現代のデジタル時代において、機械式の時計ブランドでありながら、世界で最も業績の良い企業のひとつであるロレックス。長年にわたり、アメリカ大統領やハリウッドスター、マルクス主義の革命家といった人々から愛されてきたロレックスだが、その時計作りに対する姿勢は昔から変わることはない。高品質で頑丈、クラシカルでスタイリッシュ、一生モノ、それがロレックスの時計だ。得意分野はスポーツウォッチで、アクティブなシーンはもちろんのこと、フォーマルなシーンでも着用することができる。
どのロレックスのスポーツモデルが最も人気なのか?
現在、ロレックスとなるとどのモデルも需要が供給よりも高く、入手困難な状態である。さらに、他のモデルよりも特に高い人気を誇るモデルもある。Chrono24で最も多く販売されたロレックスは、実はスポーツウォッチではなく、デイトジャストである。しかし、2番目に販売数の多かったロレックスはスポーツモデルであるサブマリーナーだ。そして、金額で見ると最も高い価格で取引されたロレックスはデイトナとなっている。
どのロレックスがスポーツモデルなのか?
ロレックスは展開するコレクションの数を最低限に抑えているが、実際にはさまざまなスポーツモデルがあり、その一部は一般にはあまり知られていない。コレクションの違いやそれぞれの機能について、詳しく知っている人の方が少ないだろう。
ロレックスのスポーツモデル:
- ロレックス サブマリーナー
- ロレックス デイトナ
- ロレックス GMTマスター II
- ロレックス エクスプローラー
- ロレックス エクスプローラー II
- ロレックス シードゥエラー
- ロレックス シードゥエラー ディープシー
- ロレックス ヨットマスター
- ロレックス ヨットマスター II
では、ロレックス スポーツモデルのそれぞれの特徴や違いについて見ていこう。
1. ロレックス サブマリーナー
ロレックス サブマリーナーは史上初のダイバーズウォッチではないものの(その称号はわずか数カ月の差でブランパン フィフティ ファゾムスのものとなっている)、間違いなく最もよく知られるダイバーズウォッチだ。また、ロレックスのコレクションで最も人気のスポーツウォッチであり、どのブランドの時計よりも入手困難と言えるだろう。
『ゴールデンアイ』以前のジェームズ・ボンドが、迫りくる死の危険から逃れたり、敵を破滅させるために頻繁に使用したダイバーズウォッチを思い浮かべるように、サブマリーナーは丈夫でスタイリッシュな時計だ。そして、非常に収集価値の高いモデルでもある。
1953年のデビュー以来、デザインはほとんど変わっていないが、何度も改良されてきた。例えば、サブマリーナーRef. 116610LNは、3時位置のサイクロップレンズで拡大表示される日付窓、ステンレススチール製ケース、セラミックベゼルを持つ。内部には信頼性の高いキャリバー3135を搭載し、ケースサイズは40mm。さらに防水性は300mで、数種類のカラーから選択できる。
2. ロレックス デイトナ
ロレックス デイトナは2番目に愛されているスポーツモデルだ。デイトナは自動車レースにインスパイアされたクロノグラフである。レース界のレジェンド、マルコム・キャンベル卿とパートナーシップを結んだ後、ロレックスはこのスポーツとの関係をさらに深め、1962年に開催されたデイトナ24時間レースのスポンサーとなった。
その1年後、インダイヤルに反転カラーを使い、ベゼルにタキメーターを備えた初代コスモグラフ Ref. 6239をリリースした。長年にわたり、ポール・ニューマンを始めとするハリウッドスターとの数多くのパートナーシップを経て、デイトナは史上最も収集価値が高い人気モデルのひとつとなった。
デイトナ Ref. 116520は40mm直径のステンレススチール製クロノグラフである。キャリバー4130を搭載し、防水性は100m。2016年、ロレックスはセラミックベゼルを持つ新しいモデル、デイトナ Ref. 116500LNをリリースした。
3. ロレックス GMTマスター II
オリジナルのGMTマスターはパイロットたちの需要に応えるために作られたものだった。ロレックスはパンアメリカン航空(パンナム)と提携し、追加の針と24時間ベゼルをもって一度に2つのタイムゾーンの時刻を表示できる時計を設計した。
