2020年11月06日
 9 分

ロレックス サブマリーナ Ref. 114060 バイヤーズガイド – Chrono24

René Herold
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ロレックス サブマリーナ Ref. 114060 バイヤーズガイド – Chrono24

サブマリーナが、スイス出身の高級腕時計大手メーカーであるロレックスの最も人気のある時計の一つであることは間違いない。Chrono24でロレックスの売れ筋を見てみると、このダイバーズウォッチはGMTマスターやデイトナと言った他のアイコニックなロレックス時計よりもはるかに良い。サブマリーナより売れているモデルは、はるかにお手頃な値段で購入できるデイトジャストだけである。

今回はノンデイトのモデル、Ref.114060に注目する。このモデルは2012年から2020年までロレックスのカタログに含まれていた。そして、Chrono24で最も取引されている「ノンデイト」である。1954年のサブマリーナの現代バージョンがこの114060だと言える。これもノンデイトのモデルであるため、多くの純粋主義者たちは日付表示のないモデルが一般的に真のサブマリーナであると見なしており、114060もその例外ではない。114060はオリジナルのクラシックなデザインを纏っており、現代的な機能が追加されている。

Ref.114060の特徴

ロレックス サブマリーナ 114060について
ロレックス サブマリーナ 114060について

他のノンデイトのサブマリーナモデル同様、114060の「スーパーケース」と呼ばれるケースの素材はステンレス製。ケース径は40mmで、このモデル以前のノンデイトと比較するとはるかにがっしりした印象を受ける。これにはいくつか理由がある。まず、ねじ込み式のトリプロックリューズを囲むリューズガードが大幅に大きくなった。さらに、ラグの幅が多少広がり、以前よりもわずかにエッジが強調されている。ただし、ラグからラグまでの幅は変わらず20mmのまま。これにより、オイスターブレスがケースに対して細く見え、時計が実際よりも大きく見える。また、このラグにはもう1つ特別な点がある。それはサブマリーナ ノンデイトの歴史上、初めてラグに穴が開けられていないことだ。

ブレスは3連で、上部にはサテン仕上げが、側面にはポリッシュ仕上げが施されている。ブレスはクラスプに向かって細くなっているため、フィット感は快適だ。ロレックスはクラスプを以前のモデルよりもはるかに細くし、グライドロックシステムを搭載した。よって、手間をかけずにブレスの長さを無駄なく調整することができるようになった。日中に手首が何らかの理由で浮腫んでしまったとしても、簡単にブレスを快適な長さへと調節することができる。

Rolex Submariner Ref. 114060,
Rolex Submariner 114060

ジュネーブに本拠地を置くロレックスは、ロレックス用語でマキシケースと呼ばれるより大きなケースに合わせて、マキシダイヤルを114060に与えた。この文字盤は、それ以前に採用されていた文字盤とは異なり、より大きなインデックスが備えられている。このアプライドインデックスはホワイトゴールド製で、針同様、暗闇の中で青く光る夜光塗料のクロマライトが塗布されている。しかし、ロレックスは、文字盤の基本となるデザインには変更を加えていない。旧モデルのように、3時、6時、そして9時にはバーインデックスが使用されており、12時位置は逆三角形によって示されている。他のアワーマーカーはドット形状。文字盤の色はブラックで、非常に整然としており調和の取れた印象を与える。それは、とりわけ文字盤の対照性がよくある3時位置の日付表示によって崩されていないからである。日付表示がないことにより、サファイアガラスに設置される拡大鏡ももちろん不要となる。これは114060のさっぱりした外観に貢献していると言える。

Rolex Submariner Ref. 114060,
Rolex Submariner 114060

114060の逆回転防止ベゼルも同じくブラックとなっている。しかし、インサートはアルミニウム製ではなくなり、ロレックスが独自開発したセラミックのセラクロムが採用されている。この素材は傷が特に付きにくく、以前使用されていたアルミ製ベゼルでよく見られたように紫外線で色褪せることはない。60分スケールと数字はベゼルに刻印されており、プラチナのPVDコーティングが施されている。

キャリバー3130

114060には、ロレックス自社製キャリバー3130が搭載されている。このムーブメントはすでに2001年に発売されたサブマリーナ Ref.14060Mで採用されており、精度が特に高いことで知られている。これは毎時2万8800振動、そして48時間のパワーリザーブを誇る。ロレックスはこのムーブメントを「Superlative Chronometer (高精度クロノメーター)」と認定している。これは、キャリバーの精度が特別に高く、1日あたりの誤差が最大+2/-2秒であることを意味する。

