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チューダー – 人気の高級腕時計
スイス発のチューダーは、その高い品質と良心的な価格で広く知られるブランドです。コラムホイール式クロノグラフを搭載したブラックベイ クロノなどのモデルは国際的な賞をいくつも受賞しており、高級時計界の中でも注目のモデルです。
独特なスタイルの高級時計
チューダーは、時計愛好家の間で非常に人気で知名度の高いブランドです。現行モデルもヴィンテージモデルも高い人気を誇り、何より、創業当時から高度な職人技術を駆使して作られた高精度なムーブメントにこだわっています。チューダーは、現在では親会社であるロレックスに匹敵するレベルの高級時計を生産するマニュファクチュールとしてその地位を築いています。特に、ブラックベイ、ペラゴス、ノースフラッグが有名です。また、ヘリテージ クロノ ブルーも人気のモデルです。
現行のコレクションの中でハイライトとなるのは、定期的に新モデルが発表されているブラックベイ コレクション。ブラックベイ 58はスタンダードな41mmのブラックベイの39mm版です。2024年の春にチューダーはファン待望の第2タイムゾーン表示機能を搭載したブラックベイ 58 GMTを発表しています。また、39mmサイズに大きいと感じる場合は、37mmサイズのブラックベイ 54がおすすめです。
ヘリテージ クロノは、個性的な男性用クロノグラフで、初代モデルは2017年のジュネーブ・ウォッチ・グランプリで「プチ・エギーユ(小さな針)」賞を受賞しています。このコラムホイール式クロノグラフを搭載した時計は、チューダーがブライトリングと共同開発した自社製キャリバーを搭載し、70時間のパワーリザーブを備えています。
チューダーでは現在、ほぼすべての時計に自社製キャリバーを搭載しており、その多くはCOSCのクロノメーター認定を受けたものです。2021年以降、一部のムーブメントはMETASによるマスター クロノメーター認定を受けています。また、ケースにはステンレススチール、ゴールド、チタン、ブロンズ、シルバーまで、さまざまな素材を使用しています。
チューダーには、サブマリーナー(通称「スノーフレーク」)など、コレクター向けの興味深いネオヴィンテージモデルもあります。最近では、ロレックスのサブマリーナーの価格上昇に伴い、保存状態の良いチューダー サブマリーナーの価格も顕著に上がっています。
チューダーを買う理由
- リーズナブルな価格
- クロノメーター認定を受けた高精度な自社製ムーブメント
- 価値上昇の可能性がある様々なモデル
- 最新技術を搭載したレトロモダンなデザインの時計
チューダーの価格一覧
チューダー モデル / Ref. | 価格(約) | 素材 / Cal. |
ブラックベイ 58 18K / M79018V | 210万円 | 18Kゴールド / MT5400 |
ペラゴス FXD / M25707B/21 | 100万円 | チタン / MT5602 |
ブラックベイ クロノグラフ / M79360N | 75万円 | ステンレス / MT5813 |
ブラックベイ 54 / M79000N-0001 | 65万円 | ステンレス / MT5400 |
ペラゴス / 25600TN | 70万円 | チタン / MT5612 |
ブラックベイ GMT / 79830RB | 60万円 | ステンレス / MT5652 |
ノースフラッグ / 91210N | 65万円 | ステンレス / MT5621 |
チューダーの価格
チューダーの時計は、未使用の状態で25万円前後で購入可能です。例えば、ステンレススチール製の1926の3針モデルで、ETA社製の自動巻きムーブメントを搭載したモデルなどがあります。ステンレススチ―ル製、32mmサイズのブラックベイ 32の場合は、約40万円です。
ダイバーズウォッチのエントリーモデルである自社製キャリバー搭載、41mmサイズのブラックベイやステンレススチール製ブラックベイ 58の場合、価格は約60万円で、925シルバー製の場合は、約65万円です。
Ref.M79360Nのようなブラックベイ クロノグラフの未使用品を購入したい場合、約75万円の予算が必要です。Ref.7928と9411は、ロレックス サブマリーナのアンティーク モデルの代替となり、価格は150万円~240万円です。
