットウォッチはジンが誇るパイロットウォッチモデルです。多くのメーカーは時計を「パイロットウォッチ」と呼びますが、公式なパイロットウォッチとして認定されている時計は多くありません。認定を受けたパイロットウォッチは、飛行中の様々な厳しい環境に耐え、万が一航空機内の計器が機能しなくなった場合も、その代わりとして完全に機能を補うことができます。DIN 8330規格の基礎となったのは、アーヘン工科大学とジン社が共同開発した「パイロットウォッチの技術規格 (TESTAF)」です。
ジン時計の価格はいくら位ですか?
モデル | 価格 (約) | 時計のタイプ | 耐水性 | 機能/素材 |
757 S UTC | 40万円 | パイロットウォッチ | 200m | クロノグラフ、GMT、ステンレスPVD加工、デギメント加工 |
903 | 36万円 | パイロットウォッチ | 100m | クロノグラフ、計算尺、ステンレス |
103 Ti UTC IFR | 34万円 | DIN 8330に準拠したパイロットウォッチ | 200m | クロノグラフ、GMT、チタン |
917 | 32万円 | ラリー用クロノグラフ | 100m | クロノグラフ、カウントダウン、ステンレス |
212 KSK | 32万円 | 出撃用計測機器 | 1000m | GMT、コンパス、Uボート・スチール |
T2 | 29万円 | ダイバーズウォッチ | 2000m | 日付、チタン |
UX | 24万円 | ダイバーズウォッチ | 1万2000m | 日付、Uボート・スチール |
103 | 19万円 | パイロットウォッチ | 200m | クロノグラフ、ステンレス |
104 | 14万円 | パイロットウォッチ | 200m | デイデイト表示、ステンレス |
556 | 11万円 | パイロットウォッチ | 200m | 日付、ステンレス |
インストゥルメント クロノグラフとラリークロノグラフの価格
インストゥルメント クロノグラフ コレクションにおいては、ジン社が誇るストップウォッチ機能搭載の腕時計がラインナップされています。コレクション名からも分かるように、このシリーズの時計においては機能性が最重要視されています。そのモデルの多くは、パイロットのために作られたコックピットクロノグラフです。
アクリルガラスを使用したモデル103は、ジンが提供する定番のパイロットクロノグラフです。プレキシガラスよりも傷に強いガラスが欲しいという方には、サファイアクリスタル使用のモデルも用意されています。ブラックの文字盤、夜光塗料が塗られた目盛り、数字、針、そして60分スケールの両方向回転ベゼルが、このモデルのデザイン特徴です。クロノグラフ103.B.AUTOのケースの防水性能は、水深200m (20気圧) です。ETAバルジュー7750キャリバーの3時位置には日付と曜日が表示され、12時間までのタイムを計測することができます。ジン時計の定番であるこのモデルの価格は、新品約19万円、中古約16万円になります。 モデル103.B.AUTOは市場で販売されているクロノグラフの中でも、大変高いコストパフォーマンスを持つ時計です。
インストゥルメント クロノグラフ シリーズ内でも最高級のモデルは、ドイツの工業規格DIN 8330に準拠する公認パイロットウォッチであり、チタンを素材としGMT機能も搭載しています。モデル 103 Ti UTC IFR においては、時計ガラスと裏蓋の両方にサファイアガラスが使用されています。この時計の新品価格は約34万円です。このモデルは発売されてからそれほどの時間が経過していないため、中古時計は現在まだ大変希少です。
ブラックPVD加工が施されたジンのクロノグラフモデル 757 S UTCは、新品で約38万円、中古で約28万円でご購入いただけます。このパイロットウォッチは、機能を優先してデザインされており、航空機を操縦するパイロットが着用するのに最適な時計です。さらにこの時計は水深200m (20 気圧) までの防水性を持ち、1000ガウスまでの磁気にも耐久します。また、気温-45°C~+80°Cの厳しい温度環境でも難なく機能し続けます。回転ベゼルはいらないという方には、ジン756がおすすめです。このモデルのベゼル以外のデザインは、デュオクロノグラフ757に大変よく似ています。