2021年10月08日
 8 分

サブマリーナよりも安い価格で優れているダイバーズウォッチ 3本

Donato Emilio Andrioli
Rolex-Submariner-Magazin-2-1

ロレックス サブマリーナは史上最もアイコニックで人気の高い時計の1つ。サブマリーナをコピーした時計は数多く存在する。しかし、この伝説的ダイバーズウォッチが現在達している価格は、かつてないほどに高騰している。現行リファレンスの価格はすでに190万円を超えており、すべての時計愛好家にとって手の届く代物ではなくなってしまった。そのため、本記事ではロレックス サブマリーナよりも手頃で、さらには少々優れている部分もある3つの時計を紹介したい。 

サブマリーナの最新リファレンスの市場価格はすでに190万円を超えている。
サブマリーナの最新リファレンスの市場価格はすでに190万円を超えている。

オメガの伝説的ダイバーズウォッチ

ロレックス サブマリーナに代わる選択肢について語るのであれば、このダイバーズウォッチは絶対に欠かせない。筆者の意見では、オメガ シーマスター 300mはロレックス サブマリーナが提供するあらゆる品質だけでなく、それ以上のものも備えている。個人的には、サブマリーナと同じく、約70年にわたる歴史の中で用心深く慎重にしか変更が加えられなかったことは素晴らしいと思う。これはサブマリーナが大きな成功を収めた理由の1つでもあるが、同時に多くの時計愛好家にとって最大の欠点ともなった。何十年も変わらないサブマリーナのどちらかといえば保守的なデザインに、多くの時計着用者は飽きてしまったのだ。 

ボンドウォッチとして有名になったオメガ シーマスター 300mは、最新のリファレンスで以前と比べてまったく新しい印象を纏っている。この時計の非常に独特で新鮮なデザインは、他のダイバーズウォッチではまず見られないだろう。人気のダイバーズウォッチにこのような変更を加えたオメガの勇気には感服する。レーザー加工された波模様を持つセラミック製文字盤は3Dアニメーションのような印象を与え、催眠に誘う静寂を放っている。さらに、オメガ シーマスターは高精度のMETAS認定ムーブメントを搭載しており、このムーブメントはサファイアクリスタルケースバックを通して眺めることができ、最大1万5000ガウスの耐磁性能を持っている。これはサブマリーナによって提供されていない機能だ。ケース、ブレスレット、クラスプの全体的な品質も非の打ち所がない。個人的にシーマスター 300mにはラバーストラップが最もよく似合うと思っているが、ブレスレットの便利なダイバーズエクステンションも捨て難いので、ラバーストラップは追加で購入することをおすすめする。この時計の小さな欠点はベゼルの動きである。これは完璧とは言い難く、ロレックス サブマリーナと比べて触り心地も音もいまいちなのだ。それでも、オメガ シーマスター 300mは現在買うことのできる時計の中で、おそらくサブマリーナに代わる最高の選択肢といえるだろう。そして、この時計は約65万円から見つけることができるのだ。 

オメガ シーマスター 300mはサブマリーナよりも安いが、その人気は劣ることなく、独特のデザインでファンを惹きつけている。
オメガ シーマスター 300mはサブマリーナよりも安いが、その人気は劣ることなく、独特のデザインでファンを惹きつけている。

チューダーの現代版「ヴィンテージ サブマリーナ」

すべての時計ファンを満足させることは決してできない。定番のサブマリーナデザインに飽きてしまった人もいれば、現代的な6桁のリファレンスはごつすぎるという人もいる。用心深く、デザインへの忠実さを維持しながらも、ロレックスは時流に合わせて、2010年にサブマリーナをこれまでになかった方法でモダナイズし、「マキシケース」と「マキシダイヤル」、そして新しくより力強い印象を取り入れた。オリジナルサブマリーナの多くのファンは、今日に至るまでこの変化を残念に思っている。その批判に応えて最新のリファレンスではケースが再びスリムになった。しかし、多くのロレックスファンにとっては残念なことに、6桁リファレンスの到来によって、サブマリーナのツールウォッチ的性格とダイバーズウォッチの魅力がより豪華な外観のために犠牲となってしまった。 