ブラックベイ、ヴィンテージデザインのダイバーズウォッチ
時計カテゴリーの中で最も高い人気を誇るダイバーズウォッチ。特に最近では、最新技術と歴史的なデザインを組み合わせたレトロデザインのモデルがトレンドです。現在最も人気のレトロダイバーズウォッチには、チューダーのブラックベイがあり、このモデルには2012年以降数多くのバージョンが展開されています。
ブラックベイ、3針モデル
200m(20気圧)の防水性を持つブラックベイは、1950年代の古いサブマリーナーを思わせるデザインで、リューズガードなしの大きめのリューズや、「ドーム型風防」と呼ばれる丸みを帯びたガラスが特徴的です。初期のブラックベイにはETA社のキャリバー2824のみが使用されていました。
2012年に発表された、ETA社製ムーブメント搭載の41mmモデルは高い人気を誇り、価格も大きな上昇を見せています。ブラックベゼルを搭載したブラックベイ Ref. 79220Nには約80万円ほどの価格が付けられますが、2017年に登場した自社製ムーブメント MT5612搭載の未使用のブラックベイ Ref. 79230Nの場合、約60万円です。
チューダーは2023年に、バーガンディカラーのアルミニウム製ベゼルを備えたブラックベイの改良版を発表しています。厚み13mm弱のこのモデルは、従来のモデルよりもわずかに薄く、キャリバーMT5602-Uを搭載しています。このムーブメントの特徴は、METASのマスタークロノメーター認定を受けていることで、特に精度が高く、耐磁性も備えています。Ref. M7941A1A0RU-0003の価格は、2024年2月時点で約72万円となっています。
チューダーはWatches and Wonders 2024で、3種類のブレスレットから選べるブラックベイの新モデルを発表しました。文字盤とベゼルはブラック、針とインデックスはシルバーで統一され、ブルーバージョンと並んでモノクロームカラーで展開される唯一のブラックベイとなっています。2023年に発表されたワインレッドベゼルのブラックベイと同様、このモデルにもMETAS認定キャリバーMT5602-Uが搭載されています。価格はクラシカルなオイスターブレスレットが62万1500円、ジュビリーブレスレットが63万5800円、ラバーストラップが59万1800円。
ブラックベイ、ダークとS&G
オールブラックのデザインが好みの場合、41mmサイズのブラック コーティングされたステンレスケースとステンレスブレスレットを備えるブラックベイ ダークがおすすめです。蓄光塗料が塗布された針とアワーマーカーは、時計と対照的に明るく光るため、暗い場所でも明るい場所でも問題なく時刻を読み取ることができます。ホワイトの分目盛りとベゼル上のミニッツスケールも、ブラックとのコントラストになっています。ブラックベイ ダークの価格は未使用の場合、約65万円です。
また、イングランド出身の元サッカー選手、デビッド・ベッカムが愛用するコンビモデル ブラックベイ S&Gも人気モデルです。ベッカムはチューダーのブランドアンバサダーであり、トレンドセッター。ブラックベイ S&Gにはコンビのメタルブレスレット、もしくはレザーストラップが取り付けられています。搭載されているムーブメントは、ステンレス製ブラックベイと同様、日付表示のある自社製キャリバーMT5612です。ステンレスとイエローゴールドのコンビメタルブレスレット付きのモデルは約75万円、レザーストラップ付の場合は約65万円で購入可能です。
GMT機能を備えるブラックベイ
GMT機能が付いたブラックベイS&G Ref. M79833MN-0001は、70時間のパワーリザーブを備えた自社製キャリバーMT5652(COSC)を搭載。ステンレススチールとゴールドのバイカラーブレスレットを備えたこのモデルの価格は、未使用品の場合、約85万円です。レザーまたはファブリック製ストラップを備えたモデルの場合、価格は数万円安くなります。
また、チューダーにはGMT機能を備えたステンレス製のブラックベイもあり、文字盤カラーはブラックとホワイトの2色から選ぶことができます。どれも、ブルーとレッドのペプシカラーのベゼルを持ち、自社製キャリバーMT5652が搭載されています。Ref. M79830RB-0001はブラックの文字盤にオイスターブレスレットが付いたもの。価格は未使用品の場合、約60万円です。
セラミック製、41mmのブラックベイ
