ロレックス ペプシ: 大人気GMTマスター
赤青のベゼルを備えるロレックス GMTマスターは、「ペプシ」という名前でも有名です。この目を惹くツールウォッチには第2タイムゾーン機能が搭載されており、スイスの高級時計ブランド ロレックスの最人気モデルの1つです。
赤青デザインで複数のタイムゾーン
ロレックスは1950年代中期に、アメリカのパンナム航空会社からの依頼で、初のGMTマスターを開発しました。スイスのジュネーブを拠点とするロレックスは、パンナム航空のパイロットとスタッフのために設計されたこの時計を、1955年に初めて市場へ送り出しました。この時計の特徴は、両方向回転の24時間スケールが刻まれたベゼルと、このベゼルの目盛りを示すことによって第2タイムゾーンでの時刻を表示するもう一本の時針です。この便利な機能は、頻繁に旅行をする人やビジネスマンに大変重宝されました。
初代のGMTマスターは、赤と青のベゼルの配色がペプシコーラのデザインを連想させることから、「ペプシウォッチ」というニックネームで呼ばれるようになりました。この2色は単なるデザインではなく、便利な機能も持ち合わせています。赤い部分は午前を、青い部分は午後を意味しており、日中と夜間の区別が一目で付けられます。GMTマスター ペプシには長い間若干の変更のみが加えられ、ステンレス素材のみで提供されてきました。2014年に初めて、セラミック素材のペプシベゼルを搭載するホワイトゴールドモデルがリリースされました。
その他すべてのGMTマスターと同じく、ペプシモデルも時計ファンやコレクターに非常に人気です。ヴィンテージモデルも現行のモデルも同等に希少性を持ち、価格は飛躍的に上昇しています。このため、この時計は資産投資としても広く知られるようになっています。
ロレックス ペプシを買う理由
- 高い知名度
- 複数のタイムゾーン表示機能を備える自社ムーブメント
- セラクロムベゼルやホワイトゴールドケース付きモデルあり
- 価格上昇の高い見込みあり
ロレックス ペプシの価格一覧
ペプシ Ref. | 価格 (約) | Cal./特徴 |
6543 | 555万円 | ベークライトベゼル、Cal.1036 |
1675 | 405万円 | Cal.1565 / 1575 |
16750 | 180万円 | Cal.3075、秒針停止機能 |
16710 | 205万円 | Cal.3185 / 3186、サファイアガラス |
116719BLRO | 415万円 | セラミックベゼル、ホワイトゴールド、Cal.3186 |
126710BLRO | 205万円 | セラミックベゼル205、Cal.3285 |
126719BLRO | 510万円 | メテオロイド文字盤、ホワイトゴールド、Cal.3285 |
ロレックス ペプシ: 価格と詳細
ロレックスは初代GMTマスターの発売から60年以上にわたり、様々な色のバリエーションを持ったモデルを発表してきました。しかし、黒い文字盤と青赤のコンビネーションは、ロレックスファンやコレクターに揺ぎない人気を誇り続けています。中でも特に注目を浴びるのは初代GMTマスター Ref.6542とその後継モデル Ref.1675などの古いモデルです。前者は1954年に発売され、当時はまだリューズガードが付いていませんでした。
初期のベゼルにはベークライトという素材が用いられましたが、この素材は耐久性に乏しく、その後まもなくアルミに変更されました。状態の良い中古のRef.6542は約555万円でご購入いただけますが、状態が非常に良いモデルの価格はこれより格段に高くなります。
その後発表されたRef.1675は20年間製造され続け、現在最も人気の高いペプシモデルのひとつとなっています。旧モデルと異なり、このモデルにはリューズガードが備えられており、初期はCal.1565によって駆動されていましたが、その後Cal.1575に変更されました。価格は時計の状態によって、405万円前後になります。
1981年にロレックスは、Cal.3075を搭載した GMTマスターモデル Ref.16750を発表しました。このムーブメントには、秒針停止機能と日付クイックチェンジ機能が付いています。また防水機能も、100m (10 気圧)までに向上しました。このシリーズの未使用品価格は約180万円、中古は約150万円です。2018年には、このモデルは未使用約115万円、中古約105万円で提供されていました。
サファイアガラス & 第3タイムゾーン
