ヴェンペ – グラスヒュッテ発のクロノメーター
ドイツの時計マニュファクチュール、ヴェンペ グラスヒュッテで製造される時計のすべては、クロノメーターの認定を取得しています。クロノメーターヴェルケ コレクションで提供されている時計には、自社製キャリバーが搭載されています。プラチナ製の最高級モデルには、トゥールビヨンが搭載されています。
ヴェンペ グラススヒュッテの時計を買う5つの理由
- ドイツ製の高精度クロノメーター
- 自社製キャリバー搭載のクロノメーターヴェルケ コレクション
- トゥールビヨン搭載、プラチナ製の最高級モデル
- 最良のコストパフォーマンスを誇るツァイトマイスター シリーズの時計
- ツァイトマイスターモデルではスイス ムーブメントをヴェンペが再調整
ドイツ製、認定済みの精度
最高の精度と最良の品質 – これがヴェンペ グラスヒュッテを表すのにふさわしい言葉です。ザクセン州の小さな町を拠点とするこの時計メーカーは、クロノメーターの製造を専門とし、精度の高い時計作りにおいて長い伝統を誇ります。このマニュファクチュールで製造される時計のひとつひとつは、ドイツ国内でクロノメーターの認定を受けています。
ヴェンペの腕時計は、クロノメーターヴェルケとツァイトマイスターという2つのコレクションに分類されています。ツァイトマイスターは、スイスムーブメント搭載のスポーティーで優雅なモデルを提供しています。ヴェンペ グラスヒュッテは個々のスイスムーブメントを分解し、同社独自の再調整を行い、その後時計に収めています。また、場合によっては秒針停止機能などの機能も加えています。このシリーズでは、クロノグラフやダイバーズウォッチ、パイロットウォッチも提供されています。さらに、クォーツ機構搭載のレディース時計もラインナップされています。
クロノメーターヴェルケ シリーズで提供されている高級時計には、自社製キャリバーのみが搭載されています。中でも注目すべきモデルはプラチナ製の トノー型トゥールビヨン時計です。キャリバー CW 1は、グラスヒュッテを拠点とする時計メーカー、ノモスと共同で開発された機構です。このシェイプウォッチ機構の特徴は、グラスヒュッテストライプ仕上げが施された4分の3プレートと、手彫りのテンプ受けです。その他のディテールとしては、ブルーに発色したビス、ゴールドシャトン、スワンネック緩急針、チラネジ付きテンプが挙げられます。また、ドイツ産クロノメーターとして認定を受けるのに欠かせない、秒針停止機能も備わっています。
ヴェンペ グラスヒュッテ時計の価格は?
モデル | 価格 (約) | 素材 | 特徴 |
クロノメーターヴェルケ トゥールビヨン | 985万円 | プラチナ | トゥールビヨン、25本限定 |
クロノメーターヴェルケ オートマチック | 186万円 | イエローゴールド | 自動巻き、日付表示付きの自社製キャリバー |
ツァイトマイスター パイロットウォッチ セラミック クロノグラフ | 45万円 | セラミック | クロノグラフ |
ツァイトマイスター スポーツ ダイバーズ クロノグラフ | 42万円 | ステンレス | クロノグラフ、300m (30気圧)、セラミックベゼル |
ツァイトマイスター クロノグラフ ムーンフェイズ フルカレンダー | 44万円 | ステンレス | ツァイトマイスター、フルカレンダー、ムーンフェイズ |
ツァイトマイスター ワールドタイム | 230万円 | ステンレス | ワールドタイム機能 |
ツァイトマイスター パイロットウォッチ オートマチック | 17万円 | ステンレス | 自動巻き、日付表示 |
コレクション クロノメーターヴェルケのモデル紹介と価格
クロノメーターヴェルケ コレクションには、ヴェンペが最も誇るマスターピースがラインナップされています。そのデザインはクラシックに施されており、余計なものが省かれ、本質のみにこだわっているものです。例えば スモールセコンド搭載のモデルの文字盤上には、3針と細いバーインデックスのみが見られます。オフセンターの秒インダイヤルは、6時位置に配置されています。この時計はステンレス、もしくは18金のイエローゴールドで作られています。時計内では手巻きの自社製キャリバー CW3.1が時を刻みます。秒針停止機能を装備するこの時計は、秒単位で正確に調整できます。ステンレスモデルの価格は定価5950ユーロ (約75万円) です。ゴールドモデルは定価1万2450ユーロ (約155万円) になります。