近年、セラミック製の時計がトレンドの中、チューダーでは2021年にブラックセラミック製の41mmサイズのケースを採用したブラックベイ セラミック Ref.79210CNUが発表されています。
また、METASのマスタークロノメーター認定を受けたキャリバーMT5602-1Uも新たに搭載され、パワーリザーブは70時間、シリコン製ヒゲゼンマイを採用し、15,000ガウスの耐磁性を備えています。
ケースだけでなく、文字盤やベゼルも完全にブラックで統一され、さらにはブラックのレザーストラップが全体の印象を引き締めています。価格は未使用の場合で約70万円。
ブラックベイ 58
多くのファンからそのデザインが好評だったブラックベイですが、41mmというサイズはすべての人に合うものではありませんでした。そして2018年、チューダーはブラックベイ 58を発表。ケースサイズ39mm、厚みも軽減された新モデルは多くの人が待望したものでした。
ブラックベイ 58の初代モデルであるRef. M79030Nは、39mmケースにゴールドのインデックス、スノーフレーク針、ミニッツトラックを備えたギルトダイヤルを彷彿とさせる文字盤で、他のブラックベイにはない1950年代のクラシックなダイバーズウォッチを思わせるデザインをしています。70時間のパワーリザーブを備えたCOSC認定の自社製キャリバーMT5402が搭載されたブラックベイ 58は、ステンレススティール製ブレスレット、レザーストラップ、NATOストラップから選ぶことができます。
ステンレス製ブレスレットが付いたモデルは、2024年5月の時点でChrono24で約60万円で販売されています。
ブラックベイ 58 ネイビーブルー
2020年に発表されたブラックベイ 58 ネイビーブルーは、1960~70年代のチューダー サブマリーナーのスノーフレークを彷彿とさせるモデル。ブラックの58と同様に、ネイビーブルーも39mmのステンレススチ―ル製ケースに、200m(20気圧)の防水性を備えていますが、ブラックバージョンとは異なり、文字盤とアルミニウム製ベゼルはネイビーブルーで統一されています。内部には、自社製キャリバーMT5402が搭載されています。
ブラックベイ ネイビーブルーは、ステンレススチール製ブレスレット、またはブルーのシンセティックレザー製のソフトタッチストラップからお選びいただけます。ステンレス製ブレスレットを持つRef. 79030Bは、未使用品が約55万円で取引されています。
シルバー、ゴールド製のブラックベイ 58
2021年春、チューダーは貴金属製ブラックベイ 58の新モデル2つを発表しました。ブラックベイ 58 925 Ref. M79010SG-0001のケースはシルバー925製で、チューダーはこのモデルで初めてサファイアクリスタル製のシースルーケースバックを採用しました。シースルーケースバックからは、自社製キャリバーMT5400を垣間見ることができます。
ブラックベイの他モデルと同様、925も200m(20気圧)の防水性を備え、文字盤とベゼルには新しくトープカラーが採用されています。他のブラックベイ 58モデルとは異なり、925にはお揃いのレザーまたはテキスタイルのストラップのみが用意されています。価格は未使用の場合、約65万円です。
ブラックベイ 58のデザインが好みで、ゴールドも好きな方には、18K製の58 Ref. M79018V-0001 がおすすめ。39mmのケースは18Kイエローゴールド製で、ブラックベイ925と同様に、サファイアクリスタルケースバックが採用されています。ケース表面はサテン仕上げで、控えめな印象を与えています。文字盤とアルミベゼルにはグリーンカラーが採用され、針、インデックス、ダイビングスケールにゴールドのアクセントが添えられています。
レザーストラップまたはテキスタイルストラップが付いた未使用品の場合、約210万円で購入可能です。また、2024年からは18Kゴールド製オイスターブレスレットも用意されています。新しいオイスターブレスレットモデルの場合、価格はメーカー希望小売価格が448万8000円となっていますが、二次流通市場では上がる可能性が高いと言えるでしょう。
2024年の新作 – ブラックベイ 58 GMT
