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スクエアケースの人気クロノグラフ: タグ・ホイヤー モナコ
時計ブランド タグ・ホイヤーは、モナコによって定番と呼ばれる時計を作り上げました。四角いケースと左リューズ、そしてモータースポーツに感受されたデザインが、このクロノグラフに独特な印象を与えています。
目次
四角いケース、機能的、顕著
タグ・ホイヤーのモナコは、時計界における正真正銘のスタイルアイコンです。1969年に発売された初の自動巻クロノグラフのひとつで、ハリウッド映画『ル・マン』でスティーブ・マックイーンが着用したことで映画界でも有名になりました。また、モナコは世界初のスクエア型ケースの防水クロノグラフでもあります。
ジャック・ホイヤーがデザインした四角いケースは、今日までこの時計の見まごうことのない特徴となっています。また、多くのモナコ モデルにおいてケースの左側9時位置に取り付けられたリューズの位置も、独特なものです。これに対し、クロノグラフプッシュボタンはその反対であるケース右側の2時と4時位置に設置されています。「クロノマティック」とも呼ばれるキャリバー11においては、この一風変ったリューズの配置が必要でした。
1997年以降、タグ・ホイヤーはモナコにムーブメントサプライヤーETAまたはセリタのキャリバーを使用しています。そのため、技術的にはリューズを左側に配置する必要はなくなりました。しかし、オリジナルモデルのデザインに近づけるために、タグ・ホイヤーは多くのモデルで変わらず左巻きのリューズを採用しています。2019年からは、モナコにも自社製ムーブメント「キャリバー ホイヤー02」が搭載されています。このキャリバーを搭載したモデルでは、リューズが右側に配置されています。
2019年モナコの誕生50周年を記念して、マニュファクチュールは異なるデザインの合計5つの限定特別エディションを発表しました。それぞれのシリーズは、モナコの歴史の10年を表しています。モナコ グリーン ダイヤルにて、タグ・ホイヤーは2021年に初めて緑色の文字盤を搭載したモナコを発表しました。
タグ・ホイヤー モナコを買う理由
- スティーブ・マックイーンの映画『栄光のル・マン』に登場した人気時計
- スクエアケースを持つ伝説のクロノグラフ
- ベルト駆動とリニアローターを備える自社製キャリバー搭載のモナコ V4
- クロノマティック キャリバー11搭載、60年代~70年代のコレクター時計
- 様々な文字盤の色とキャリバーの種類で入手可能
タグ・ホイヤー モナコの価格一覧
モナコ Ref. | 価格 (約) | Cal. |
WAW2170 | 800万円 | キャリバーV4 |
1133 | 175万円 | キャリバー 11 (ホイヤー) |
CBL2116 | 120万円 | ホイヤー 02 (タグ・ホイヤー) |
CBL2114 | 110万円 | ホイヤー 02 (タグ・ホイヤー) |
CAL5112 | 105万円 | キャリバー36 (ゼニスベース) |
ホイヤー 73633 | 85万円 | バルジュー7736 |
CBL2111 | 65万円 | ホイヤー 02 (タグ・ホイヤー) |
CAW211R | 65万円 | キャリバー11 (セリタベース) |
CAW211P | 60万円 | キャリバー11 (セリタベース) |
CAW2111 | 59万円 | キャリバー12 (セリタベース) |
CAW2114 | 57万円 | キャリバー12 (ETAベース) |
CAW2113 | 53万円 | キャリバー12 (ETAベース) |
CS2110 | 50万円 | キャリバー12 (ETAベース) |
CW2111 | 35万円 | キャリバー17 (ETAベース) |
タグ・ホイヤー モナコの価格
タグ・ホイヤー モナコの価格は、その年代、状態、使用されているキャリバーによって大きく異なります。例えば、ETAベースのキャリバー17を搭載したRef.CW2111は、約35万円のエントリーモデルです。ホイヤー02マニュファクチュールキャリバーを搭載したモナコをお探しの場合は、もう少し高価になります。Ref.CBL2111はこのムーブメントを搭載したモデルのひとつで、価格は約65万円です。オリジナルのキャリバー11を搭載したRef.1133などのヴィンテージ時計は、エキゾチックな雰囲気を醸し出しており、150万円を超える価格を見込む必要があります。モナコシリーズの代表作は、プラチナケースと自社製キャリバーV4を搭載した限定モデルWAW 2170です。このモデルの価格は約800万円です。
ETA、セリタ、エル・プリメロムーブメント
タグ・ホイヤーは、1997年に初めてモナコをリニューアルしました。ベースとなるキャリバーはETA2892またはセリタ SW300-1で、クロノグラフ機能はキャリバー11と同様にデュボア・デプラ社によるものです。この復刻版の一例が、モナコ Ref.CS2110です。リューズは右側にあり、黒文字盤で、3時位置にスモールセコンド、6時位置に日付、9時位置にミニッツカウンターが設置されています。このモデルの製造は5000本に限定されており、現在の販売価格は約50万円です。
