パテック フィリップの時計に代わるものを見つけることなど、本当に可能なのだろうか？このブランドは多くの人から時計作りの最高地点だと考えられている。そのために、近年、同社の人気モデルの価格は高騰してきた。特に、有名なノーチラスやアクアノートの価格は天文学的な数字になってしまった。多くのリファレンスの価格が下がってはきたものの、それでも通常の小売価格よりもはるかに高いのだ。現在、多くのアクアノートモデルの市場価格はブランドの希望小売価格の2倍であり、代替モデルを探そうという気にさせてくれる。この記事では、ステンレススチール製パテック フィリップ アクアノート 5167Aに代わるトップ5のモデルをご紹介しよう。 5167Aは、スタンダードな日付＆時刻表示のアクアノートで、ブラックのラバー製ストラップと、ステンレススチール製ブレスレットが備わっているものだ。では、前置きはこれくらいにして、早速見ていこう。
ピアジェ ポロ デイト ブラック
ピアジェは非常に評価の高いブランドで、ピアジェ ポロ デイトはパテック フィリップ アクアノートに似ている時計である。2016年にリリースされたポロ Sの後継モデルで、Watches & Wonders 2022期間中に発表された。実際にはモデルの名前以外には特に変更されていない。ピアジェ ポロの名の歴史は、同ブランドが初めてのポロをリリースした1979年にまでさかのぼる。2016年にその名前が再び現れたとき、新しいポロ Sを見て多くの時計ファンが嬉しい驚きを覚えたものだ。
そのデザインは明らかに、ノーチラスやロイヤルオークなどのモダンラグジュアリースポーツウォッチからインスピレーションを得ている。間違いなくこのカテゴリーに当てはまるものの、ポロ デイトは、直径42mmでありながら厚さ9.4mmというスリムなステンレススチール製のクッション型ケースを持つ、素晴らしいモダンスポーツウォッチとしての独自のポジションを時計業界内に築いた。ケース内部には、50時間のパワーリザーブを誇る自社製キャリバー1110Pが搭載されている。ポロ デイトは、ブラックの文字盤にラバーストラップまたはステンレススチール製ブレスレット、あるいはブルーの文字盤にステンレススチール製ブレスレットまたはレザーストラップというバリエーションから選ぶことができる。
ウブロ クラシック・フュージョン
2番目は、高い人気を誇るウブロ クラシック・フュージョンだ。クラシック・フュージョンはウブロのすべての始まりとなった時計である。同社はつい最近、1980年の初代クラシック・フュージョンをベースにした現代版、クラシック・フュージョン オリジナルをリリースした。このモデルは何年もの間、ウブロのコレクションの一部を占めてきたものの、初代クラシック・フュージョンの最新バージョンを見ると、創設者のカルロ・クロッコがラバーとゴールドなどの高級素材の組み合わせに素晴らしいビジョンを見出したことがわかる。彼はこの組み合わせを誰よりも先に取り入れ、当時は多くの人が眉をひそめたものだったが、過去40年の間にこれは時計業界のスタンダードとなった。
通常の3針のクラシック・フュージョンと、新しいクラシック・フュージョン オリジナルのどちらも、アクアノートにとって代わる完璧でスタイリッシュなモデルである。通常のチタン製クラシック・フュージョン 42mmはアワーマーカーの付いた伝統的な文字盤レイアウトで、チタン製クラシック・フュージョン オリジナルの42mmバージョンはよりミニマリスティックな文字盤デザインを持ちファッションとしての側面が強い。どちらもキャリバーHUB1110を搭載しているために、技術面では同じ時計である。どちらがお好みでも、ウブロ クラシック・フュージョンはアクアノートによりも手頃で、素晴らしいスタイリッシュな代替モデルである。
チャペック アンタークティック
筆者は以前、最も優れたモダンなラグジュアリースポーツウォッチの1本として、チャペック アンタークティックについて書いたことがある。この時計は、ノーチラスとアクアノートに代わる優秀なモデルだ。チャペックは2020年の見事なアンタークティック テール・アデリーをもって、初のアンタークティックコレクションをリリースし、生産された99本は一瞬のうちに完売となった。2番目のリリースは、文字盤デザインと文字盤のパターンを変えたアンタークティック パサージュ・ドゥ・ドレークである。この新しいバージョンで、チャペックは新しい文字盤カラーを使い、これもまた大ヒットとなった。