チューダーはWatches and Wonders 2024でブラックベイ58に新しくGMTモデルを発表。この新作は、3針モデル同様にケースサイズ39mm、 200m(20気圧)の防水性を備えています。文字盤には、ゴールドのインデックスと針を備えたギルトダイヤルデザインが採用され、24時間ベゼルには、ロレックスのGMTマスターで有名なコークデザインを彷彿とさせる黒と赤が採用されています。
ムーブメントにはCOSCおよびMETAS認定を受けた65時間のパワーリザーブを備える自社製キャリバーMT5450-Uが使用されています。
ブレスレットには、オイスターブレスレット(Ref.M7939G1A0NRU-0001)またはラバーストラップの2種類があり、メーカー希望小売価格はオイスターブレスレットモデルが64万3500円、ラバーストラップモデルが61万3800円です。
GMT機能付きのブラックベイには他にもブラックベイ プロがあります。ケースサイズは同様に39mmですが、ブラックベイ 58よりもやや厚みがあるモデルです。ブラックベイ プロでは、ステンレス製のサテン仕上げのベゼルにブラックの24時間目盛りが付いています。GMT針は、ロレックス・エクスプローラーII 1655が持つ通称「オレンジ針」を彷彿とさせる印象的なオレンジ色をしています。ブラックベイ プロは、COSC認定を受けた自社製キャリバーMT5652を搭載。ステンレス製ブレスレットを備えたモデル Ref.M79470-0001は、未使用モデルが約55万円で販売されています。ファブリックストラップ、またはラバーとレザーのハイブリッドストラップ付きのモデルの場合、価格は若干下がります。
ブラックベイコレクションのその他のモデル
チューダーはWatches and Wonders 2023でブラックベイ コレクションに新しいモデルを追加。ブラックベイ 54は、1954年に発表されたチューダー初のダイバーズウォッチをインスピレーションにしたモデルです。この新しいブラックベイの最大の特徴は、直径がわずか37mmという点です。また厚みも11.2mmと、他のブラックベイよりも大幅に薄くなっています。文字盤はブラックで、アルミニウム製ベゼルのインサートも同じくブラックでそろえられています。ベゼルの時間目盛りは、オリジナルと同じように5分ごとに分かれています。また、秒針のロリポップデザインも1950年代のものを採用しています。
ブラックベイ 54には最新のキャリバーが採用され、自動巻きキャリバーMT5400がその役目を担っています。このキャリバーはクロノメーター認定を受けたもので、70時間のパワーリザーブを備えています。
価格は、ステンレス製で3連のリンクブレスレットが付いた場合(Ref. M79000N-0001)、約65万円、ラバーストラップの場合は3万円ほど価格が下がります。
ブラックベイ P01
特別感ある時計を特に好む場合、ブラックベイ P01がおすすめです。このダイバーズウォッチは独特なスタイルを持ち、1960年代に米軍のプロトタイプとして設計され、2019年に再登場するまで、一般にはほとんど知られていませんでした。P01の特徴は、チューダーとしては珍しい4時位置のリューズと、膨らみのあるラグにあります。このラグは、回転ベゼルをロックする留め具の役割も果たしていて、ベゼルを動かしたい場合は、まず4時位置のラグの留め金を緩める必要があります。
ケースサイズは42mmで、現行のブラックベイコレクションの中で最大の3針モデルでもあります。Ref. 70150のP01の価格は未使用の場合で、約55万円です。
ブラックベイ 31、36、39、41
チューダーは、ダイビングベゼルを搭載しないブラックベイ 31、36、39、41も展開しています。モデル名からも分かるように、これらの時計のケースサイズは31mm、36mm、39mm、および41mm。ブルー、シャンパンカラー、ブラックの文字盤カラーがあるステンレスモデルに加え、ブラックベイ S&Gと呼ばれるコンビモデルもあります。コンビモデルの場合、文字盤カラーはゴールドとブラックから選ぶことができます。すべてのモデルに共通するのは、ポリッシュ仕上げのベゼルであり、ロレックス エクスプローラーをやや思わせるデザインです。
チューダーは2023年から、スイスのクロノメーター認定(COSC)を受けた自社製キャリバーを採用し、パワーリザーブは70時間。ただし、ブラックベイ31はそのサイズから、パワーリザーブは50時間となっています。
これらのブラックベイの価格は、ETA製キャリバーを搭載した旧型のステンレススチール製モデルで約40万円から。自社製キャリバーとダイヤモンドをセットしたベゼルを搭載したコンビモデルの場合は約100万円です。