ロレックスは1982年、GMTマスター II Ref.16760を市場に送り出しました。このモデルはそのボリューム感あるケースに因み、ロレックスファンの間で「ファットレディ」と呼ばれています。また、ベゼルの配色が黒と赤のため、ペプシウォッチではなく、ロレックス コークのあだ名でも呼ばれます。しかし、この時計には将来のペプシモデルにとって重要になる特徴がいくつか搭載されています。例えば、3つのタイムゾーンの時刻を同時に表示可能なCal.3085の使用があります。また、ロレックスはこの時計に大型なリューズガードを使用し、さらにプレキシガラスからサファイアガラスに変更しました。状態の良い中古の「ファットレディ」は、約150万円でお買い求めいただけます。
1989年にリリースされたRef.16710は、次の世代のペプシモデルとなりました。このモデルは初期にはCal.3185によって駆動されていましたが、その後Cal.3186に変更されました。このリファレンスは、「コーク」ベゼルとオールブラックベゼルでもご入手いただけます。ロレックスは1998年以降、このモデルの夜光塗料もトリチウムからスーパールミノバに変更しました。状態の良い中古品は、約205万円でご購入いただけます。2018年にはこのモデルはまだ約90万円で提供されていました。
セラクロムベゼル搭載のGMTマスター ペプシ
ロレックスは2014年に、Ref.116719BLROで再びペプシベゼルのGMTマスターIIを発売しました。旧モデルと違い、このモデルは18Kホワイトゴールドでのみ販売されています。また、この時計のベゼルにはセラミック素材を使用したセラクロムベゼルが採用され、3重に保護されたトリプロックねじ込みリューズを搭載し、さらに通常より大きい夜光インデックスが使用されたマキシダイヤルが設置されています。ケース内では、パラクロムヒゲぜんまいが搭載されたCal.3186が、クロノメーターレベルの高精度で動いています。このモデルの未使用品は約415万円、非常によい状態の中古時計は約390万円で販売されています。
2018年のバーゼルワールドにて、ロレックスは赤青のセラクロム ペプシベゼルを搭載したステンレス製のGMTマスター II (Ref. 126710BLRO) を同社のラインナップとして再開することを発表しました。また、その素材と多少変更が加えられたケースのデザインに加え、機構も改新されました。搭載された自社ムーブメント3132には、ロレックスが特許を取得した技術であるクロナジーエスケープメントが使用されています。このエスケープメントは耐磁性に優れたニッケル・リン合金を使用しただけでなく、動作効率も格段に改善されました。また、オイスタースチールと呼ばれるステンレス製のジュビレーブレスレットも変更箇所のひとつになっています。
このモデルは非常に人気ですが、本数が限られています。このため、もし時計をご入手いただける場合でも、正規店舗でのご購入には長い待ち時間が見込まれます。この理由から、2020年の相場は定価の約2倍にまで上昇しました。未使用品は約205万円、中古品は約200万円で販売されています。ロレックスによるこのモデルの定価は、102万800円となっています。
2019年: 2つのGMTマスター II ペプシを発表
ロレックスは2019年に、赤青のセラクロムベゼルを搭載する2つの新しいGMTマスターモデルを発表しました。この両モデルはで、旧モデルと同じくCal.3285で駆動されています。リファレンスナンバーは126719BLROで、素材はホワイトゴールドです。青文字盤のモデルは、未使用約425万円、中古約390万円でご購入いただけます。
2つ目のモデルも同一の機能を備えていますが、文字盤にはメテオロイド素材が使用されています。ロレックスによると、これは隕石の一部から採取した大変希少な素材ということです。このモデルの未使用品はChrono24で、約515万円で提供されています。また、中古品の価格は約465万円になります。
ベゼルと第2の時針でもうひとつのタイムゾーンを表示
頻繁に別のタイムゾーンへ旅行する人にとっては、GMT時計の機能性が重宝するでしょう。2本目の時針とベゼルが第2タイムゾーンの時刻を明確に表示し、多くの場合はこれがホームタイムとなります。時針、分針、秒針の3針はローカルタイムを表示します。ペプシベゼルは青赤の配色で、昼と夜の区別がはっきりとつきます。これによって出張先のビジネスマンは家やオフィス、家族にいつ電話ができるかすぐに分かります。
ベゼルによる第2タイムゾーンの確認は、とても素早く簡単にできます。ベゼルには、24のタイムゾーンに合わせて24のマークが刻まれています。ベゼルを回転することによって、世界中のすべてのタイムゾーンに設定することが可能です。
Cal.3085の導入以来、GMTマスター IIにおいて、ベゼルを回転させることなしに第2タイムゾーンを設定することが可能となりました。まず、リューズを時計と反対方向へ回し、リューズを第2位置まで引き出すことにより、時針を現地時刻に設定します。また、この位置で日付も設定することができます。リューズを第3位置まで引き出すと、第2タイムゾーンの時刻の設定ができます。