756のスタンダードモデルは、新品約25万円、中古約20万円にてお買い求めいただけます。ラリークロノグラフであるモデル917は、ダイバーズ/ナビゲーションクロノグラフ コレクションにて提供されています。このモデルはタイマーの機能を担うカウントダウンリューズを備えており、リューズとプッシュボタンがケース左側に取り付けられているのが特徴的です。ジンはこのモデルの機構に、これまで多くのクロノグラフの中でその性能を実証してきた自動巻きのETAバルジュー7750を採用しています。新品モデルは約31万円、中古は約25万円でご購入いただけます。また、パワーリザーブ表示が付いたモデル917GRの価格は、新品約35万円、中古約25万円になります。
回転計算尺を備えるクロノグラフ、ジン903 St
ナビゲーションクロノグラフ 903Stは、ジン社のインストゥルメント クロノグラフ コレクションに属するモデルで、そのデザインは伝説のブライトリング ナビタイマーを連想させるものです。ナビタイマーと同様、ジン 903Stにも飛行の際に必要な計算のために用いられる計算尺が取り付けられています。インナーベゼルに刻まれているスケールによって、平均速度、上昇率、下降率、燃料消耗率などを算出することができます。ブライトリングとは異なり、 903Stにおいてはケースの左側10時位置にリューズが設置されており、これを用いて計算尺の操作を行います。また、ナビタイマーではこの操作は回転ベゼルを用いて行われます。
しかし、この両モデルはなぜここまで似通っているのでしょうか?1970年にクォーツ危機が頂点に達していた頃、ヘルムート・ジンはブライトリング社から販売権と部品を買い取り、これをナビゲーション クロノグラフ903Stの製造に使用しました。従って、この時計はブライトリング ナビタイマーのコピー商品ではなく、正規許可され、ジン社によって改良された時計なのです。903Stの価格は新品約35万円、中古約29万円になります。 ブライトリング オールド ナビタイマー の価格は、中古で約42万円です。一般的にブライトリング時計の方が資産価値は安定しており、コレクターの方にはより適していると言えるでしょう。
ジン インストゥルメント ウォッチの価格
ドイツのフランクフルトに拠点を置くジン社は、クロノグラフ機能を搭載しないインストゥルメント ウォッチ コレクションも提供しています。このコレクション内でも有名なモデルは104で、そのデザインはクロノグラフモデル103によく似たものです。デイデイト表示と両方向回転ベゼルを搭載する3針モデルには、ブラック、ダークブルー、ホワイトの異なる文字盤の色があります。時計機構としてはETA2836とほぼ同じ構造を持つ、セリタのSW220-1が使用されています。104モデルは新品価格約14万円、中古約11万円にて販売されています。
自動巻きモデル556も人気のジン時計のひとつに数えられる、本質的要素にまで削られたシンプルなモデルです。この時計には、3時、6時、9時、12時に大型のアラビア数字が使用されたモデルと、夜光塗料を使用した大型なバーインデックスのみのモデルの2種類があります。文字盤の色の種類には、ブラック、ダークブルー、モカブラウン、マザーオブパールがあります。マザーオブパールのモデルは、新品約13万円でご購入いただけます。それ以外のジン556モデルの価格は、約11万円になります。
「ドイツ軍特殊部隊 KSK」の設立20周年を記念して誕生したK212は、特別モデルです。このモデルは、ドイツ特殊部隊協会とジンのコラボレーションによって生み出されました。70本に限定された特殊任務仕様モデルは、特殊部隊メンバーのための限定版です。また、ジン社はこのモデルの市販版として、300本に限定された 212 KSK モデルも提供しています。Uボート・スチール素材の自動巻き時計は水深1000m (100気圧) までの防水性を持ち、47mmケースと両方向回転ベゼル、そして位置確認のためのコンパスを備えています。このモデルは特別部隊隊員のみならず、探検家やアウトドアスポーツのファンにとっても魅力的です。さらに、ETAキャリバー2893-2を内蔵するこの時計には、第2タイムゾーンを表示するGMT機能が備わっています。 300本限定モデルの価格は、新品約31万円です。
ジン ダイバーズウォッチの価格は?
