- 30
- 60
- 120
Chrono24マガジンの最新記事
セイコー、日本が誇る時計製造技術
日本が世界に誇る時計メーカーであるセイコーは、時計業界において数々の功績を残してきました。その商品展開は、安価なクォーツ時計からミニッツリピーターを搭載した最高峰レベルの技術が駆使された時計まで、多岐にわたります。またセイコーは、すべての部品を自社製造するマニュファクチュールでもあります。
目次
時計業界のパイオニア
140年以上の歴史を持つ伝統ある時計メーカーであるセイコー。東京に本拠地を構え、高品質な時計を魅力的な価格で提供するブランドとして、知られています。また、セイコーは初のクォーツ式腕時計やマジックレバー式の巻き上げ機構、クォーツと自動巻き機構の長所を組み合わせたキネティック機構やスプリングドライブなど、時計業界に様々な革命をもたらしてきたことでも知られています。
その多彩な商品展開から、セイコーではどんな好みや予算にも合う1本を見つけることができます。例えば、セイコー5や5スポーツはエントリーレベルの時計として人気が高く、高精度な自社製の自動巻きキャリバーを搭載した高品質な時計を非常に安価に入手することができます。また、プロスペックスコレクションも高い人気を誇り、特にそのダイバーズウォッチは、世界中のファンから愛されています。
プレザージュは、機械式の自社製ムーブメントを搭載するセイコーのドレスウォッチコレクション。スポーティーなものからクラシカルなものまでそろっています。海外向けのプルミエコレクションはモダンなデザインが特徴で、自動巻き、クォーツ、ソーラー、キネティックのいずれかのキャリバーが搭載されています。アストロンは、セイコーの中でもハイテクな時計がラインアップされたコレクションです。世界初のクォーツ式時計の名を受け継ぎ、GPS受信機能を搭載するソーラー駆動のキャリバーを備えるモデルを展開しています。
セイコーが誇る時計技術のノウハウは、セイコーホールディングス内のブランドであるグランドセイコーとクレドールにも受け継がれており、セイコーが有する最高の技術を用いて作られています。洗練されたコンプリケーション、ゴールドやプラチナなどの高級素材、そして完璧な仕上げが、これらの時計の特徴です。
セイコーを買う理由
- 高いコストパフォーマンス
- 豊富な商品展開
- 多数の自社製ムーブメント搭載モデル
- ソーラー駆動、キネティック、スプリングドライブなどのハイテクなキャリバー
- グランドセイコーとクレドールといった高級ライン
セイコーの価格
Chrono24では、セイコーの時計が2万円以下から購入可能です。この価格帯で提供されているのは、多くの場合セイコー5の古いモデルです。現行モデルのダイバーズウォッチ SBSA225やミリタリースタイルのSBSA117などは、約2万5000円~4万円で入手可能です。ブライアン・メイコラボレーション限定モデル SBSA073には、約12万円の価格が付けられます。
プロスペックスコレクションの時計の場合、5万円以下で購入可能です。この価格帯で入手できるのはソーラー駆動のキャリバーを搭載したモデルで、その多くはクロノグラフ機能を備えています同コレクションで人気のダイバーズウォッチには、その特徴的なフォルムから「タートル」、「サムライ」、「ツナ缶」などのニックネームが付けられており、価格は約6万円から始まり、スペックによって約25万円の価格が付けられています。特別モデルやスプリングドライブを搭載したモデルなど、プロスペックスの中でも上位のものとなると、約80万円近い価格が付けられることもあります。
セイコーのドレスウォッチコレクションであるプレザージュは、Chrono24では新品同様のものが約5万円から購入可能です。クロノグラフ機能やGMT表示を搭載モデルは、約8万円~42万円で販売されています。スプリングドライブを搭載したプレザージュの場合、35万円~42万円の価格が付けられています。
超高精度なGPSソーラームーブメントを搭載するアストロンは、約15万円~45万円で販売されています。
セイコーで最も安価な時計
Chrono24では、セイコー5の現行モデルのうち、エントリーレベルのものの未使品が約2万円から購入可能です。Ref. SNKA05K1は、37mmのステンレス時計で、3針、曜日、日付表示機能を備えています。