ロレックスは、この改訂版をRef.114060に使用している。ひげゼンマイには、ロレックス独自で開発したパラクロムが素材として採用されている。これは耐磁性に優れ、温度変化にも強いニオブとジルコニウムの合金である。パラクロムひげゼンマイはそのブルーの色で見分けることができる。このキャリバーは受け版やプレートに施された装飾的なカット、ロジウムメッキのギア、部分的にスケルトン化されたローターなど、とても魅力的に仕上げられているのだが、ロレックスはこの時計にねじ込み式ステンレス製ケースバックを採用しているため、残念ながらこの美しいムーブメントを見ることはできない。

114060の代わりとなる時計

Ref.114060の代わりとなる時計として、いくつかのサブマリーナモデルが挙げられる。例えば前駆モデルのRef.14060Mは、114060は少し分厚すぎで、マキシダイヤルとセラクロムベゼルも不要と思う方にとって興味深い一本。すでに述べたように、この時計にはニヴァロックスひげゼンマイを備えたキャリバー3130が搭載されている。

Rolex Submariner Ref. 14060M
Rolex Submariner 14060M

注意すべき点は、14060Mには2つのバリエーションが存在すること。時計ファンやコレクターの間でこの初期モデルは「ツーライナー」という名で知られており、後期モデルは「フォーライナー」と呼ばれている。これらの名前の由来は、文字盤の6時位置にある文字列にある。初期の時計には、「Submariner」と「1000ft = 300 m」の2列しか刻印されていないが、後のバージョンには「Superlative Chronometer Officially Certified」という文字も刻印されている。

後続モデル

ロレックスは2020年9月に、114060の後続モデルとしてRef.124060を発表した。このリデザインされたサブマリーナは、一見したところ前駆モデルとほとんど見分けがつかない。だが、よく見るといくつかの変更点に気づく。例えばステンレス製のケース径が41mmと若干大きくなっている。それに対して、ラグの間隔は再び若干小さくデザインされている。ラグとラグの幅も21mmに拡大され、オイスターブレスと時計自体のプロポーションがよりバランス良く見えるようになった。ブラックのマキシダイヤルとブラックのセラクロムベゼルはそのまま採用されている。

Rolex Submariner Ref. 124060
Rolex Submariner 124060

しかし、最も重要な改良点はムーブメントにある。パラクロムひげゼンマイに加え、パラフレックス耐震装置と特に効率的なクロナジー脱進機を備えた最新のキャリバー3230が採用されたのだ。さらに、ロレックスはパワーリザーブを70時間まで増やすことに成功した。

日付表示付きのサブマリーナ

サブマリーナ 114060の見た目は気に入っているが、日付表示付きの時計を好む場合は、サブマリーナ デイト 116610LN (Lunette Noir) をおすすめする。両時計は、ケース、ベゼル、文字盤に関してほとんど同じと言える。唯一違う点は、3時位置にある日付表示窓とロレックス特有のサイクロップレンズ。このルーペはサファイアガラスの上に設置されており、日付表示を2.5倍拡大し、読み取りやすくする。ムーブメント (キャリバー3135) においても、114060のキャリバー3130との相違点は、基本的に日付表示機能が備えられていることだけである。

Rolex Submariner Ref. 116610LV
Rolex Submariner 116610LV

もう少しカラフルな時計を好むという方にとって、Ref.116610LVは一見の価値がある。ここで「LV」はLunette Verde、すなわちグリーンのベゼルを意味している。文字盤の色もグリーンで仕上げられているため、この時計は一般的に「ハルク」という愛称で知られている。配色以外、ハルクとブラックの姉妹モデルとの間に違いはない。

サブマリーナ 114060の価格と価格推移

サブマリーナ Ref.114060の価格は、過去2年間で大幅に上昇している。まだ2018年の時点では、Chrono24で未使用品を87万円以下で入手できた。それ以降、価格は絶えず上昇している。特にこのリファレンスをプログラムから除き、Ref.124060と置き換えると発表された後、価格は再び著しく上昇した。2020年10月初頭の時点では、少なくとも133万円ほど準備しないとこの時計を入手できない。中古の時計でさえも価格は現在124万円を超えており、その人気はまだまだ上昇中だ。

ロレックス サブマリーナ 114060の価格推移 (状態: 中古)
ロレックス サブマリーナ 114060の価格推移 (状態: 中古)

Ref.14060Mでも同様な価格推移が見られる。過去2年間で未使用品の価格は106万円から149万円へと上昇した。これは約30パーセントの増加に相当する。Chrono24では、保存状態の良い中古品をもう少しお手頃な価格の約100万円で購入できる。

2020年に発表されたRef.124060の、ロレックス公式メーカー希望小売価格は7350ユーロ (日本円にして約91万円)。ここでの問題点は、販売店で購入する場合、非常に長いウェイティングリストを考慮しなくてはならないということだ。長い待ち時間なしですぐにでも時計を所有したい場合、高額なプレミアム価格を準備する必要がある。現時点でしばしば見られる価格は137万円から186万円ほどである。

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