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ダイバーズウォッチ – 水中で使用可能な時計
ダイバーズウォッチは耐水性、堅牢な構造、スポーティーなルックスで、ダイバーのみでなく多くの人に愛されています。ロレクス サブマリーナや、オメガ シーマスターなどは過去数年間に渡り、高級時計のベストセラーに属するモデルです。
ダイバーズウォッチの5つの主要な特徴
- 200 m (20気圧) 以上の防水性能
- 1分・5分目盛りが付いた逆回転防止ベゼル
- 水中でも視認性を確保する、蛍光塗料使用の時計針とインデックス
- 蛍光塗料使用の秒針で機能性確認
- ブレスレットは締めた状態で40 kgの重量に1分間耐久
少なくとも200 mの深度に耐久
ダイバーズウォッチは従来、海軍の潜水工作兵のために作られた特殊機器でした。現在では日常用の時計としてその地位を確立しています。この種の時計は、機能性、テクニカルなルックス、防水性の点で優れています。時計をダイバーズウォッチと呼ぶためには、国際的には規格 ISO 6425、国内では JIS B 7023 の認定に合格しなくてはなりません。200 mの潜水に耐えることは最低条件です。
浸水を防ぐため、ダイバーズウォッチの裏箱とリュウズにはネジが使用されています。クロノグラフ、つまりストップ機能付きの時計では、プッシュボタンもねじ込み式です。このネジ込み構造とゴム製パッキンにより、時計は外環境から気密に保護されています。
ダイバーズウォッチの多くには、飽和潜水の際に必要となるヘリウムバルブが搭載されています。ケース内に入り込んだヘリウムをこのバルブを通して逃がすことで、時計の故障を防いでいます。
また、完璧なダイバーズウォッチに欠かせないもう一つの要素は、1分・5分目盛りが刻印された逆回転防止ベゼルです。
このベゼルは潜水時間を見守り、時間内に浮上するために使用されます。ベゼルは時計と反対の方向にのみ回転し、その逆方向への回転は防止されているため、潜水時間を誤って延長する心配がありません。
時計の視認性は、暗い場所でも確保されている必要があります。そのため時計針とインデックスには蛍光塗料が使用されています。蛍光の秒針を見れば、時計が問題なく機能しているかどうかが暗い場所でも確認できます。ダイバーズウォッチ ISO 6425 規格のカタログには、耐衝撃性と耐温度差、耐磁性の項目があり、この基準を満たすには、20項目のテストに合格する必要があります。
ダイバーズウォッチの価格は?
モデル | 価格 (約) | 防水 (~まで) | 特徴 |
オメガ シーマスター プラネットオーシャン クロノグラフ ゴールド | 250万円 | 600 m (60気圧) | クロノグラフ機能、ゴールドケース |
ブランパン フィフティ ファゾムス Ref. 5015-1130-52 | 125万円 | 300 m (30気圧) | 日付表示 |
ロレックス サブマリーナ デイト Ref. 116610 | 106万円 | 300 m (30気圧) | 日付表示 |
パネライ ルミノール サブマーシブル | 約70万円 | 300 m (30 気圧) | 日付、スモール・セコンド |
セイコー プロスペックス マリンマスター スプリングドライブ | 42万円 | 600 m (60気圧) | 日付、パワーリザーブ表示、スプリングドライブ |
ジン U212 | 29万円 | 1000 m (100気圧) | 潜水艦に使用されるステンレス製のケース |
最人気のベストダイバーズウォッチとその価格
ダイバーズウォッチの購入の際には、豊富な種類の中からどのモデルを選ぶべきか、悩まされます。ほぼ全てのある程度名のあるメーカーが、このタイプの時計をラインナップしています。
どのダイバーズウォッチが一番良いか、という問いに答えるのは容易ではありません。最も有名なダイバーズウォッチの一つは、ロレックス サブマリーナでしょう。この時計はステータスシンボルで、資産投資にもなります。日付あり・なしの両モデルが提供されており、素材の選択肢にはステンレス、ホワイトゴールド、イエローゴールド、コンビモデルがあります。モデルによって、価格は約78万円~325万円になります。50年代~60年代初期に製造されていたヴィンテージモデルの価格は、保存状態の良い時計で約1020万円になります。
ブランパン フィフティ ファゾムスは、専門家の間で数十年前からサブマリーナと同等の評判を持つ時計です。
この時計は防水性があるというだけでなく、ダイバーが必要とする特別な要件を満たすように製造されたため、世界初の本物のダイバーズウォッチとされています。このコレクションにも豊富な種類のモデルがラインナップされています。ステンレス製のシンプルな3針モデルは約52万円で、ゴールドケースを持つクロノグラフの価格は約300万円 になります。
オメガ シーマスターとブライトリング スーパーオーシャンも、約60年以来続く大物です。
両シリーズともに様々な異なるモデルが提供されており、そのため価格も上下します。ベーシックなモデルでは約13万円、ゴールドやプラチナ素材の豪華なモデルは約390万円になります。
