ブルガリがまたもや、新しいオクト フィニッシモ パーペチュアルカレンダーのリリースをもって世界記録を樹立した。この最新のタイムピースは2014年からの伝統を引き継いだことになる。今日まで、同ブランドは7つのオクト フィニッシモモデルを製造してきた。結果として、このイタリア産ブランドは世界で最も名高い時計ブランドの仲間入りを果たしたのだ。特に、これは技術的に優れていることによるものだけではない。オクト フィニッシモのデザインは業界の未来のアイコン候補として認識されたのだ。
ブルガリにとっては、新しい記録を打ち立てる技術的驚異を毎年披露するのが半ば伝統のようになっている。より具体的には、同ブランドは超薄型ムーブメントを作ることにフォーカスしている。これは2014年、世界で最も薄型の手巻き式トゥールビヨンのリリースから始まった。2015年は1回休んだものの、以来、ブルガリは6年連続で新記録を打ち立てた。2016年は最も薄型のミニッツリピーター、2017年は最も薄型の自動巻時計、2018年は最も薄型の自動巻トゥールビヨン、2019年は最も薄型のクロノグラフGMT、そして2020年は最も薄型のスケルトン化したトゥールビヨン クロノグラフである。
今年はオクト フィニッシモ パーペチュアルカレンダーが全てである。これは世界で最も薄型のパーペチュアルカレンダームーブメントを搭載している。これは2100年2月までそのカレンダーを調整する必要がないということを意味している。そう、この先79年間にもわたって、時刻、日付、年が正しいかどうか心配しなくていいのだ。自分の手首をさっと見れば、全てはそこにきちんと表示されている。
この最高傑作のベースは、おなじみの40mm径オクト フィニッシモで、サンドブラスト加工が施されたチタン製ケースと一体型のサンドブラスト仕上げのチタン製ブレスレットを持つ。文字盤上ではアワーマーカーとセンター針が時刻を表示。しかし、最大の目玉はパーペチュアルカレンダーのレトログラード式の日付表示、うるう年表示、そして曜日と月のサブダイヤルだ。ケース脇のプッシュボタンを使ってこれらの表示を調整することができる。日付用のプッシュボタンは2時位置に、月用のものが4時位置に、そして曜日用のプッシュボタンは8時と9時の間に位置する。
この時計の最も感動的な要素はその自社製キャリバー BVL 305であり、わずか2.75mmという薄さでありながら、これら全てを可能にしているのだ。この素晴らしい時計技術の結晶は、408個のパーツからなり、パワーリザーブは60時間。そしてサファイアクリスタルの裏蓋越しに鑑賞できる。この超薄型ムーブメントのおかげで、この時計は新記録の薄さ、なんとわずか5.80mmなのである。
これらのモデルをチタン以外の素材でも製造できることの証明として、ブルガリは同じ時計をプラチナで、30本限定製造した。このバージョンは、プラチナでできた同じムーブメントと同じスリムなケースデザインを持つ。その上、素晴らしいブルーの文字盤とブルーのレザー製ストラップが備わっている。これにより、この限定版は通常モデルほど未来的なルックスではなく、大いなる気品を放っている。
ブルガリ オクト フィニッシモ 安藤忠雄限定モデル
しかし、オクト フィニッシモラインについて、ブルガリは他にもニュースを持っていたのだ。同社は日本人建築家安藤忠雄との特別なコラボレーションの発表も行った。これは実際には、シンプルさと必要最低限の要素を重視した作品で知られる安藤氏とブルガリとの2度目のコラボである。1作目において、安藤氏は文字盤に同心円を刻むことで時を表現した。このデザインは、そこから時が生まれたブラックホールを象徴しているという。この非常にコンセプチュアルなタイムピースは多くの高い評価を獲得した。
今回の2作目は、またもや非常にコンセプチュアルなアート作品である。これは安藤氏が最初のモデルに用いた三日月コンセプトに基づいて作られた。三日月は月周期の3日目にあたる満ちていく月であり、自然な時の流れを象徴している。地球の影が月を部分的に遮っているために、ごく薄い三日月のみを見ることができる。
私たちが知る限り、人類と自然にとっての時計として、またカレンダーとして、月は常に時刻をはかるのに大きな役割を果たしてきた。日本文化ではこの時間に関わる偶然性を「月」という、暦上の単位である月、また空に浮かぶ月の意味を持つ同じひとつの漢字で表す。夜空に浮かぶ三日月は、暗闇の中の希望の光、そして明るい未来を表現している。
2作目の安藤忠雄限定モデルは、ミニマリスティックなデザインにディープブルーのラッカー仕上げが施された文字盤を持つ。時の螺旋が秒針のたもとから広がり、ゴールドの三日月は5時位置にひっそりと漂っている。文字盤からこの2つのもの以外の一切を排除したことで、安藤氏は彼独自の時の解釈を時計上で表現してみせた。文字盤はブラックのセラミックケースにおさまり、シースルーの裏蓋にはこの建築家のサインが付いている。ブルガリによるこの素晴らしいタイムピースは、わずか160本の限定生産だ。このモデルはオクト フィニッシモがそのオリジナルフォーム以上のものとなり得ることを示している。それはこの安藤忠雄限定モデルのように、コンセプチュアルなタイムピースにぴったりなキャンバスにもなれるのだ。このことは、目を見張るようなブルガリ オクト フィニッシモの無限の可能性を証明した。
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