“時計コレクターであれば誰もが、世界三大ブランドであるヴァシュロン・コンスタンタン、パテック フィリップ、オーデマ ピゲの時計をいつかは手に入れたいと思っているだろう。彼らの卓越したクラフツマンシップや並外れた時計製造技術、そしてアイコニックなデザイン、ブランドの名声を考えると、二次流通市場で法外な価格がつけられていると考えてしまうのも当然だ。実際にその通りなのだが、探すべきところを抑えておけば、お買い得品も見つけられる。
そこで今回は、150万円の予算で手に入るオーデマ ピゲを紹介したい。どれもエレガントでラグジュアリー、かつクラフツマンシップが感じられる時計だ。ではさっそく見ていこう。”
ヴィンテージ タンク風ドレスウォッチ
“現在ではロイヤル オークとその派生コレクションであるオフショアやコンセプトで知られるオーデマ ピゲだが、かつてドレスウォッチのみを製造していた時代もあった。
ヴィンテージ市場で数多く見られるのが、レクタンギュラーケースを持つドレスウォッチで、カルティエ タンクのようでありながらも、エッジの効いたアヴァンギャルドなデザインに仕上げられている。”
これらの時計は、現在でもトレンドの小型の貴金属製のレクタンギュラーケースに、ユニークな文字盤と精緻な機械式ムーブメントを備えている。価格は約4万5000円~75万円と、かなりお得だ。多くが、約23mm x 30mmというサイズでカルティエ タンクと同じサイズである。やや小さめのサイズでヴィンテージデザインを持つ時計を愛する人にとって、素晴らしい掘り出し物になるのではないだろうか。
このような時計は、オーデマ ピゲが幅広いデザインを持つということを示す一つの例であり、クオーツの世界を掘り下げてみれば、さらに多くの、手頃な価格のモデルに出会える。
スケルトン Ref. 5214
“ヴィンテージのタンク風時計よりずっとレアなものがスケルトン Ref. 5214である。オープンワークの専門技術で有名なオーデマ ピゲは、すべてのコレクションにスケルトン化したモデルを持ち、そのいくつかは高い人気を誇っている。
このRef. 5214は、卓越したクラフツマンシップを反映し、オーデマ ピゲの時計の中でも高く評価されている非常に価値ある1本だ。サイズは32mmと小さめだが、そのラグ幅のおかげで想像以上に手首で存在感を放つ。”
クラシック デイデイト “フクロウ” Ref. 25574
今回紹介する二次流通市場で手頃な価格で手に入るオーデマ ピゲの1本目は、クラシック デイデイト Ref. 25574だ。この伝統的なドレスウォッチの価格は約90万円〜135万円。18Kゴールド製のケースサイズは33mm、エナメル製文字盤はケースに合わせたデザインとなっている。ムーブメントは自動巻きで、ヴィンテージのドレスウォッチのスタイルに現代的な技術が搭載された日常使いに最適な時計である。
また、この時計はインダイヤルが目のように見えるために「フクロウ」というニックネームを持ち、薄くて機能的で、この1年ほどの間に人気が高まっている。特に、時計がどんどん小型化し続ける中、この時計ならトレンドの先取りができる。
クラシック デイデイト ムーンフェイズ ref. 25589
Ref. 25574の兄弟モデルであるクラシック デイデイト ムーンフェイズ Ref. 25589は、同様に薄型の33mm径の18Kゴールド製ケースに、さらに複雑な機構を搭載した、もうひとつの価値あるヴィンテージモデルである。ムーンフェイズ機構を加えたことで、価格は約135万円〜150万円と高くなっているが、徹底的にオーデマ ピゲについて探求したい人にとっては、その価格に見合った価値があると言えるだろう。
エドワード ピゲ Ref. 15015
“オーデマ ピゲ創業者の1人の名前を冠したエドワード ピゲコレクションは、前述したタンク風のレクタンギュラーケースのモデルをモダンにアップデートしたものだ。
前述のものとは対象的に、そのラインはソフトなもので、レクタンギュラーケースは手首を包み込む丸みを帯びた形をしており、ギョーシェ文字盤と若干モダンな自動巻ムーブメントを備えている。1990年代頃に登場したことを考慮すると、歴史的なレクタンギュラー型のモデルよりもかなり大型な27mm x 45mmのサイズである。もちろん、文字通りこれらは価格に反映される。”
18Kホワイトゴールド製のRef. 15015BCは135万円から購入可能だ。手頃な価格のネオヴインテージなオーデマ ピゲのドレスウォッチを探している人にとって完璧な1本だろう。
ユイティーム クロノグラフ Ref. 25644
最後に紹介するのは、今回最も高額なモデルではあるが、それでも150万円以内に収まるものだ。それがユイティーム クロノグラフである。ドレスウォッチとツールウォッチを合わせたかのような、やや折衷的なデザインを持つ貴金属製のこの時計(3針モデルもある)は、ケースサイズは40mmと大型で、ユニークなダブルステップベゼルを備え、それらがこの時計を非常に現代的にしている。
Ref. 25644は、自動巻ムーブメントを搭載し、サイクロップレンズ付き日付窓を持つ。オーデマ ピゲの他の多くの時計とは異なるが、それこそがこの時計のポイントだ。そこまで意外でもないが、Ref. 25644は去年から人気が上がっており、おそらく近い将来、このようなリストに取り上げられることはなくなるだろう。
オーデマ ピゲの魅力
“オーデマ・ピゲの時計は時刻を表示する以上の意味を持つ。その時計は、何世紀にわたり続く歴史や伝統、アイコニックなデザインを持ち、芸術的で卓越したクラフツマンシップを誇る。
しかし、必ずしも驚愕するような値段である必要はない。確かに、ヴィンテージのトロピカルダイヤルを持つロイヤル オーク Ref. 5402に大金を費やすことも可能だが、150万円以下で入手可能なモデルも多数存在する。よく知られたモデル名やリファレンスではないものを探し、オーデマ ピゲというブランドの世界を掘り下げれば、きっとあっと驚くような掘り出し物に出会えるはずだ。”