セイコーで最も高価な時計
セイコー天文台クロノメーターRef. 4520-8020は、2024年7月に約700万円で取引され、Chrono24におけるセイコーウォッチの取引額最高値を記録しました。この時計は、1960年代に製造されたヴィンテージウォッチであり、226本限定で生産されたものです。搭載されているキャリバー4520Aは、毎時3万6000振動のハイビート手巻きムーブメントです。ケースサイズ37mm、18Kゴールド製。
セイコーの価格一覧
モデル / Ref. | 価格(約) | 特徴 |
プロスペックス LX / SBDB027 | 75万円 | チタン / スプリングドライブ、300m(30気圧)防水 |
プレザージュ 紅の豚 / SARK017 | 57万円 | ステンレス / クロノグラフ、日付表示 |
アストロン GPS ソーラー / SBXC077 | 30万円 | ステンレス / ソーラーGPS衛星電波修正、永久カレンダー、GMT |
プレザージュ プレステージ / SARW049 | 20万円 | ステンレス / 有田焼ダイヤル、パワーリザーブ表示、スモールセコンド |
プロスペックス タートル / SBDC143 | 15万円 | ステンレス / 日付表示、200m(20気圧)防水 |
プロスペックス アルピニスト / SPB197J1 | 15万円 | ステンレス / インナーベゼル、日付表示 |
5スポーツ / SRPE79K1 | 4万2000円 | ステンレス / 自動巻き、日付および曜日表示 |
セイコープロスペックス、実用的なスポーツウォッチ
プロスペックスでは、プロ仕様のスポーツウォッチが手頃な価格で展開されています。「プロ仕様」の「スペック」という意味に由来するプロスペックスでは、その名にふさわしいモデルがラインアップされ、特にダイバーズウォッチが充実しています。
1000mの防水性を誇るツナ缶
時計の外装の形がツナ缶に似ていることからこのニックネームで親しまれるモデルも、同シリーズを代表するプロ仕様の時計です。そのケースは時計を衝撃から守るだけでなく、気密性に優れ、なかには1000m(100気圧)防水性を誇るものもあります。また、夜光塗料を塗布した大型の針とインデックスにより、どんな光の下でも優れた視認性を確保します。モデルごとに、精度の高い自動巻きキャリバーまたはソーラー駆動のクォーツムーブメントが搭載されています。
タートル - 世界中にファンを持つ人気のダイバーズウォッチ
他にもプロスペックスの中で人気を誇るのが、タートルです。亀の甲羅を思わせる特殊なケース形状にちなんで、ファンの間ではタートルの愛称で親しまれています。
防水性は200m(20気圧)で、4時位置のリューズが特徴です。内部には、自社製ムーブメントが搭載されています。
セイコーのレトロなダイバー
セイコーが1965年に発表した初のダイバーズウォッチは、その後のプロスペックスコレクションに大きな影響を与えました。レトロデザインのモデルの中には、歴史的な先代モデルにそっくりなものもあります。また、最新のプロスペックスのダイバーズウォッチにも、そのデザイン要素が取り入れられています。
しかし、外観デザインとは対象的に、内部には6R35や8L35といった最新のキャリバーが搭載されています。
スプリングドライブ搭載のプロスペックス LX
プロスペックスLXラインでは、プロスペックスコレクションの中でも技術的に最先端を行くモデルが提供されています。これらの時計には、最新技術を駆使したスプリングドライブ機構が搭載されており、モデルによってはGMT機能も備えています。その特徴は、4本目のGMT針と24時間表示の回転ベゼルです。また、セイコーはコンパスやダイビングベゼルなどを備えたプロスペックスLXモデルも提供しています。
アルピニスト
アルピニストは、プロスペックスコレクションを代表するもうひとつのラインです。デザインは、1950年代終わりから1960年代初めにセイコーが登山家のために特別に設計したモデルをベースとしています。カテドラル針と三角形のアワーマーカーやアラビア数字のアワーマーカーが特徴です。また、多くのアルピニストモデルに見られる4時位置のもうひとつのリューズも特徴です。この追加リューズは、インナーベゼルを回転させ方位計測を可能にします。