ヴェンペ クロノメーターヴェルケ パワーリザーブ モデルでは、シンプルな手巻き時計に加え、6時位置にスモールセコンド、また、12時位置にパワーリザーブ表示が搭載されています。パワーリザーブ表示を見れば、時計の巻きの消耗率が一目で分かります。パワーリザーブは約42時間です。時計の素材はステンレスと18金イエローゴールドの2種類で提供されています。ホワイトの文字盤上には、モデルによってバーインデックス、アラビア数字、もしくはローマ数字が見られます。ステンレスモデルの価格は、約75万円になります。イエローゴールドモデルの価格は定価約1万4000ユーロ (約175万円) になります。
ヴェンペ グラスヒュッテは現在、クロノメーターヴェルケ コレクションにおいて、 自動巻き時計も提供するようになりました。この時計はラウンド型、ステンレスもしくはゴールド製、そしてサイズは41 mmです。文字盤上にはレイルウェイ分目盛りとアップライトインデックスが見られ、シンプルに整ったデザインになっています。リーフ型の針が、時計にさらなる優雅さを与えています。搭載されている機構は、自社製キャリバー CW4です。この時計にもグラスヒュッテ4分の3プレート、青く発色したビスが使用されており、機構の部品には美しい装飾が施されています。中でも目を惹くのは、ホイールを効率よく巻き上げる、オフセンターのローターです。ステンレス製のオートマチック時計は、約87万円でご購入いただけます。イエローゴールドモデルは、定価約1万5000ユーロ (約186万円) です。
ヴェンペ グラスヒュッテが提供するトノー型時計の価格は?
ヴェンペにおける最高峰の時計は、25本に 限定されたトゥールビヨン時計で、その価格は定価7万9500ユーロ (約988万円) です。トゥールビヨンにおいては、振幅と脱進システムのすべてが、キャリッジという囲いに納められており、それが1分間に360度回転します。このローテーションによって、重力の影響による時計のズレが調整され、高い精度が実現されます。ヴェンペのトゥールビヨン時計はプラチナ950製で、文字盤はシルバーコーティングされており、3時、9時、12時位置にアラビア数字が見られます。トゥールビヨンは6時の位置に配置されています。この時計内で時を刻む自社製手巻きキャリバーは、40時間のパワーリザーブを誇ります。トゥールビヨンは、表裏両面のサファイアガラスを通して眺められ、トノー型ケースのサイズは51 mm x 40.9 mm x 13.7 mmです。
トゥールビヨンはなくてもよいが、大型サイズのトノー型時計が好きだ、という方には ヴェンペ クロノメーターヴェルケ XL がお勧めです。このモデルの素材は、ステンレスまたはイエローゴールドで提供されており、裏面から自社製キャリバー CW1が眺められます。2つの香箱を連結させることによって80時間のパワーリザーブを実現したこのキャリバーは、ヴェンペがノモスと共同で開発したものです。クロノメーターヴェルケ XLの定価は、ステンレスモデルが4250ユーロ (約53万円)、ゴールドモデルは9850ユーロ (約123万円) です。
ツァイトマイスターシリーズの時計の価格
ツァイトマイスター シリーズには、 高いコストパフォーマンスを誇るクロノメーターがラインナップされています。ヴェンペはこのコレクションにおいて様々な異なるモデルを提供しており、どんな方でもお気に入りの一本を見つけられるはずです。低価格帯の時計にはクォーツ機構が搭載されており、その見所は、機械式時計よりも精度が高いところにあります。クォーツ時計の多くはレディース用で、ステンレスケースにレザーベルト、もしくはステンレス金属ブレスレットが付けられています。また、宝飾付きのゴールドコーティングされたモデルも提供されています。ケース直径は、31 mm、もしくは38 mmになります。クォーツ式モデルは、約12万円からの価格でご入手いただけます。
ツァイトマイスター コレクションの中で注目のモデルは、 クロノグラフ機能搭載の自動巻き時計です。この時計に搭載されているのは、ETA機構 バルジュー7753で、この機構は7750のバリエーションです。バルジュー7750は、おそらく歴史上最も完成度の高い自動巻きクロノグラフでしょう。7753では7750と違い、ミニッツカウンターが12時位置でなく3時位置に配置されています。
