チューダー ブラックベイ GMT

チューダーは同社の有名なダイバーズウォッチ コレクションをさらに発展させるべく、2018年にブラックベイ GMTを追加しました。この腕時計は、3つのタイムゾーンにおける時刻を同時に表示できます。スイス・ジュネーブのマニュファクチュールは、この腕時計の設計に際して元親会社であったロレックスのGMTマスターをモチーフにしました。

このため、このモデルの配色はロレックスの有名モデルと同じです。両方向に回転する24時間ベゼルは、半分が青で半分は赤の配色になっており、”ペプシ” デザインのあだ名が付けられています。文字盤はマットなブラックで、その表面の3時位置には日付が設置されており、典型的なアプライドのインデックスが見られます。6時と9時のアワーマーカーには長方形のバータイプのインデックス、12時位置には逆三角形のマーク、そしてその他の時刻にはドットインデックスが使用されています。これらのインデックス、並びに針には白い蓄光塗料が塗布されています。また、印字のミニッツトラックと文字表記もこれと合わせて白で統一されています。センターの24時間針のみが、濃い赤色で際立ちます。

しかし、ブラックベイ GMTは単なるGMTマスターのコピーモデルではありません。しかも、この腕時計にはブラックベイシリーズを人気のコレクションにしている要素がすべて搭載されています。例えば、41mmサイズのステンレスケース、ガードなしの大型なリューズ、拡大ルーぺなしの膨らみを帯びたサファイアクリスタルなどがあります。しかし、最も顕著な違いはスノーフレーク針にあります。また、ロレックスモデルの防水性が100m (10気圧) であるのに対し、ブラックベイ GMTには200m (20気圧) までの防水性にが備えられています。

腕時計の駆動には、チューダーによる自社製ムーブメントCal. MT5652が使用されています。この機構はベゼルとの組み合わせにより、第3タイムゾーンまでの時刻を同時に表示し、70時間のパワーリザーブを持ちます。この機構はスイスクロノメーター検定協会 (COSC) によりクロノメーターとして認定を受けています。

ブラックベイ GMTは直径41mmのステンレスケースのを備え、その表面と裏面にはサテン仕上げが施されています。これに対し、ケースの側面にはポリッシュ仕上げが施されており、これがこの腕時計に上品さを加えています。ステンレス素材のベゼルには特徴的な赤青の配色から成るアルマイト加工のアルミニウムのインレイが使用されており、その上に24時間目盛りが刻まれています。

チューダーはRef. M79830RB-0001に、最適なステンレス製のリンク付きブレスレットを取り付けています。このモデルの表面と裏面もサテン仕上げで、側面のみがポリッシュ仕上げになっています。チューダーのデザイナーは、この腕時計のブレスレットに50年代と60年代を思わせるリベットスタイルを採用しています。ブラックベイのブレスレットはねじ込みで固定されていますが、ネジ山の蓋に見せられたコマの側面のデザインが、昔ロレックスで使用されたリベットブレスレットを思い起こさせます。このモデルは約40万円前後でご購入いただけます。

金属ブレスレットがお好みでない方には、レザーストラップ付きのRef. M79830RB-0002がおすすめです。バーントシェンナと呼ばれる赤褐色の使用感があるデザインのストラップが、この腕時計にアンティーク感を与えています。このアクセサリー感のあるGMT腕時計は、Chrono24にて約41万円でご購入いただけます。中古品は約37万円で提供されています。

3つ目のブラックベイ GMTのモデルは、Ref. M79830RB-0003で、ブラックのファブリックストラップで腕に着用されます。このブレスレットの中央には、装飾的な赤いラインが引かれています。このモデルは、ややスポーティーなスタイルの腕時計を好まれる方に向いています。チューダーは、ステンレスブレスレットとレザーストラップに折り畳み式Dバックルを付けていますが、ファブリックストラップにはステンレス製のピンバックルを使用しています。未使用品の価格は約41万円、中古品は約36万円です。

チューダーはCal. MT5652をブラックベイ GMT用に特別に開発しました。ベースとなったのは、2015年の発表以降ほぼすべての3針ブラックベイにおいて使用されている自社製ムーブメントMT5652です。この機構の毎時振幅数は2万8800回で、パワーリザーブは70時間です。シリコン製のひげゼンマイにより、磁気にも耐久します。また、この腕時計ではテンプが従来のテンプ受けでなくブリッジによって固定されているため、強い衝撃にも耐久します。また精度も大変高く、スイスクロノメーター検定協会 (COSC) の認定を受けています。

チューダーはムーブメントのGMT機構も、大変精巧で気品高くデザインしました。ロレックスで使用されている機構と同様、MT5652でもローカルタイムとホームタイムをそれぞれ分けて設定することが可能です。例えばローカルタイムを現在のタイムゾーンに合わせたい場合、リューズを1段階引き出し、時針を1時間毎に前進または後進させます。この作業中に、たとえ日にちをまたぐ場合でも、腕時計は停止せず動き続けます。