すべてのアルピニストモデルは、200m (20気圧) の防水性を備え、セイコーの自社製キャリバー6R35を搭載しています。
プロスペックスの特徴
- 機械式またはクォーツ式のタフなスポーツウォッチ
- 最大1000m (100気圧) までの防水性を保証するダイバーズウォッチ
- スプリングドライブ搭載のプロスペックスLX
- レトロデザインが人気のアルピニスト
セイコー5、自動巻きのお手頃価格なスポーツウォッチ
安価な自動巻きの腕時計を求める場合、セイコー5やセイコー5スポーツがおすすめです。日付表示付きのシンプルな3針モデルの場合、高品質ながらも2万円以下で見つけることができます。デザインはシンプルかつスポーティーに仕上げられ、日常使いの時計として最適です。セイコー5では、エレガントなモデルがラインアップされていますが、中には}パイロットウォッチや!{keyword-military watches,ミリタリーウォッチを彷彿とさせる文字盤やファブリックストラップを備えるモデルもあります。一方、セイコー5 スポーツでは、主にダイバーズウォッチと、特にスポーティーなドレスウォッチがそろっています。
2020年の初め、セイコーはこの2つのコレクションを統合し、セイコー5 スポーツとしました。セイコー5スポーツの多くのモデルには、キャリバー4R36が搭載されています。古い世代に使用されている7S系のキャリバーとは異なり、4R36には秒針停止機能と、手巻き機能が追加されています。
セイコー5 スポーツの特徴
- 自社製ムーブメント
- 日付と曜日表示
- 豊富な商品展開
- 抜群のコストパフォーマンス
セイコー プレザージュ、エレガントな機械式時計
セイコー プレザージュは、クラシカルでエレガントなデザインの時計を展開するコレクション。そのモデルは、セイコーが誇る歴史に名を連ねる定番のアンティークモデルをインスピレーションとしています。同コレクションでは、すべてのモデルに自社製の機械式ムーブメントが搭載されています。
プレザージュには、プレステージとベーシックの2つのラインがあり、プレステージラインでは、特に高級な仕様が施された時計が展開されています。プレステージラインのモデルに搭載されているのは、主に5Rと6R系のキャリバーで、パワーリザーブは45時間、または50時間です。さらに、多くのモデルではGMT機能やパワーリザーブ表示機能が搭載されています。また、クロノグラフモデルもラインアップされています。セイコーはこのプレステージラインの多くのモデルにおいて、エナメル文字盤や有田焼ダイヤルを採用しており、非常にエレガントな仕上がりとなっています。
一方、ベーシックラインのモデルに搭載されているのは、41時間のパワーリザーブを持つ4R系のキャリバーです。ベーシックラインでは、繊細な模様や精巧なサンレイ仕上げを施した文字盤が採用されています。また、オープンハートと呼ばれるモデルも多数あり、文字盤の切り抜き部分から、ケース内の機構のテンプの動きを眺めることができます。
プレザージュの特徴
- 機械式ムーブメントを搭載
- 高品質で低価格
- クロノグラフ、GMT、パワーリザーブ表示といった機能を搭載
セイコー プルミエ、クラシックとモダンの融合
セイコー プルミエは、クラシックなデザインをモダンに解釈したコレクション。アワーマーカーにはローマ数字が使用されるなど、クラシックな雰囲気を残しつつ、 43mmのケースに幅広のベゼルやラグを組合せ、時計にモダンな印象を与えています。このことは、時計を駆動するムーブメントにも当てはまり、プルミエでは自動巻きキャリバーに加え、クォーツ、ソーラー、キネティック機構が使用されています。キネティック機構では、ローターの運動エネルギーが電気エネルギーに変換、蓄電され、その電力が、クォーツ機構の動力として使用されます。
プルミエコレクションには、シンプルな3針モデルに加え、クロノグラフ、ムーンフェイズ、アラーム機能、永久カレンダーを搭載するモデルもラインアップされています。
アストロン、世界初のクォーツ腕時計の後継機
アストロンは、セイコーの中で最もモダンなコレクション。アストロンは、1969年にセイコーが発表した世界初のクォーツ式腕時計の名前でもあり、その名を持つ現行のアストロンは、最新のテクノロジーと精度を象徴するコレクションとして先代モデルの意志を受け継いでいます。