ブラックベイ クロノ
ブラックベイのクロノグラフは、そのレトロなデザインで時計ファンたちから絶大な人気を誇るモデルです。このコレクションに共通するのはタキメータースケールで、速度や距離を計測することが可能です。文字盤の9時位置にはスモールセコンド用の積算計、3時位置には45分積算計、6時位置には日付表示があります。アワーマーカーはドットインデックスが中心ですが、12時位置は三角形のインデックスになっています。ムーブメントには、自社製キャリバーMT5813を搭載し、パワーリザーブは70時間です。
Chrono24では、ブラック文字盤にステンレススチ―ル製ベゼルを備えたブラックベイ クロノの初代モデル Ref.79350が約75万円。ややフラットなケースにパンダ文字盤または逆パンダ文字盤とステンレススチ―ル製ブレスレットを備えた後継モデルは、Ref.79360N-0001の場合、約80万円、Ref.79360N-0002の場合、約75万円です。ストラップをレザー製、またはテキスタイル製のものにした場合、数万円ほど価格が下がります。
レトロデザインのブラックベイ クロノの中でも、ブラックベイ クロノ ダークとS&Gは興味深いモデルです。ブラックベイ クロノ ダークは、2019年のラグビーワールドカップの際に、ニュージーランドのラグビーチーム「オールブラックス」に敬意を表して発表されたもので、1181本の限定生産。2024年初めの時点で、未使用モデルの価格は約145万円であり、発売当時の定価63万円から価格が大幅に上昇しています。
一方、ブラックベイ クロノ S&Gは限定モデルではなく、ステンレススチ―ルとイエローゴールド製のスポーティかつエレガントなこのバイカラーウォッチは、Chrono24では未使用の場合で、約95万円~100万円で購入することができます。
スポーティーでエレガントなヘリテージ レンジャー
その名前にから歴史的なモデルがモチーフとなっていることが分かるヘリテージ レンジャー。インスピレーションとなっているのは、1960年代のオイスター プリンス レンジャーで、特に文字盤にオイスター プリンス レンジャーの面影が強く感じられます。3時、6時、9時、12時にはアラビア数字インデックスが使用されており、その他はバーインデックスが採用されています。また、時針のアロー針や先端部分に蓄光塗料が塗布されている秒針も、1960年代のモデルを彷彿とさせる要素です。ロレックスをよくご存じの方は、ロレックス エクスプローラーにも似ていると感じるかもしれませんが、それもそのはず、ロレックスの子会社であるチューダーはロレックスの部品を多数使用していました。これらの部品の中にはオイスター プリンス レンジャーの名前にも表れているオイスターケースも含まれていました。
チューダー ヘリテージ レンジャーの第一世代であるRef. 79910はステンレス製41mmのケースを備えていましたが、 2022年に発表されたRef. 79950ではサイズが39mmとなり、1960年代のオリジナルにかなり近くなっています。ブレスレットは、3連のリンクブレスレット、ブラウンのレザーストラップ、またはテキスタイルストラップから選ぶことができます。
41mmサイズのRef. 79910には、ETA社製のキャリバー2824が搭載され、39mmサイズのRef. 79950では自社製キャリバーMT5402が搭載されています。
ヘリテージ レンジャーは、41mm、39mmサイズともに、ブレスレットによって約45万円~50万円で購入可能です。
多彩なチューダー ヘリテージ クロノグラフ
ヘリテージ クロノは、1970年代のチューダー オイスターデイト クロノグラフにインスピレーションを受けたレトロ クロノグラフです。1970年代のチューダー オイスターデイト クロノグラフにインスピレーションを受けたレトロ クロノグラフです。現行モデルの特徴は、1970年代を思わせる多彩な色でデザインされた文字盤です。なかでもヘリテージ クロノ ブルーはさわやかな印象を持つモデルで、ブルーのベゼルに、ブルーのインダイヤル、文字盤の外周も同じくブルーとカラーが統一された配色になっています。