ダイバーズウォッチも、これらに並ぶジンの得意分野です。UXシリーズにラインナップされているモデルは、最大1万2000m (1200気圧) の防水性を備えていますが、クォーツ機構の動作は5000m (500気圧) "まで" しか保証されていません。どちらにしても、プロとアマチュアのダイバーに着用いただける時計です。ケースサイズ44mmのダイバーズウォッチはUボート・スチールを素材としており、そのため錆びにくく、潜水に最適です。 ジンUXモデルにおいては、リューズがケース右側の4時位置に設置されており、手首を上に曲げたときにリューズが手の甲に当たることはありません。耐傷性の強い逆回転防止ベゼルは、外れることがないように特殊固定されています。電池式のクォーツ機構は温度補償されており、時計は-20°C~+60°Cの温度下で問題なく機能し続けます。インデックスには夜光塗料がふんだんに使用されており、暗い場所でも高い視認性が確保されています。
ジンUXの新品時計は約24万円、中古は約16万円でご購入いただけます。ドイツの対テロリズム特殊部隊GSG 9によって着用されるモデルUX GSG 9の価格は標準モデルに比べて高く、新品約25万円、中古約19万円で販売されています。GSGモデルでは、文字盤上6時位置と、ケース左側10時位置のリューズ部分に、特殊部隊のロゴが刻印されています。
ジンの機械式ダイバーズウォッチをお探しの方は、モデルEZM3をご覧ください。ケースサイズ41mmの腕時計の中では、ETA2824-2が時を刻んでいます。リューズが潜水時に邪魔にならないよう、ジンはこれをケースの左側9時位置に設置しています。モデル EZM3は、水深500m (50気圧) までの防水性と、1000ガウスまでの耐磁性を備えています。また、-45°C~+80°Cの温度下で着用可能です。価格は新品モデル約19万円、中古モデル約15万円になります。
ジンが提供するその他の機械式ダイバーズウォッチには、 T1とT2があります。この両モデルは、チタン素材の時計にご興味がある方に向いています。モデルT1の防水性は1000m (100気圧) で、T2はさらにその倍の数値を誇ります。また、両モデルとも-45°C~+80°Cの温度下で動作し、搭載されているキャリバーはETA2892-A2です。T1モデルのケースサイズは45mmで、T2モデルはそれより4mm小型です。T1モデルの価格は新品約31万円、T2モデルは新品約29万円になります。中古時計は両モデルとも、28万円ほどで提供されています。
ファイナンシャルウォッチの価格は?
フランクフルトを代表するファイナンシャルウォッチ コレクションに提供されている時計は、アインザッツツァイトメッサーに比べて格段に優雅でクラシックな趣を持ちます。これらの時計は財政や財務などの金融に関係している人のために作られたもので、オフィスに着けていくのにぴったりです。クロノグラフ6000ではブラックのステンレス文字盤にサーキュラーグレイン仕上げが施されており、シンプルさが際立ちます。ケースサイズは38.5mmとやや小型で、着け心地良い大きさです。また、時計針とインデックスには夜光塗料が使用されており、暗い場所でも時刻を読み間違えることはありません。ジン6000には、カーフスキンストラップ、もしくは、ステンレス製のリンク式ブレスレットが取り付けられます。
ジンはこのコレクションの時計にセリタ社のキャリバーSW500を搭載しており、これにGMT機能を追加しています。さらに12時間スケールを持つ回転ベゼルを使用して、第3タイムゾーンの時刻も表示することができます。この自動巻き時計の4時位置には日付が表示され、9時位置にはスモールセコンド、3時位置には30分カウンター、6時位置には12時間カウンターが設置されています。ケースバックにはサファイアクリスタルが使用されており、ムーブメントの動きを外から眺められます。 ジン6000の価格は、新品約42万円、中古約34万円になります。18Kピンクゴールド製のモデルは特に高級な印象を与え、中古時計の価格は約88万円、新品時計には約150万円の価格が付けられます。
ジン社の歴史
ジン特殊時計会社の歴史は1961年にまで遡ります。パイロットであり、飛行教官、またラリードライバーでもあった ヘルムート・ジンは同年、ドイツのフランクフルトにてジン社を創立しました。同社は当初、スイス時計の購入と、その卸販売業に従事していました。また、ジン社は当時から、クロノグラフやダイバーズウォッチ、パイロットウォッチなどの機能的な時計を専門分野としてきました。
その後1994年に、工学士 ローター・シュミットがジン社の取締役兼製造部門マネージャーに就任しました。彼はすでに就任同年に、強い耐磁性を持つモデル244を市場へ送り出しすなど、ジン社の方向性を徐々に変更して行きました。そして、以前IWCシャフハウゼンにて支配人も勤めたシュミットは、このモデルをもってジン社の卸販売業に終止符を打ちました。
ヘルムート・ジンは1995年にスイスの時計メーカーであるギナーン社を買収し、ジン社の拠点をフランクフルトへ移しました。ギナーン社は1960年以降ジンに時計を提供しており、ヘルムート・ジンは以前から同社と親密に交流していました。彼は2014年まで、ギナーン社を所有しました。ドイツ時計界の伝説とも言われる彼は、2018年にこの世を去りました。