これまで、どんなスタイルの時計が最も人気が高いのか、それはなぜか、考えたことがあるだろうか?全体的にツールウォッチが最も人気のあるカテゴリーだということは周知の事実である。ツールウォッチは、実用性を重視して作られており、様々なシチュエーションや服装にも合う、信頼できるタフなデイリーウォッチである。なかでも、一番人気は、疑いなくダイバーズウォッチだ。
ダイバーズウォッチがここまでの人気を誇る理由は何だろうか?まずはそのスタイルに注目したい。視認性に優れた特大のアワーマーカーや大型の針など、ダイバーズウォッチのデザインには愛されポイントがたくさんある。ほぼ全てのダイバーズウォッチに見られる回転ベゼルと60分のダイビングスケールは、身に着けているとつい触れたくなるという特徴的なパーツだ。もちろん、こういったダイバーズウォッチを着けて実際にダイビングに行く人は少ないが、その頑丈さと防水性は、品質と同じように優れており、好んで着けたい日常使いの時計にしてくれる。それでは、現在市場で購入が可能なダイバーズウォッチの中から、おすすめの10本を見ていこう。
- ロレックス サブマリーナ
- ブランパン フィフティ ファゾムス
- オメガ シーマスター プロフェッショナル ダイバー 300M
- パネライ ルミノール
- オリス アクイス
- ドクサ サブ 300
- チューダー ブラックベイ 58
- セイコー プロスペックス SPB143
- ブライトリング スーパーオーシャン
- ロンジン レジェンド ダイバー
1. ロレックス サブマリーナ
1953年に初めて製造されたロレックス サブマリーナ。1954年に公式に世に送り出されて以来、サブマリーナのデザインはダイバーズウォッチの基準となった。ねじ込み式リューズ付きのオイスターケースと、100m(10気圧)の防水性、ブラックの回転式ダイビングベゼル、潜水時間を記録する60分目盛、常に時刻を確認できる夜光塗料が塗布された大型のインデックスと針が備えられたブラックの文字盤、ステンレススチール製ブレスレット、これら全てが合わさって、サブマリーナのアイコニックな外見が作り上げられている。
1962年、サブマリーナ Ref. 6538は『ドクター・ノオ』でジェームズ・ボンド役を演じたショーン・コネリーの手首を飾った。そして1969年、ロレックスは、日付窓と今では有名なサイクロップレンズを備えた初のサブマリーナを発表。その後続いた何十年もの間、サブマリーナのデザインは、ほんの少ししか変わってない。時計業界のスタンダードとなった美しいデザインを大幅に変える必要はない、ということは大いに納得できる。最新世代のサブマリーナには、新たに41mm径のケースとムーブメントが採用されている。しかし、そのアイコニックなデザインは変わらないままで、1953年に作られたサブマリーナを思い出させてくれる。ロレックス サブマリーナが常に最も人気のダイバーズウォッチであり続けることに何ら不思議はないだろう。
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2. ブランパン フィフティ ファゾムス
ロレックス サブマリーナはダイバーズウォッチたるものを定義したかもしれないが、実は世界初のダイバーズウォッチではなかった。その名誉は、今年生誕70周年を迎えるブランパン フィフティ ファゾムスのものだ。1953年、ブランパンはフィフティ ファゾムスを初のモダンなプロ用ダイバーズウォッチとしてリリースした。この時計は、ロベール・マルビエとクロード・リフォの2人のフランス海軍士官が、プロ用ダイバーズウォッチに必要なスペックのリストを作ったことから生まれたものだ。
その結果が、回転式ベゼル、5分間隔に配置された夜光塗料が施された目盛、そして最大91.45mあるいは50尋(ひろ=ファゾム)の防水性を備えた革命的な時計だった。1980年代にフィフティ ファゾムスは生産終了となったが、2003年に輝かしいカムバックを果たしている。それ以来、この時計はブランパンのラインナップの一部であり続けている。今日、フィフティ ファゾムスは時計業界のアイコンとして見なされていると言えるだろう。
3. オメガ シーマスター プロフェッショナル ダイバー 300M
オメガのシーマスター プロフェッショナル ダイバー 300Mもまた、「ボンドウォッチ」として多くのファンに知られている。この時計が初めて発表されたのは1993年ではあるが、初めてボンド映画に登場したのは1995年のピアース・ブロスナン主演の『ゴールデンアイ』であり、象徴的なステータスを勝ち取ることとなった。