この時計に搭載されているのは、自動巻きのETA社製キャリバー2892です。9時位置には45分積算計、3時位にはスモールセコンド、6時位置には日付表示窓が取り付けられています。さらに、12時間の目盛が刻まれた両方向回転ベゼルを用いて、第2タイムゾーンの時刻を確認することもできます。ヘリテージ クロノ ブルーの価格は、ステンレス製ブレスレット付き、未使用の場合で、約70万円で購入できます。
ノースフラッグ&ペラゴス
チューダーウォッチの中でも、本格的な計器とも言えるのがぺラゴスやノースフラッグといったコレクションで、自社製キャリバーを搭載した堅牢で信頼性の高い時計がそろいます。ダイバーズウォッチであるペラゴスは、軽量で丈夫なチタン製で、500m(50気圧)の防水性を備えています。
ヘリウム排出バルブを装備するぺラゴスは、飽和潜水にも適しています。また、特許を取得しているフォールディングクラスプでは、水圧でダイビングスーツに圧力がかかった際にブレスレットの長さを自動調整し、また浮上するにつれて圧力が下がると共にブレスレットの長さを再度自動調整するというダイバーにとって非常に便利な機能を備えています。
カラーバリエーションは、文字盤とベゼルがブラックのモデルとブルーの2モデルがあります。また、左利き用のLHDモデルもあり、右手首に時計を装着する際に使用しやすいよう、リューズが左側に配置されています。
2021年11月、チューダーは人気のチタン製ツールウォッチのリニューアル版として、ペラゴス FXD Ref.M25707B/21-0001を発表。このモデルは、フランスの海軍部隊「ユベール」との2年間の共同開発を経て誕生しました。FXDは、ブラックのペラゴスと同様42mmのケース径を採用していますが、ブラックモデルとは異なり、水中での任務中に時計を紛失することがないよう、ケースとラグが一塊のブロックから加工されてます。この構造は「fixed lugs」と呼ばれ、モデル名の「FXD」はこのことを指しています。
2022年からはペラゴス 39もコレクションに加わっています。見た目は兄弟モデルとほぼ同じですが、ケースサイズは39mmで、防水性は200m、ヘリウム排出バルブは付いていません。
ぺラゴスの価格はモデルにもよりますが、未使用の場合、約65万円~100万円です。
ぺラゴス クロノ
チューダーは、ぺラゴスにもクロノグラフ機能を備えた2つのモデルを用意しています。どちらのモデルもケースはブラックカーボン製で、サイズは43mm、防水性は200m(20気圧)。COSC認定を受けた自社製キャリバーMT 5813が搭載されています。このムーブメントのパワーリザーブは最大約70時間で、3時と9時位置に積算計、9時位置に日付表示を備えています。
Ref. M25807KN-0001は、ブルーの文字盤上の積算計とクロノグラフ秒針にはレッドのアクセントが施され、ブルーのファブリックストラップが付いています。2024年春の時点で、未使用モデルが約80万円で販売されています。
2024年、チューダーは既存のぺラゴス クロノと技術面では同じとなるRef. M25827KN-0001を発表しています。このモデルでは、ブラックの文字盤に、積算計と文字盤の外縁にレッドのアクセントが施されています。ストラップには、同色のブラックのファブリックストラップが付いてきます。
メーカー希望小売価格は74万300円。
シンプルで信頼できるチューダー ノースフラッグ
シンプルなノースフラッグは、1950年代に英国の北部グリーンランド探検隊によって着用された精度の高いモデルにインスピレーションを受けて作られた時計。直径40mmのステンレスケースを持ち、全面サテン仕上げの角ばったデザインが、計器らしさを醸し出しています。ステンレスとセラミックからなるダブルベゼルは、機能的な時計のデザインに完璧にマッチしています。搭載されている自社製キャリバーMT5621はクロノメーター認定を受けたもので、3時位置には日付表示が、9時位置にはパワーリザーブ表示が配置されています。
ノースフラッグは、ラバーストラップ付き(Ref. 91210N)、未使用の場合で約60万円、ステンレス製ブレスレット付きの場合(Ref. 91210N-0001)約75万円となっています。
ファストライダーとグランツアー
ファストライダーとグランツアーは、モータースポーツにインスパイアされたツールウォッチコレクション。大半にクロノグラフ機能が搭載されています。現在では生産終了となっているグランツアーでは、フライバック機能が搭載されています。搭載されているのは、ETA社製のキャリバー2892です。