セイコーはアストロンに、GPS衛星からのシグナルを受信する最新のクォーツ機構を搭載しています。この機構の元では、時刻が秒単位で非常に正確に同期されるだけでなく、現在のタイムゾーンが自動的に特定され、表示時刻が設定されます。アストロンの現行モデルのその他の特徴としては、2100年2月28日までの日付を正確に表示する永久カレンダーが挙げられます。また、上位モデルにはGMTまたはワールドタイム表示が搭載されています。
アストロンは、ソーラー式の発電システムを使用していますが、内部に備えられている二次電池によって、太陽光がなくても約2年間作動し続けます。
ルキア、働く女性をイメージしたレディースコレクション
ルキアは、1995年に誕生した女性向けのコレクション。ショッピングやグルメだけでなくオフィス街としても賑わう東京、銀座にインスパイアされたルキアは、長い間日本国内のみで販売されていました。しかし2020年以降、ルキアの時計もヨーロッパや北アメリカのセイコーブティックで販売されています。
ケース径はすべて34.8mmで、素材はステンレス。さまざまな文字盤カラーで展開されています。また、すべてのモデルに日付表示付きのキャリバー6R35が搭載されています。
グランドセイコーとクレドール、セイコーのハイエンドブランド
セイコーのハイエンドブランドグランドセイコーとクレドールには、同社で最も高いレベルの技術が駆使されています。両ブランドとも、高級時計の中でも上位ブランドとされ、スイスのビッグブランドにも引けを取らない素晴らしい時計を提供しています。
グランドセイコーは、控えめでクリアなデザインを特徴とし、高度な技術だけでなく、繊細な職人による仕上げにもこだわっています。特にザラツ研磨と呼ばれるものは、世界でもトップクラスの評価を受けています。
一方、クレドールでは、ゴールドやプラチナなどの高級素材が使用され、そのデザインは、クラシックでシンプルなものから繊細に装飾されたものまで、多岐にわたります。また、トゥールビヨンやミニッツリピーターなどのコンプリケーションを搭載したモデルも展開されています。
1881年から続く伝統
1881年、20歳になったばかりの服部金太郎が東京に「服部時計店」という小さな店を開いたことが、現在のセイコーのルーツです。時計店の創業からわずか11年後、服部は初の自社工房である「精工舎」を設立。後にセイコーという社名の元となった「精工舎」の名には、精巧な時計を作る、という思いが込められていました。この工房設立の目的は、自社で時計を製造し、仕入れた時計よりも安価に販売することでした。この戦略が成功し、同社は大きく成長することになりました。
セイコーは現在でも時計のすべてのパーツを自社生産していますが、自社で時計を一貫生産しているブランドやメーカーは多くはありません。1913年に発表された、日本初の腕時計であるセイコー「ローレル」では、すべてのパーツがセイコーによって自社製造されたものでした。腕時計の製造を開始する以前、精工舎では懐中時計や壁時計が製造されていました。
現在、セイコーホールディングスは、服部金太郎の曾孫にあたる服部真二が代表取締役会長を務めています。
よくある質問
セイコーを愛用している著名人は?
過去には、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ、武道家、俳優のブルース・リー、プロテニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチなどがセイコーを愛用していました。また、劇中ではアーノルド・シュワルツェネッガー(『プレデター』)、シガーニー・ウィーバー(『エイリアン』)、マーティン・シーン(『地獄の黙示録』)らがセイコーの時計を着用しています。
セイコーはどこで時計を製造しているのですか?
セイコーの時計の各パーツは、日本各地の工房で製造されています。最終組み立ては、日本、韓国、マレーシア、シンガポールのいずれかで行われます。
セイコーはどのムーブメントを使っていますか?
セイコーは自社製ムーブメントのみを使用しています。また、高い内製率を重視し、すべての部品を自社で生産しています。