特別なバリエーションとして、モナコ シックスティナイン CW9110があります。これは、手巻きキャリバーとクォーツ機構の2つのムーブメントを搭載したリバーシブルタイプの時計です。搭載されている機械式キャリバーは、伝統的な3針のETA7001です。反対側のクォーツムーブメントは、特に精度の高いストップウォッチとして機能し、目覚まし時計の機能も付いています。この時計の未使用品は、約45万円で購入できます。
キャリバー11/12を使用した新時代
タグ・ホイヤーは2009年頃に、モデル名にキャリバー11とキャリバー12が付く時計を発表しました。この両モデルは1960年代に製造された機構の新型版を搭載しているものではないため、モデル名は多少混乱を招くものとも言えます。これらの時計の多くにおいてはセリタやETA社のベースキャリバーに、デュボア・デプラのクロノグラフモジュールが備えられた機構が使用されています。2つのモデルの違いは、リューズが取り付けられている位置にあります。キャリバー11では歴史的なモデルの設計が尊重されており、リューズがケースの左側に設置されています。
それを除き、文字盤の構造は両モデルで同じです。スモールセコンドとミニッツカウンターは3時と9時位置に、日付表示は6時位置に配置されています。色の種類としては、ブラックとブルーが提供されています。価格は未使用品で約50万円~65万円になります。
モナコのガルフ モデルは、他に比べて多少カラフルな時計です。そのダークブルーの文字盤上には、ライトブルーとオレンジの縦ストライプが見られます。未使用品の価格は約65万円になります。
2019年: 50周年記念特別モデル
2019年に50回目の誕生日を迎えたモナコ。これを記念して、タグ・ホイヤーは、モナコの歴史の10年を代表する5つの限定モデルを発表しました。その年代に応じて、時計にも名前が付けられています。共通しているのは、直径39mmのステンレススチール製ケースと、セリタ社製のキャリバー11を採用していることです。各モデルとも1969本の限定生産です。発表時の正式な国内定価は70万5000円でしたが、どのモデルも、これまで大幅に価格が上昇してきています。モナコのコレクターやファンにとっては、投資する価値のある時計と言えるでしょう。
モナコ 1969-1979は、文字盤にグリーンのジュネーブストライプを配しています。このバージョンの積算計はグレーで、黄色いアワーインデックスが目を引きます。人工的なエイジング加工が施されたカーフスキンストラップが、時計を腕にしっかりと固定します。このモデルは需要が高く、販売業者は未使用品に175万円もの値段を付けています。モナコ 1979-1989の文字盤は赤で、サンバースト仕上げが施されています。他のモナコウォッチとは異なり、インダイヤルは四角ではなく丸みを帯びています。このバージョンでは、インダイヤルとインデックスは白、レザーストラップは黒という配色になっています。未使用品の価格:約135万円。
モナコ 1989-1999は、グレーのロジウムコーティングされた文字盤を備えています。インダイヤル、ストップセコンド針、インデックスには、それぞれ赤と青のカラーコンビネーションを採用し、強いコントラストを実現しています。また、これに合わせて、青色のレザーストラップに赤色の飾りステッチが施されています。Chrono24では、この時計が入手可能な場合、約105万円で提供されています。モナコ 1999-2009では、黒文字盤に白色の積算計と赤色のインデックスが特徴的です。特に印象的なのは、同じくホワイトでデザインされたミニッツトラックが文字盤を一周していることです。このモナコのブラックのレザーストラップでは、ホワイトの飾りステッチが施されています。運がよければ、この時計を105万円以下の価格で購入することができます。
アニバーサリーシリーズの最後を飾るのは、モナコ 2009-2019です。このバージョンのデザインは比較的シンプルです。この時計は、ダークグレーのサンバーストの文字盤にシルバーの積算計を備えています。インデックスと時分針には、ブラックゴールドのコーティングが施されています。秒針とサブダイヤルの針には、赤のエレメントが配されています。レザーストラップはブラックで、ホワイトの飾りステッチが施されています。本記事執筆時点では、Chrono24ではまだ商品が掲載されていませんでした。
モナコ キャリバー ホイヤー 02
タグ・ホイヤーは、2019年に自社製キャリバー ホイヤー 02を搭載した初のモナコを発表しました。このメーカーは、2017年にデビューしたオータビアなどのクロノグラフに、このまだ駆け出しのムーブメントを使用しています。ホイヤー02のパワーリザーブは80時間で、タグ・ホイヤーがモナコに採用している他の自動巻きキャリバーと比較して、完全に巻き上げた後の駆動時間が約2倍となっています。