ヴェンペはいくつかのモデルに、 ETAキャリバー バルジュー7751を使用しています。このムーブメントはクロノグラフ機能の他にも、ムーンフェイズ表示とフルカレンダーを持ち合わせています。フルカレンダーは、月、日、曜日を表示します。31日間より日にちが少ない月は年に5回ありますが、それに該当する月にのみ、カレンダーを手で調整する必要があります。7751においてのこの調整は、リュウズを用いて簡単に行えます。ヴェンペ クロノグラフは、スポーティーで優雅なデザインの時計です。この時計では、クロコダイルレザーベルトなどのクラシックな素材と、タキメータースケールのようなスポーティーな要素が融合されています。タキメータースケールを用いて、特定の距離に対する速度を読み取ることができます。
ヴェンペ ツァイトマイスター スポーツ クロノグラフ にも同様にタキメータースケールが装備されていますが、これにはステンレス製のリンク式ブレスレットが使用されています。文字盤にはシルバーとブラックの2種類があります。ケースの防水性は最大100 m (10気圧) までです。このクロノメーターの定価は2975ユーロ (約37万円) です。逆回転防止ベゼルを備え、また水深300 m (30 気圧) までのより高い防水性を誇る時計がお好みの方は、 ヴェンペ ツァイトマイスター スポーツ ダイバーズ クロノグラフ をご覧ください。このモデルに搭載されている機構はセリタ SW500で、そのバルジュー 7750とほぼ同一です。ベゼルのインレイは、非常に傷が付きにくい特性を持つセラミック素材です。このクロノグラフのサイズは45 mmで、定価3375ユーロ (約42万円) です。
ヴェンペのパイロットウォッチの価格は?
ツァイトマイスター コレクションには、クラシックなパイロットウォッチもラインナップされています。文字盤の色はブラックで、針と目盛りには夜光塗料が使用されています。このため、暗い場所でも時刻を読み取ることができます。また、アラビア数字のため時刻の読み取りがより簡単です。シリーズ内でも注目のモデルは、セラミック素材、サイズ44 mmでクロノグラフ機能が搭載された時計です。ツァイトマイスター ワールドタイムに搭載されているキャリバーは、バルジュー 7753です。完全に黒で統一されたこのパイロットウォッチは、定価3600ユーロ (約45万円) です。
ステンレスモデルは42 mmで、定価2175ユーロ (約27万円) で販売されています。また、45 mmサイズのツァイトマイスター パイロットウォッチ クロノグラフ XLも、ステンレス素材のケースで提供されています。このクロノグラフのストップウォッチ機能を担う機構は、ETA社のA.07.211です。価格は定価2500ユーロ (約31万円) です。
最も安いのは、3針のクラシックなパイロットウォッチです。38 mmサイズの自動巻きキャリバー搭載、そして日付表示付きモデルは、定価1400ユーロ (約17万円) でご購入いただけます。それより大型な45 mmサイズのステンレスモデルは、それに約9万円ほど追加した価格でご入手いただけます。
コンプリケーション搭載のツァイトマイスター時計の価格
ヴェンペ グラスヒュッテ は、クロノグラフ機能やムーンフェイズ表示、カレンダーなどの複雑機構を搭載した時計の製造も行っています。ムーブメントには、エタ社のバルジュー 7751が使用されています。ステンレス製ケースの時計は、ステンレスブレスレット、もしくはクロコダイルレザーベルトが腕を巻きます。両モデルとも、価格は約44万円です。
良く旅行をされる方には、 ヴェンペ ツァイトマイスター ワールドタイム が便利でしょう。この時計では時計の縁に設置されたリングによって、24のタイムゾーンを表示できます。文字盤の中央には回転式の24時間プレートが備わっています。ステンレスを素材とするこのモデルの価格は、定価1850ユーロ (約23万円) です。
ヴェンペとグラスヒュッテ天文台
ジュエリーと時計のメーカーであるヴェンペは、高精度な時計の製造分野において長い伝統を誇る会社です。同社は、1905年にブレーメンとハンブルクの船主によって創立された ハンブルク クロノメーター製作所 を1938年に買収しました。当時掲げられた目標は、イギリスのマリンクロノメーターからの独立でした。
当時、イギリスはマリンクロノメーターの分野において最大の産地でした。船乗りにとって、航海中に現在位置を測定するために、可能な限り正確な時計は欠かせない装備のひとつでした。18世紀の初期まで、船の遭難事故は頻繁に起こっていました。これは、イギリス人 ジョン・ハリソンが1759年に初のクロノメーターを発明した以来、大きく変化しました。クロノメーターを用いることにより、船乗りたちは経度を算出することが可能になり、これによって正確な現在位置を知ることができるようになったのです。
