ハロウィンは古代ケルト文化にその起源を持っているが、現在は世界中の広い地域で人気のお祭りとなっている。子供と一緒にお菓子をねだりに行くか、または衣装に身を包んでドアのチャイムを鳴らす訪問者にキャンディーを与えるかに関わらず、あなたはこの機会にふさわしい時計を手に入れたいと思っているかもしれない。そして、ここでは骸骨や蜘蛛が付けられたギミックな時計ではなく、鬼火のようなジャック・オー・ランタンに似合うオレンジ色の高級時計を取り上げていく。しかし、正真正銘のオレンジ時計を見つけるのは簡単ではない。確かにオレンジ色のアクセントを持つクロノグラフは多くあるが、オレンジ色のコンポーネントが基調となっている時計はほとんど存在しないのだ。今回、私たちはそのような珍しいオレンジ色の時計を探し、その中でもハロウィンにぴったりな興味深いモデルを選び出した。
話を先に進める前に、オレンジ色を日常的に使用する時計に選ぶ人は字ほとんどいな、ということをはっきりしておきたい。この明るい色彩は時計にスポーティーな印象を与え、大抵の場合フォーマルな場面には適さない。多くのダイバーズウォッチとスポーツクロノグラフは、背景のブラックまたはホワイトの文字盤に映えるオレンジ色の要素を備えている。しかし、このリストでは正真正銘のオレンジ時計として認められる時計だけに焦点を当てた。
ドクサ サブ 300
ドクサ サブ 300はオレンジ色の文字盤を持つ時計として有名なだけではなく、世界初の専用スポーツダイバーズウォッチでもある。ドクサはサブ 300を1966年のバーゼルワードで発表した。それは、ドクサ時計師のチームが、アマチュアもプロダイバーも使用できる手頃なダイバーズウォッチを製造するために、プロダイバーと共に数年もの歳月を費やした賜であった。彼らは最終的に明るいオレンジ色の文字盤を選択したが、その理由は暗い水中でも保たれる高い視認性であった。この文字盤色は多くの意図的な選択の1つであり、サブ 300を時計業界のアイコンに仕立て上げた。
映像作家であり探検家のジャック＝イヴ・クストーと彼のチームは、サブ 300を多くの水中探査において使用し、それによってこの時計は広く知られるようになった。サブ 300は1975年に公開された映画『コンドル』のロバート・レッドフォードや、クライブ・カッスラーによる小説シリーズのダーク・ピットが身に着ける時計でもあった。発売以来、サブ 300は時計ファンの中で非常に高い人気を誇っている。試しに、ドクサ サブ 300 プロフェッショナルの50周年記念エディションまたはヴィンテージモデルを探してみてほしい。これらの時計を見つけることはおそらく非常に難しいだろう。しかし、うれしいことにドクサ サブ 300Tの最新モデルの外観はオリジナルモデルとまったく同じであり、このモデルはまだ2019年9月に発売されたばかりだ。ドクサ サブ 300がどのようなコレクションにとっても価値ある追加であることは間違いない。とりわけ、あなたがハロウィンに最適な時計を探しているとしたら。
オメガ シーマスター プロプロフ 1200M
オレンジ時計のリストに、オメガ シーマスター プロプロフ 1200Mを欠かすことはできない。プロプロフはもう1つの時計界の伝説である。初代プロプロフは1971年2月に発表されたが、発売され始めたのは同年の4月になってからであった。1960年代後半に水中探査や海底油田の掘削のブームが起こり、それによって丈夫なプロ用ダイバーズウォッチの需要が高まった。さらに、より多くの人々が趣味のスキューバーダイビングを含む水中アクティビティを楽しむようにもなった。それに対するオメガの反応は、非凡なデザインと極めて高い機能性を持つ時計、プロプロフであった。
現在のプロプロフは正式にはオメガ シーマスター プロプロフ 1200Mとして知られている。そして、この時計の2つのモデルが人目を引くオレンジのエレメントを備えている。1つ目は、オリジナル プロプロフのアップデートモデル。これはオレンジのベゼル セキュリティ プッシャー、白とオレンジの分針、オレンジのラバーストラップを備えている。このモデルを手に入れたいのならば、すぐに行動したほうがいい。なぜなら、オメガはステンレスモデルの製造を終了しようとしているからだ。オレンジの要素を持つもう1つのモデルはチタニウム製で、明るいオレンジのセラミックベゼルリングとオレンジのベゼル セキュリティ プッシャーが組み合わせられている。両モデルともにクラシックモデルの現代的解釈であり、秋にぴったりの選択肢と言える
オリス クロノリス リミテッドエディション
興味深いオレンジ色のアクセントを持つクロノグラフもいくつかある。1970年代、オリスは数々の美しいレーシング クロノグラフを製造した。それは1970年代に当時人気があった形のオーバルケースを持つ時計から始まった。オリジナル オリス スター クロノリスのもう1つの特徴は、対照的なオレンジの要素を持つブラックの文字盤である。これらの同じディテールは、クロノリス時計の現行ラインナップにおいても見ることができる。
オリスは同メーカーの最も人気の高いクラシックモデルの再リリースで有名である。オリス ダイバーズ 65やビッグクラウン コレクションは、オリスがレトロとモダンの完璧なバランスをどのように見つけているかという優れた例である。上記のように、現在のクロノリス コレクションはその起源を1970年に辿ることができる。2018年に発表されたクロノリス リミテッドエディションは、このコレクションの初期モデルの直系機で、オレンジのディテールを含む多くのデザイン原理を踏襲している。しかし、オリスはこのモデルを200本しか製造しなかったため、この時計が見つかるまでには長い時間を要することだろう。もしこの時計を見つけたら、70年代の魅力を感じさせるステンレスブレス付きモデルをおすすめしたい。このモデルはこの記事で紹介している他のモデルよりもおとなしく、ハロウィンに似合うより控えめな選択肢となっている。
この記事では3つの時計しか紹介できなかったが、例えばホイヤー オータヴィア オレンジボーイ、ブライトリング スーパーオーシャン オレンジ、ロレックス ミルガウス、ベル＆ロス BR 03-94 エアロ GT、パテック フィリップ アクアノート・クロノグラフ、オメガ シーマスター プラネットオーシャンなど、オレンジ色の時計は他にもたくさんある。これらの時計はデザインにオレンジ色が取り入れられた例の一部であり、ハロウィンや秋の装いをより演出してくれるタイムピースなのである。
