2017年05月06日
 6 分

スペシャルヴィンテージ時計: ホイヤー オータヴィア

Bert Buijsrogge
スペシャルヴィンテージ時計: ホイヤー オータヴィア
スペシャルヴィンテージ時計: ホイヤー オータヴィア

1933年、ホイヤーはダッシュボードに置く最初の計器として「オータヴィア」を発表した。発表当時、この時計はレーシングカーと飛行機用に設計された。オータヴィアの名前は「自動車」を意味するAUTomobileと、「飛行機」を意味するAVIAationを組み合わせてできている。1962年にクロノグラフ時計として販売されるまで、オータヴィアはそれほど時計市場には登場しなかった。その当時、50年後にこのモデルが多く求められ、ヴィンテージ時計の世界ではコレクターズアイテムになると誰も想像できなかったであろう。

ホイヤーは、早い段階でストップウォッチとクロノグラフ時計を製造する大手ブランドとなった。その機能性が買われ、レーシングドライバーの間で人気があった。1962年にオータヴィア・クロノグラフが市場で販売された際は、時計の構成によってバルジュー72または92のムーブメントが搭載されていた。バルジョー723つ、そしてバルジョー922つのサブダイヤルを搭載している。両方のムーブメントは手巻き式で、発売当時はとても人気があった。このムーブメントはまた、その他多くのブランドからも扱われていた。

Heuer Autavia Chronograph 1163
Heuer Autavia Chronograph 1163, 写真: Balazs Ferenczi

何年にも渡り、オータヴィアの更なるバリエーションが設計されていった。そして、それが時計愛好家がとても興味を持つ要因である。始めは手巻きクロノグラフとプレキシガラスから始まり、次第に完全自動巻とミネラルガラスへと進化していった。この記事では、あなたにふさわしいと思えるリストと共に、有名なモデルをいくつか紹介していく。

Heuer Autavia, Image Christopher Beccan
Two-Register Heuer Autavia, 写真Christopher Beccan

最初のオータヴィアは、スクリューケースバック、ブラックダイヤル、ホワイト・サブダイヤル、そしてドーフィン針で構成された自動巻クロノグラフだった。この時計は直径38.3mmあり、ラグからラグは47.6mm、そしてストラップは19mmのサイズであった。60年代後半には、ケースサイズが38.8mmから47.9mmと多少大きくなったが、厚さは0.1mm増えただけで、13.4mmから13.5mmとなった。時間が経つにつれ、徐々にドーフィン針からもっとモダンなバー針に変更されていった。

その後、ケースの直径は40mmへと大きさが変わり、ラグからラグまでの長さも48mmと変わった。そして、ストラップサイズは20mmまで増えた。手巻きで可動するのは変わらなかったが、ケースバックがねじ込み式からはめ込み式へと変更された。このようなモデルは、コンプレッサーとも呼ばれている。このシリーズから、最初のシルバーダイヤルとブラック・サブダイヤルが登場した。これは1968年から1971年の間に製造されていた。60年代後期には、オータヴィア GMTが、大きめのコンプレッサーはめ込み式、またはねじ込み式ケースバックで提供されていた。そして両方のクロノグラフ共に3つのサブダイヤルが備えられていた。

最初の自動巻きオータヴィアは、1969年に市場に登場した。これもまた42.3mmと大きめなケースで提供されていたが、このサイズは当時とても大きいものと捉えられていた。他の新たな要素は、典型的な70年代風にデザインされたケースだ。数年後、再度これらのモデルは手巻き式としても発売された。しかし、1974年をもってオータヴィアの全てのモデルは、自動巻きムーブメントを搭載するようになる。

Heuer Autavia, Image Christopher Beccan
Heuer Autavia, 写真Christopher Beccan

これらの時計は最初のオータヴィアのように、いつもコレクションに存在していたホワイト・サブダイヤル搭載のブラックダイヤルを備えている。それとは別に、ホワイトまたはシルバーのダイヤルにブラック・サブダイヤルが備えられているモデルもいくつかある。ブラック、グレー、またはその両方のカラーで提供されているモデルは、少ない本数で限定製造された。その中でも最も稀なモデルは、非対称ダイヤルが備えられたキャリバー15 オータヴィアだ。

ホイヤーのオータヴィアのベゼルは、数多くのバリエーションで提供されているため、この時計を様々な機会に着用できる。第2タイムゾーンの時間を設定できる12時間表示ベゼル、一定の時間を測ることのできる60分ベゼル、そしてアワーとミニッツベゼル両方が備えられたものがある。定番であるレッドとブルーのGMTベゼルは、第2タイムゾーンを表示するための24時間のインデックスと共に備えられている。ダイビングベゼル、さらにはタキメーターベゼルでも提供されている。タキメーターは平均速度を計測できるため、主にモータスポーツで使用される。

宣伝用に開発されたヴァイスロイ オータヴィア

オータヴィアを検索すると、必ず目にするモデル名がある。それは、ヴァイスロイだ。この特別モデルは、当時わずか1万円弱で販売されており、約22500円した標準モデルに比べてかなりお得であった。この時計を手に入れるためには、ヴァイスロイタバコのパッケージの折り返し部分を郵送で応募するだけでよかった。特別モデルのベゼルには、タキメータースケールが用いられた。ホイヤーはこのモデルを、宣伝販売が終了した後も製造し続けた。

オータヴィアには、当初約12000円の値段がつけられていたが、それも多く変わった。人気ある多くのヴィンテージ時計と同様に、需要が高くモデル数が希少になると値段は上がる。オータヴィア時計のオークション価格は、他のブランドによるクロノグラフに比べるとそこまで膨大ではないが、最近では第一世代のホイヤー時計に1000万円以上の価格が付けられたこともある。

オータヴィア カップ

New TAG Heuer Autavia, Image: TAG Heuer
New TAG Heuer Autavia, 写真: TAG Heuer

ホイヤーのオータヴィアが最後に製造されたのは1985年であったが、多くの時計愛好家たちは50周年記念となる2012年に、何か特別なことが起こらないか待望していた。その願いは叶わず、タグホイヤーはこのアイコニックな時計の新モデルを発表するまで、それから5年かかった。タグホイヤーは、ファンの要望を調査するためにオータヴィア カップというオンライン投票を行った。それにより、ファンが最も好むバージョンを再度発表することができた。合計2回の投票を通し5万を超える票が投じられ、最終的に1966年のオータヴィア「リント」が選ばれた。ヨッヘン・リントは、F1チャンプとして讃えられたレーサーで、このモデルを決まって着用していた。この新モデルは、バーゼルワールド 2017でようやく発売されることとなった。

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New TAG Heuer Autavia Calibre Heuer 02


記者紹介

Bert Buijsrogge

"以前は15年間不動産に勤めていましたが、ここ数年間で趣味の時計が仕事になりました。時計には思春期の頃から興味を抱いていましたが、20代初期にヴィンテージのロ …

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