それ以来、ヘリウムエスケープバルブ、特徴的な90年代風のベゼル、印象的な波型模様の文字盤を持つこの時計は、オメガのヒット作となっている。2012年にリリースされた3代目には文字盤の波型模様がなかったが、その模様は6年後、この時計の生誕25周年を記念して発売された現行のシーマスター 300Mとともに戻ってきた。そして同時に、新しい自社製ムーブメント、セラミックベゼルインサート、そして若干大型のケースも採用された。こういったアップデートはあるものの、この時計は90年代に大きなブレイクを果たしたボンドウォッチと変わらず同じものである。
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4. パネライ ルミノール
パネライについて言うなら、ルミノールかラジオミールどちらを選ぶのか決めなくてはいけない。どちらもこのブランドを表現する完璧なモデルだ。今回はクラシックなルミノールとそのアイコニックなデザインを紹介したい。ルミノールの歴史は、1900年代初め、パネライはイタリア海軍、レジャ・マリーナ(イタリア王立海軍)のための時計と計器を製造し、その時計を軍の潜水部隊員たちに支給し始めたことに始まる。
今や象徴的と言えるリューズガードを備えた初のパネライ ルミノール(Ref. 6152/1)が誕生したのは、1960年代初め。この時計は、1993年に初めて一般向けに発売されたルミノールのインスピレーションとなった時計である。そして、シルヴェスター・スタローンが映画で着用したことで、大型サイズのダイバーズウォッチの需要は急上昇した。ユニークなフォルムのケース、サンドイッチダイヤル、夜光塗料が塗布された特大のアワーマーカーを備えたこの時計は、現在では一目でそれとわかる時計業界のアイコンとなっている。
5. オリス アクイス
スイスブランドのオリスには、高い人気を誇る2つのダイバーズウォッチがある。ヘルシュタイン エディションはダイバーズ 65のレトロな魅力をインスピレーションとしたもので、アクイスは、オリスのモダンで有能なダイバーズウォッチであり、日常使いの時計として多くの時計ファンに愛されている。アクイスには、スタンダードサイズの39.5、41.5、43.5mmの他に、女性向けの小型な36.5mmバージョンがあり、さまざまなカラーで展開されている。サイズの他にも、自社製キャリバー 400を搭載したスタンダードなアクイス デイトバージョン、あるいはセリタ製キャリバーを搭載したより手頃なバージョンがあるので、そこもチェックするのもお忘れなく。
オリスは、GMTバージョン、デプスゲージバージョン、特別なアーティストによるリミテッドエディション、そして最近リリースされたばかりのアクイス プロ 4000Mなどさまざまなモデルのアクイスを提供している。アクイス デイトは素晴らしいコストパフォーマンスを誇り、そのアイコニックなデザインで、市場で最も知られているモダンなダイバーズウォッチのひとつとなっている。
6. ドクサ サブ 300
時計業界のアイコンダイバーズウォッチと言えば、ドクサ サブ 300を抜かすことはできない。この時計は、独特な形のケース、ボックス型の風防、鮮やかな文字盤カラーを持つルックスが特徴で、見間違うことはまずない。オリジナルのサブ 300は1966年までさかのぼり、その明るいオレンジの文字盤カラーとベゼル上の減圧テーブルで話題をさらった。
伝説的な探検家、ジャック・クストーと海洋調査船カリプソ号のクルーは、航海中何年もの間、ドクサ サブ300を愛用していた。このようにプロフェッショナルたちに愛用されたストーリーやその特徴的なデザインから、長年ファンのお気に入りであり続けてきた。サブ 300は数多くの種類の明るい文字盤カラーと、それに合わせるラバーストラップを選ぶことができる。また、ヴィンテージの魅力を追加する象徴的なビーズ・オブ・ライスブレスレットも提供されている。サブ 300は時計仲間の間でも、真に際立つ時計だろう。
7. チューダー ブラックベイ 58
チューダーは今回のおすすめ10選に入るだろうさまざまなダイバーズウォッチを作っている。なので、この記事を読んだら、チューダーのダイバーズウォッチ全コレクションをチェックするのを忘れないで欲しい。きっとお気に入りに出会えるだろう。スタンダードなブラックベイからブラックベイ 54、ブラックベイ 58、そしてペラゴス、ペラゴス FXD、ペラゴス 39まで、ぴったりなものが見つかるはずだ。