最後に、同ブランドはケースを40.5mmから若干小さめの38.5mmへと変更したパサージュ・ドゥ・ドレーク Sバージョンをリリース。文字盤のデザインはいくらか変わり、文字盤の縁にあるミニッツトラックはなくなった。しかし全体的なデザインはチャペック アンタークティックとして大いに認識できるものである。パサージュ・ドゥ・ドレーク Sバージョンもまた、同じく素晴らしい自社製キャリバーSXH5を備えており、見た目にも極めて美しい。とはいっても、どのバージョンを選ぶかはあまり問題ではない。すでにどれもが完売しているからだ。現時点で、実際に手に入れたければ中古品市場を探さなければならない。価格はステンレススチールバージョンのアクアノートより約130万円〜270万円ほど低い。このような価格で、最高かつあまり知られていないモダンなスポーツウォッチの1本を手に入れることができる。けれども、この時計が秘密ではなくなるのも時間の問題である。
ティソ PRX パワーマティック80
もう少し手頃なものを探している？一体型ブレスレット付きのモダンなラグスポファンだが、大金をはたきたくないという人には、ティソ PRXがぴったりなオプションだ。PRXは2021年始めにクオーツ式バージョンで初めてリリースされた。世界中の時計愛好家はPRXの登場を好意的に受け止めていたが、そのほとんどの人が待ちわびていたのは機械式バージョンだった。
およそ6カ月後、80時間のパワーリザーブを誇る高精度の自動式キャリバー、パワーマティック 80.111を搭載した、機械式バージョンのPRX パワーマティック 80が発表された。さらに、クオーツ式バージョンはサンバースト仕上げの文字盤だったものが、パワーマティック 80ではタイル状の模様に変わっており、この時計のルックスと雰囲気に深みを与えている。ティソはPRX パワーマティック 80を色違いの文字盤でいくつも展開しており、40mmサイズの時計がステンレススチール製ブレスレットに見事に映える。ティソ PRXが、近年の時計界における素晴らしい成功のひとつであるのには、訳があるのだ。
ストラム オパーヴ
このリストの最後の時計はノルウェーのブランド、ストラムからのものだ。この若い独立系ブランドは2021年に自社初の時計、ラスターカルフをリリースした。ラスターカルフはモダンなルックスの41mm径のスポーツウォッチだが、シンプルなステンレススチール製時計というだけではない。ダマスカス鋼で作られたケース、3300年前のノルウェーの木材を使った文字盤を持つ。この時計が持つ特別なストーリーが、素晴らしい素材と優れた時計作りと相まって、製造された47本は当然のごとく全て完売となった。
ストラム オパーヴは、2022年に発表されたこのブランドの2本目のモデルであり、同じデザインを採用し、41mm径の通常のステンレススチール製ケース、目を見張るようなラッカー処理が施された文字盤が備わる。文字盤のカラーはホワイト、ブラック、ブルー、グリーンから選ぶことができる。最近、ストラムはこの時計のダマスカス鋼製の文字盤バージョンを同じカラーでリリースした。ムーブメントには人気の高いセリタ SW200を採用し、品質と信頼性を保証している。オパーヴをレザーストラップまたは快適なステンレススチール製ブレスレットと組み合わせれば、約13万円〜21万円ほどで、素晴らしく格好の良い、手頃でモダンなスポーツウォッチを手に入れられることになる。オパーヴは、パテック フィリップ アクアノートの代替モデルとなる優れたモダンなスポーツウォッチを手に入れるために、巨額の金を費やさなくてもいいという証明なのだ。
というわけで、異なる価格帯のパテック フィリップ アクアノートの代替モデル5選が出そろった。デザインや時計作りの伝統という点に関してパテック フィリップを打ち負かすことが難しいのは間違いないが、嬉しいことに、大金を必要としない他のオプションも多数あるのだ。