グランツアーの価格は、ステンレススチ―ル製で未使用の場合、約50万円。コンビモデルは約95万円です。ETA社製キャリバー7753を搭載したグランツアー クロノでは未使用の場合、45万円前後から購入できます。ETA社製キャリバー2824を搭載した3針のグランツアー デイトはさらにお手頃で、未使用モデルが約40万円です。
ファストライダーは、イエロー、レッド、グリーンの文字盤を持つチューダーで最も印象的なモデルのひとつです。マットブラックのセラミック製ベゼルとサテン仕上げのケースが、クロノグラフの外観を強調しています。プッシャーとリューズは、ベゼルと同じブラックでコーティングされています。グランツアー クロノと同様、ファストライダーにも自動巻きクロノグラフキャリバー7753が搭載され、46時間のパワーリザーブ、4時30分位置に日付表示を備えています。
文字盤の色にもよりますが、ステンレス製ブレスレットを持つファストライダーは、未使用の場合で約50万円から購入可能です。オールブラックのファストライダー ブラック シールドの場合、未使用モデルが約70万円から購入できます。
チューダーのエレガントな時計
チューダーは数々のレトロウォッチやスポーツウォッチに並び、クラシックでエレガントなレディース、メンズウォッチも展開しています。これらのモデルは、特にビジネスシーンといったフォーマルなシーンに使用できます。スタイルコレクションでは、1950年代~1970年代のクラシックなデザインの時計を彷彿とさせる、シンプルな3針モデルがラインアップされています。多くがステンレスを使用したモデルですが、ステンレスとイエローゴールドのコンビモデルも用意されています。ブレスレットにはレザー、ステンレス、ステンレスとイエローゴールドのコンビを用意しており、ケースサイズは28mm~41mmまで用意されているため、女性向けのモデルもあります。34mmや38mmの場合は、ユニセックスモデルとして利用できます。価格は、ステンレスブレスレット付きモデルで、約25万円。コンビモデルの場合、約30万円です。
また、グラマーコレクションでは、ベゼルにダイヤモンド装飾が施されたモデルもあります。コンビモデルの場合、ケースサイズ36mmで、価格は約60万円です。39mmサイズのデイデイト Ref. M56000は男性に人気のモデルで、12時位置に曜日が表示され、ロレックス デイデイトを彷彿とさせます。価格は約30万円です。また、ケース径42mmで12時位置にダブルデイト表示、6時位置にスモールセコンドがあるモデルもおすすめで、価格は未使用品の場合、約45万円です。
1926年から続く信頼のタイムピース
チューダーの始まりは、1926年までさかのぼります。ロレックスの父であるハンス・ウィルスドルフがスイス・ジュネーブに創業しました。彼の当初からの目的は、ロレックスに匹敵する信頼の置ける時計を、庶民的な価格で製造・販売することでした。この目的を果たすべく、同社ではオリジナルのロレックスの部品であるオイスターケースやオイスターブレスレットなどを使用してきました。チューダーのムーブメントには、リーズナブルなETA社製のものが使用されました。ETA社は現在に至るまでチューダーにムーブメントを供給していますが、2015年以降は自社製ムーブメントも使用されるようになりました。これらのムーブメントは、ジュネーブの工房で製造されています。
チューダーというブランド名は、1485年から1603年までイングランドを制していたチューダー朝に因んで付けられました。初期はチューダー家の家紋と同じ薔薇がブランドのロゴとして使用されていましたが、その後盾のマークに変更されました。この両方のロゴは、強靭さと美しさのシンボルでもあります。現在、チューダーの時計には、レディース、メンズのモデル共に、文字盤上にこの盾マークと「Tudor Geneve」の文字が表記されています。日本国内では、チューダーは以前「チュードル」というブランド名で呼ばれていました。ロレックスのディフュージョンブランドとして海外で活躍してきた同ブランドの腕時計は、日本国内で正式販売はされていませんでしたが、それでも輸入品として人気を高めてきた結果、2018年に遂に「チューダー」として正式に日本デビューを果たしました。現在はロレックスの廉価版としてではなく、高品質な時計をリーズナブルな価格で提供するひとつの時計ブランドとして、国内外で広く親しまれています。