筆者と同じ意見を持っているのであれば、チューダー ブラックベイ 58はより手頃なだけではなく、ロレックス サブマリーナよりも優れた別の選択肢となるだろう。この時計はかつてのサブマリーナリファレンスが持っていた魅力を今でもすべて備えている。チューダー ブラックベイ 58はスリムで端正な39mm径のケース、および昔のサブマリーナリファレンスを彷彿とさせる形状と仕上げを備えており、戻ることのできない過去へのオマージュが込められている。それどころか、かつてのサブマリーナリファレンスでは一般的であったのと同じように、ケースやラグの斜角面には対角線状の仕上げが施されていて、ラフなマットブラックの文字盤とアルミベゼルは、昔のサブマリーナを好むファンが強く望んでいた通りの道具的なルックスを生み出している。しかし、機能性は最先端で、70時間のパワーリザーブと200mの防水性を持つ自社製キャリバーが、ブラックベイ 58を最高のデイリーウォッチに仕立て上げている。客観的に見て、ブラックベイ 58はもちろんロレックス サブマリーナよりも優れているわけではなく、多くの細部において最後の詰めが甘いと言わざるを得ない。チューダー ぺラゴスは他にはないフォールディングクラスプと最大500mの防水性を備えており、技術面ではロレックス サブマリーナよりも優れているが、筆者がここでぺラゴスを選ばなかった理由は、どちらかというとシードゥエラーに代わる選択肢として見ているからである。技術的には最先端でありながらも、デザインは昔のサブマリーナリファレンスに近いダイバーズウォッチをお望みであれば、チューダー ブラックベイ 58がぴったりの時計であるに違いない。ブラックベイ 58は65万円以下で手に入れることができる。 

まるで最先端の機構を備えた5桁のサブマリーナリファレンス ― チューダー ブラックベイ 58
まるで最先端の機構を備えた5桁のサブマリーナリファレンス ― チューダー ブラックベイ 58

サブマリーナの価格帯におけるイタリア製高級時計

自分へのご褒美に高級時計を買うとしたら、もちろんその時計はある程度特別である必要がある。他人が同じ時計を身に着けている姿を度々目にするとしたら、おそらく快くは思わないだろう。これは多くの時計ファンにとってロレックス サブマリーナの大きな欠点である。この伝説的ダイバーズウォッチにとって、高いステータスと知名度がここで障害となるのだ。サブマリーナが有名でいつの時代も色あせないことによって、時計を趣味とせず、単に一生モノの時計を探しているような人々でも物欲も掻き立てられることになる。さらに、サブマリーナは世界で最もコピーおよび模造されている時計でもある。そのため、この時計は比較的頻繁に日常で目にすることになる。1本の時計がサブマリーナのように愛され、有名になれることは素晴らしいと思うが、この事実を不快に思う気持ちもよく分かる。 

そのため、あなたがより特別な時計を望むならば、パネライ サブマーシブル Ref.PAM00683をぜひ一度見てみるべきだろう。パネライという名前から、アクションスターしか身に着けられないような非常に大型な時計を想像したならば、その心配は無用である。パネライ サブマーシブルのケース径は42mmで、手首に非常にきれいに収まる。筆者は去年この時計を試着することができた際に、自分自身でこの時計の素晴らしさを実感した。全般的なデザインは非常にユニークで、ロレックス サブマリーナとはまったく異なっている。この時計をよく見ると、パネライがダイバーズウォッチの長く広範な歴史を持っていることが分かる。とりわけ、時計の道具的な性格によって表現されている堅牢性は素晴らしい。サブマーシブルは完璧な視認性、独自のデザインを持つセラミックベゼル、特徴的なパネライのデザインと最大300mの防水性を持つ頑丈なケースなど、ダイバーズウォッチに望むすべてを備えている。日付表示は3時位置に配置されており、秒はインダイヤルによって表示される。これはダイバーズウォッチには珍しいが、個人的には気に入っている。自動巻きキャリバーP900は自社製ムーブメントで、サブマリーナと同じく70時間のパワーリザーブを備えている。サブマーシブルは、とりわけあまり他人が身に着けていない少々特別な時計を探している人に対して、サブマリーナに代わる素晴らしい選択肢を100万円以下で提供している。 

パネライも同じく長く広範なダイバーズウォッチの歴史を持っている。パネライ サブマーシブル PAM00683もその歴史の一部なのだ。
パネライも同じく長く広範なダイバーズウォッチの歴史を持っている。パネライ サブマーシブル PAM00683もその歴史の一部なのだ。

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記者紹介

Donato Emilio Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

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