数あるチューダーのダイバーズウォッチの中でも、発売と同時に時計ファンを虜にしたダイバーズウォッチは、ブラックベイ 58だった。ヴィンテージ風のデザインで、通常のブラックベイよりも薄型の39mm径ケースが備わっている。初めのブラックバージョンの後で、フランス海軍にインスパイアされたブルーバージョンがリリースされ、シルバー、ゴールド、ブロンズバージョンが続いた。興味深いことに、多くのファンに愛されるチューダーの主力ダイバーズウォッチとなったのはステンレススチールバージョンだった。
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8. セイコー プロスペックス
素晴らしいダイバーズウォッチを提供するブランドといえば、もちろん、セイコーだ。プロスペックスシリーズには、1960年代、70年代の同ブランドの定番からインスピレーションを得た一連のダイバーズウォッチをそろえているが、アップデートされたデザインと現代のテクノロジーが搭載され、優れたモダンなダイバーズウォッチとなっている。ファンの間で最も高い人気を誇るもののひとつが、もとは1965年にリリースされた同社初のダイバーズウォッチ、62MASから着想を得たセイコー プロスペックス SBDC101である。
この時計の現代版として、セイコーはケースを40.5mmにサイズアップし、新しいムーブメントを搭載したが、ひと目でわかる62MASの外観とスキンダイバー風のケース、大きな長方形のアワーマーカー、ソード針は変えなかった。加えてファンの間では、どんなストラップにも似合う「ストラップモンスター」として知られている。
9. ブライトリング スーパーオーシャン
1950年代に初めてのダイバーズウォッチを発表したもうひとつのブランドが、1957年にスーパーオーシャンをリリースしたブライトリングである。スーパーオーシャンは今日でも同ブランドのカタログの一角を占めている。さらに、現在ブライトリングは初代モデルの現代版であるスーパーオーシャン ’57をスーパーオーシャン ヘリテージコレクションで展開している。また、ブライトリングの通常のスーパーオーシャンコレクションには、ブランドの1970年代のRef. 2005 Mk2 スーパーオーシャンからインスピレーションを得た一連のダイバーズウォッチがそろっている。
現代版には男性向けの42、44、46mm径、女性向けの36mm径モデルがあり、さまざまな文字盤カラーと、ラバーストラップあるいはステンレススチールブレスレットから選択できる。現行のスーパーオーシャンは、ブライトリングのレトロ風のルックスがこれまでと同じように人気であり、さまざまなスタイルやシーンにフィットする非常に有能なデイリーウォッチであることを証明している。
10. ロンジン レジェンド ダイバー
このおすすめリストの最後を飾るのは、定番のロンジン レジェンド ダイバーだ。この時計はみんなが持っているような普通のダイバーズウォッチのように作られていないという点で、際立った存在である。そのデザインは同ブランドから1961年に発表されたスーパー コンプレッサーにさかのぼる。その時計は、より深いところへ潜れば潜るほど、よりタイトに密閉されるという密封技術を採用していた。加えて、アクリル製風防の下に回転式のインナーダイビングベゼルを備えており、ケース右側にある2つ目のリューズで操作することができた。
アイコニックなケースデザインは、いまだに現行のロンジン レジェンド ダイバーのベースとなっており、特徴的なツインリューズもまた健在である。スーパーコンプレッサーケースは従来のケースに置き換えられたものの、変わらない素晴らしいルックスを誇る。この時計は36mmと42mm径、そして多様な文字盤カラーとストラップで展開されている。クラシックな装いがお好みなら、メッシュブレスレットがおすすめだ。ロンジン レジェンド ダイバーはその個性的なデザインで、なぜファンにこれほど人気があるのかを示している。
ダイバーズウォッチは最も人気の高い時計カテゴリーであり、このリストにあるもの以外にもたくさんの選択肢が存在する。ただひとつ確かなことは、所有者がたとえそれをどこで着けていようとも、ダイバーズウォッチは常に手首の上でシャープに映えるということだ。