GMTマスターは1980年代初頭にGMTマスター IIへとアップグレードされた。この新しいバージョンには改良されたムーブメントが搭載され、24時間針と別に独立して時針を調整できるようにするクイックチェンジ機能を備えていた。また、大型のケースとセラミック製ベゼルが特徴でもある。
Ref. 116710BLNRは、そのセラミックベゼルと24時間目盛、そしてもちろんGMT針を除けば、サブマリーナーに非常に似たルックスであるが、サブマリーナーとは違って、クイックチェンジ機能を備えている。40mm径のステンレススチール製ケース内には、キャリバー3186が搭載されている。
4. ロレックス エクスプローラー
ロレックス エクスプローラーは、エドモンド・ヒラリー卿とテンジン・ノルゲイによる世界初のエベレスト登頂の成功を祝って、1953年に発表された。オリジナルのエクスプローラーは頑丈かつ、シンプルで非常に見やすいデザインが特徴。
ロレックス エクスプローラーRef. 214270は、オリジナルの36mmに対して大型の39mm径のステンレススチール製ケースを持つ。しかしこの時計はそのミニマリスティックなルーツをキープしている。搭載されているのはキャリバー3132。
5. ロレックス エクスプローラー II
1971年に発表されたロレックス エクスプローラー IIは、ケース径が42mmと大型だ。オリジナルモデルに比べると、サイクロップレンズ付き日付窓、24時間針、そしてベゼルなど、いくつか注目すべき違いがある。エクスプローラー IIはスティーブ・マックイーンなどが着用したことによって人気が高まった。
エクスプローラー IIはオリジナルのエクスプローラーよりも、GMTマスターやサブマリーナーに似ているように見えるかもしれないが、実際には、サイズやステンレススチール製ベゼル、4番目の針と文字盤上のオレンジのアクセントなど、エクスプローラー IIならではの特徴がある。Ref. 216570には、キャリバー3187が搭載され、防水性は100mだ。
6. ロレックス シードゥエラー
ロレックスシードゥエラーは1967年にデビューした。サブマリーナーより本格的なダイバーズウォッチであり、ヘリウムエスケープバルブを備え、610mもの深さに対応することができた。
シードゥエラーには日付窓にサイクロップレンズが付いていないが、サブマリーナーとよく似たセラミックベゼル付きの40mm径のステンレススチール製ケースで、同じくキャリバー3135を搭載している。シードゥエラー4000 Ref. 116600は1220mもの防水性を誇る。
7. ロレックス シードゥエラー ディープシー
ロレックス シードゥエラー ディープシーは、シードゥエラーよりも一歩進んだモデルだ。ディープシーはロレックスの中で最も本格的なダイバーズウォッチで、3900mという驚異的な深さの潜水に耐えることができる。厚さ5mmのドーム型風防とグレード5のチタン製裏蓋のおかげもあり、極めて頑丈で、また非常に分厚くなっている。
シードゥエラー ディープシー Ref. 116660は、ケース径44mmで、キャリバー3135を搭載している。ルックスについては、大きめのサイズはさておき、文字盤周囲にある「Original Gas Escape Valve」と刻まれたシルバーのリングによってディープシーであることがわかる。
8. ロレックス ヨットマスター
1992年に登場したロレックス ヨットマスターは別のサブマリーナーによく似たモデルであり、同じくキャリバー3135を搭載している。しかし、この時計はダイバーたちではなく船員たちのために作られたもので、サブマリーナーの特別バージョンとも言える。
ロレックス ヨットマスター Ref. 116655は、ロレックス独自のローズゴールド合金製で、高級なラバーストラップが備わっている。ケース径は40mm、防水性は100mだ。
9. ロレックス ヨットマスター II
2007年に発表されたロレックス ヨットマスター IIは、ロレックスのスポーツモデルの中で最も特徴的だ。一番分かりやすい特徴はレガッタタイマーと複雑機構で、フライバック機能付きの10分カウントダウンタイマーで構成されている。
ヨットマスター IIは44mm径の大きな時計で、通常カラフルなアクセントが映える貴金属製である。