Ref.CBL2111は1969年に発売された初代モナコを彷彿とさせるデザインで、リューズの位置が異なるだけです。ケースはステンレス製で、サイズは39mm x 39mmです。青いサンバーストの文字盤には、3時と9時の位置にシルバーの積算計が配置されており、シルバーのインデックスが見られます。また、6時位置には日付とスモールセコンドが配置されています。クロノグラフ機能の針は赤色で統一されています。アリゲーターレザーストラップの配色は、文字盤の色と完璧にマッチする青色です。Chrono24での販売価格は約65万円です。また、同じ価格でこのモデルのステンレスブレスレット付きも提供されています。
2020年: グランプリ・ドゥ・モナコ
2020年からタグ・ホイヤーは、グランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリックの公式タイムキーパーを務めています。この機会にマニュファクチュールは、1000本限定のスペシャルエディション、モナコグランプリ・ド・モナコ (Ref.CBL2114) を発表しました。この時計は、イベントの色に合わせてカラーコーディネートされており、赤とシルバーの文字盤に赤い積算計を備えています。1時と2時のシルバーアワーインデックスの間には、レース主催者が使用しているシルバーのオールドタイマーの小さなロゴがあります。39mmのステンレススチール製の時計の内部には、自社製ムーブメントのホイヤー 02が搭載されています。この時計は、Chrono24では約105万円で取引されており、定価の74万円に比べて約30万円上乗せの値段になります。この点では、この時計にうまく資産投資することができます。
2021年: グリーン文字盤のモナコ
グリーンは、近年、時計の文字盤のトレンドカラーとなっています。タグ・ホイヤーもこの流行に乗り、2021年に緑色のモナコを発表しました。Ref.CBL2116は、500本限定のスペシャルエディションです。文字盤はサンバースト仕上げで、光の入射によってライトグリーンからダークグリーンへと変化します。3時と6時位置の積算計はブラックで、インデックスと針はシルバーでデザインされています。他の新型モナコと同様に、80時間のパワーリザーブを持つキャリバーホイヤー 02がこの時計の駆動を担っています。市場相場価格は120万円前後、国内定価は78万6500円です。
モナコ V4 ベルト駆動
モナコ シリーズ内でも突出しているモデルはモナコ V4です。2004年にタグ・ホイヤーがコンセプトウォッチとして発表したこの時計ですが、2009年に改定されたモデルは150本製造されました。その特徴は、世界初のタングスタン製リニアローターと特許取得のベルト駆動、そして4つの香箱が玉軸受に取り付けられたV字のプレートを備えるキャリバーが搭載されていることです。これらはレーシングカーのエンジンのシリンダーに見立てられた構造をしています。
この独特な時計のチタン製モデルは、約360万円で販売されています。プラチナモデルがお好みの方は、時計の状態により約465万円~800万円のご予算をお立てください。
ヴィンテージ モデルRef.1133 & 1533
モナコの元祖モデルはRef.1133です。同じくタグ・ホイヤー製のオータヴィアやカレラと同様、このモデルにもクロノマティックキャリバー 11が使用されました。この機構のベースとなっているのは時計ムーブメント製造会社ビューレンのマイクロローター搭載キャリバーで、これにデュボア・デプラ社のクロノグラフ機構が追加されています。しかしこの機構が実際に使用されたのは短期間で、その後すぐにより高精度なキャリバー12が採用されました。両キャリバーにおいてミニッツカウンターとアワーカウンターは3時と9時位置のインダイヤルによって表示され、6時位置には日付表示があります。スモールセコンドは設置されていません。時計が動いているかどうかは、分針のみで見分けられます。
ホイヤーは直径39mmのこのステンレス時計を、ブルーとグレーの文字盤にて数千本しか製造しませんでした。現在では保存状態の良いモナコ1133は人気のコレクター時計となっており、平均の175万円の価格で販売されています。
モナコ Ref.1533は、1133の妹と呼ぶことのできるモデルです。このモデルの基本デザインとケースは1133と同じですが、搭載されているキャリバーは、アワーカウンターが省かれているクロノマティックキャリバー 15です。アワーカウンターに代わり、この時計の10時位置にはスモールセコンドが搭載されています。ミニッツカウンターと日付表示は、引き続き3時と6時位置に設置されています。ブルーもしくはグレーの文字盤を持つ中古時計は、約95万円の価格でご購入いただけます。
バルジューの手巻き時計モデル
モナコ Ref.73633と740303において、ホイヤーの時計師たちは当初のコンセプトから多少逸脱しています。サイズや配色はそのままですが、ムーブメントをクロノマチックからバルジュー7736、7740の手巻きに変更しました。
最も顕著な変更点は、リューズがプッシャーと一緒に右側に配置されたことです。Ref.74033は、3時と9時に時分計、6時に日付を配し、元祖モナコの文字盤レイアウトと完全に一致していますが、Ref.73633は、日付の代わりにスモールセコンドを配しています。これらの時計の状態の良い中古品は、105万円~135万円で販売されています。