ヴェンペはハンブルクのクロノメーター製作所の買収により、自社内におけるクロノメーター製造の基礎を作り上げました。その直後、ヴェンペは、グラスヒュッテにおける時計産業の創業者であるフェルディナンド・アドルフ・ランゲの孫、オットー・ランゲと共同契約を結びました。ヴェンペとランゲは、 グラスヒュッテ天文台に、時計技師のための研究と教育の場を設けることを目標に掲げましたが、第2次世界大戦とそれに続く東西ドイツの分割が、この計画の実行を妨げることになります。
2006年にヴェンペは、チューリンゲンの州立消費者センターと、ザクセンの州立計量管理センターと共に、 ドイツで唯一の独立したクロノメーター試験機関を開設しました。この機関が設立されて以来、ドイツにおいてもクロノメーターの認定を取得することができるようになりました。ヴェンペは2006年以降、クロノメーターヴェルケとツァイトマイスターの両コレクションで提供されている時計を、同社がその前年に入手した天文台で製造しています。ヴェンペは今日、天文台に繋がる作業所にて、大手ブランドの時計の修理やオーバーホールを行っています。ヴェンペの時計工房は、小売業者の工房として、ヨーロッパ最大の大きさを誇ります。
ドイツにおけるクロノメーター認定
ドイツのクロノメーター標準規格検定は、 DIN規格 8319 に基づいて行われます。機械式時計における精度誤差の容認範囲は、ISO規格 315に基づくスイスの検定に相応するものです。両検定の違いは ドイツでは組み立てられた後の時計全体を検定することです。スイスの検定においては、ムーブメントのみに検定が行われ、組み立ては認定後に行われます。
DIN 8319の標準規格を取得するためには、時計は15日間検査されます。この検査において、時計は5つの異なる方向 (文字盤上向き、文字盤下向き、リュウズ左、リュウズ上、リュウズ下) に設置され、時計の精度が測定されます。容認範囲は日差-4 ~ +6秒です。さらに、時計は23 °C、8 °C、38 °Cの温度と、50 %の湿度にさらされ、24時間後に誤差を測定します。また、機械によってムーブメントが巻き上げられます。コンプリケーションを搭載する機構では、これを検査10日目に起動させ、コンプリケーションが時計の精度にどれだけ影響を及ぼすか検査されます。
ヴェンペ – 家族経営工房の歴史
ドイツの時計会社ヴェンペの歴史は1878年に始まりました。創業者である ゲアハルド D. ヴェンペ は北ドイツで独立開業しました。彼の初期の仕事は、中古時計も手掛ける小規模な時計工房での作業と販売でした。彼はその当時から、ショーウィンドウに手間を隙かけた装飾を施していました。このアイデアにより、ヴェンペは他社より人気が高く、客足も多く、見事な売り上げを誇っていました。このことから、ヴェンペには「黄金のゲルド」というニックネームが付けられました。今日では、どの店舗でも同一の店構えと手間隙をかけて飾られたショーケースは、ヴェンペを象徴するものになっています。
1894年にヴェンペはオルデンブルクに2つ目の店舗を開きました。そして、同年にはスイスにも店舗を開設し、より高級なランクの時計を提供するようになります。その13年後、ヴェンペはハンブルクに店舗を開き、その後現在に至るまでこの家族経営工房の拠点となっています。
ゲアハルド D.ヴェンペが世を去った後の1921年、息子のヘルバート・ヴェンペがヴェンペ社の指揮を執りました。父の望みどおり、ヘルバートは、外装と内装において、どこの店舗に行っても同一の店構えを作ることを実現しました。1920年当時、このような発想はまだ新しいものでしたが、今日では「コーポレートアイデンティティー」という名で普及しています。また、彼は顧客サービス分野の発展にも従事しました。ヴェンペは現在まで、A.ランゲ&ゾーネやロレックス、また、パテック フィリップなどの大ブランドの時計の修理を手掛けています。
1963年に、ヘルムート・ヴェンペが同社の社長に就任しました。彼の指揮の下で、ヴェンペ社は29の店舗を構えるインターナショナルな会社に発展しました。ベルリン、フランクフルト、ケルンの他にもニューヨークに店舗を構え、かの有名なフィフス・アベニューにヴェンペのショーウィンドウが見られるようになりました。それに続きパリ、ロンドン、ウィーン、マドリッドなどにも次々に開店してきました。さらに、クルーズ船「MS ヨーロッパ」もヴェンペのブティックを構えています。