ドイツ、イタリア、日本のダイバーズウォッチ
ダイバーズウォッチはスイス製のもの以外にもあります。ドイツメーカーであるジンの特殊時計は、この分野で特に高い評判を得ています。中でも人気なのは、潜水艦に使用されるステンレス素材で作られたUシリーズで、これはプロのダイバーにこよなく愛される時計です。価格は約22万円~38万円と比較的手頃です。
日本の伝統的メーカーであるセイコーにも、これと同じことが言えます。特に、プロスペックス コレクションには手堅いダイバーズウォッチが数多く提供されており、コストパフォーマンスも非常に良好です。価格は約6万5千円から提供されていますが、セイコー自社開発のスプリング ドライブを搭載した時計は40万円以上になります。
イタリアを拠点とする高級時計メーカーであるパネライのルミノールは、ポピュラーで有名なモデルです。パネライは既に1930年代から水中で使用できる時計を製造しおり、同社の時計は四角いクッション型のケースと大型なリュウズで目を引きます。この時計は初期にはイタリア海軍のためにのみ製造されていましたが、後に民間の市場でも販売されるようになりました。パネライの時計の中で、潜水用のベゼルを持った本物のダイバーズウォッチはルミノール サブマーシブルのみです。その他の時計には潜水用のベゼルが使用されていません。ルミノールの時計は約65万円~78万円の価格でご購入いただけます。
ダイバーズウォッチにおける耐水性とは?
耐水性は単なる高級志向の補足機能ではありません。水や湿気が時計のケース内に浸入した場合、故障は回避できません。これは、機械式、クォーツ、自動巻き、手巻きなど時計のタイプに関わらず全般的に言えることです。機械式の時計では水がベアリングの滑沢剤を溶かし、これが錆びの原因となります。クォーツ時計は電池や太陽電池が必要であるため、同じく水には弱いと言えます。電化製品は水に接触すると故障します。
ダイバーズウォッチとその耐水性に関して、時計のメーター表記が往々にして誤解を招いています。この表記は、表記されている水深の圧力に時計が耐えられることを意味しています。例えば、30 m防水の時計は3気圧の圧力にまで耐え、これは軽い水しぶきや小雨ほどの値です。水道を大きくひねった場合、水の圧力は3気圧より強くなる場合があるため、洗面所で手を洗う場合にも注意しなければなりません。また、水泳、ウォータースキー、サーフィン、ラフティングなのウォータースポーツを行うには強い耐水性が必要で、最低でも100 m (10気圧) でなくてはいけません。
ダイバーズウォッチにおいては、耐水性を定期的にチェックすることが必要です。特に保証の付いていない中古時計では、購入時に耐水性を確かめることをお勧めします。ダイビング機器としてコンピューターを使用する現在では、ダイバーズウォッチはバックアップでしかありませんが、それでも機能性は確保されていなければなりません。
ダイバーズウォッチの歴史
世界初のダイバーズウォッチはどのモデルだったでしょうか?この難問にはいくつかの異なる回答があります。ロレックスは1926年に、リュウズと裏蓋をネジ止めしてパッキンで密封する方式について、特許を取りました。イギリスの女性スイマーであったメルセデス・グライツが1927年にドーバー海峡を横断泳した際に、彼女はロレックス オイスターを着用していました。これはロレックスの宣伝活動だとも言われていますが、これによりオイスターが長時間に渡り耐水性を持つことが証明されました。
潜水用に開発された初めての時計は、オメガ マリーンです。正方形のケースは大きさの異なる2つの部分を組み立てて構成されています。この構造のため、時計は特に水圧に強いものでした。1937年にオメガ マリーンの耐水性は時計の歴史において初めて公式に検証され、その数値は水深135 mになります。
1950年代には200 mまでの耐水性を持つダイバーズウォッチが登場しました。1953年にロレックス サブマリーナとブランパン フィフティ ファゾムスがデビューしました。この両モデルは現在まで、ダイバーズウォッチと聞いて連想される時計の原型となっています。両時計に、潜水時間を設定できる回転ベゼルが使用されています。サブマリーナとフィフティ ファゾムスのどちらが「本当の」初ダイバーズウォッチであったかは、今日まで議論されるテーマです。1957年、この両モデルに、ブライトリング スーパーオーシャンとオメガ シーマスター300という新しいライバルが登場しました。
水中での作業を必要とする事業が増えるとともに、ダイバーズウォッチの需要が増大しました。石油事業の拡大に伴い、パイプラインや海洋プラットフォーム構築作業が行われるようになったことがこの理由です。また、海軍においても、潜水隊員のため時計が必要となりました。また、その後しばらくすると、ダイビングツアーが大衆の娯楽となりました。ダイバーズウォッチは、機能的な時計であるのに加え、その歴史と共にステータスシンボルとしても見なされるようになり、これが将来にまで続くダイバーズウォッチの魅力でもあります。