時計ブランドのベスト10や人気ランキングを作成するのは正直難しいこともある。このようなランキングを作成するにはどこから始めたらよいのだろうか?Chrono24のサイトに掲載されている会社の売上高や業績を参考にするのがよいのか?今回のランキングでは、数字はひとまず置いておき、私たちが見聞きしたことをもとに、トップ10をまとめてみることにした。どんな時計が話題になっているのだろうか?最近話題になっている独立系の小さなブランドで、業界を代表するブランドと名を連ねるにふさわしいのはどのブランドなのか?早速見ていこう。
ロレックス
時計ブランドの王者として君臨するロレックスは、ジュネーブに本拠地を置き、その需要は衰えることを知らない。Chrono24では、サブマリーナ、GMTマスターII、デイトナなどの人気モデルの価格が上昇している。しかし、このブランドの人気のないモデルも、需要と価格の両面で勢いがある。デイトジャスト、最近発売されたオイスター パーペチュアルモデル、エクスプローラー、エクスプローラーII、そして風変わりなミルガウスでさえ、より強い需要が見られる。これらの価格はこのまま上昇を続けるのか、それとも今後数ヶ月で少し落ち着くのか。今のところ、その王冠は正統な王の頭上にしっかりと鎮座し続けると言ってよいだろう。
オメガ
オメガも非常に人気の高いブランドである。スイスの都市、ビエンヌに拠地を置くブランド、オメガは、業界で最も有名なアイコンをいくつも生み出してきた。スピードマスターは、間違いなくオメガの最も有名な時計である。今回、デザインとムーブメントを一新したムーンウォッチが登場したことで、このコレクションの歴史に新たな1ページが刻まれることになった。ムーンウォッチといえば、スピードマスターの最新モデルのスヌーピーは、スピードマスターのスペシャルエディションの中でも最も人気の高いモデルだ。また、オメガは新しいシーマスター300ラインを発表した。このレトロなダイバーもまた、ブランドの豊かな伝統を現代の最高水準の時計技術と融合させている。
ブライトリング
IWCの元CEOであるジョージ・カーン氏がブライトリングの社長に就任して以来、ブライトリングは新たなエネルギーを発揮し、素晴らしい結果を生み出している。ブライトリングは、過去の有名モデルの最高の復刻版を作ることで称賛を受けている。たとえば、AVI Ref.765 1953 リ・エディションやナビタイマー Ref.806 1959 リ・エディションなどがある。さらに、ブライトリングは、アイコンであるクロノマット、トップタイム、スーパーオーシャンヘリテージ’57の新バージョンも発表している。そして、ブランドの偉大なアイコンの人気は、コレクターの間で続いている。おかげで、ブライトリングは今、最も有名で人気のあるブランドのひとつとなっているのだ。
パテック フィリップ
パテック フィリップは、オートオルロジュリーの分野では間違いなく最も認知度が高く、人気のあるブランドである。ジュネーブに本拠地を置くパテック フィリップは、時計製造の技術、デザイン、仕上げのすべての面で最高レベルの製品を提供している。ブランドの最大のヒット作はノーチラスであり、それに続くのがアクアノートだ。また、コンプリケーションやグランドコンプリケーションなどのコレクションも人気がある。パテック フィリップは、人気のあったスチール製のノーチラス5711/1Aの製造中止を発表したため、ジェラルド・ジェンタがデザインしたこのアイコンの価格がどうなるか注目したい。続いてどのようなタイムピースが登場するのだろうか?
オーデマ・ピゲ
オーデマ・ピゲと聞いて、すぐに思い浮かべるのはロイヤルオークではないだろううか。スイスのル・ブラッシュにあるオーデマ・ピゲは、コード11.59やミレネリーなど他のコレクションも展開しているが、やはりオーデマ・ピゲといえばロイヤルオークである。ジェラルド・ジェンタが1972年に発表したこの時計は、業界のアイコン的存在であり、伝説的な時計として語り継がれている。ロイヤルオーク ”ジャンボ” エクストラシン、永久カレンダー、ロイヤルオーク オフショア、ロイヤルオーク コンセプトなど、その人気と需要は絶大に高い。しかし、オーデマ ピゲのCEOであるフランソワ-アンリ・ベナミアスは、ロイヤルオーク ”ジャンボ” エクストラシンの廃盤を明らかにした。今後、オーデマ・ピゲがどのようなステップを踏み、どのような新しいモデルが登場するのか、注目したいと思う。
カルティエ
2021年、カルティエはいくつもの新作を発表してきたが、その中でも最も重要なのが、特殊な太陽光発電を使用したムーブメントを搭載したタンク マスト ソーラービートである。これは、自動巻きや手巻きのモデルと見分けがつかないほどのソーラーパワーを備えたカルティエ タンクだ。同時に、バーガンディ、ブルー、グリーンというモノトーンカラーの3つのタンクの限定モデルも発表された。もうひとつの新作は、バロン ブルー ドゥ カルティエコレクションである。この比較的若いシリーズは、2007年に登場して以来、大きな人気を博しており、2021年には40mmの最新モデルを迎えた。このような素晴らしい新作と、他に類を見ない伝統を持つカルティエは、変わらず好調である。
チューダー
チューダーは、この10年間でファンが増え続け、最も人気のあるブランドのひとつに成長した。ブラックベイシリーズを発表して以来、チューダーは兄貴分であるロレックスの影から抜け出してきた。今年は、大人気のブラックベイ フィフティエイトのシルバー925とイエローゴールド18Kバージョンを発表し、驚かせてくれた。また、ブロンズ製のブティックエディションのブラックベイ・フィフティーエイトや、ブラックセラミック製でCOSC認定の自社製ムーブメントを搭載したブラックベイも発売された。このように、チューダーは優れた品質と手頃な価格を両立させたスマートな新作を発表し続けている。これらは、チューダーが今日の業界を代表するブランドになった要因である。
リシャール・ミル
リシャール・ミルといえば、”手頃な価格” というイメージがあるかと思う。モダンな高級時計ブランドであるリシャール・ミルは、最も人気があり、信じられないほどの人気を誇る高級時計を生み出してきた。リシャール・ミルの哲学は、ハイテク素材と驚異的な時計製造技術を組み合わせ、過酷な環境下で使用できる最先端の時計を作ることだ。リシャール・ミルは、ラファエル・ナダル、バッバ・ワトソンなどの有名スポーツ選手や、フェルナンド・アロンソ、ランド・ノリスなどの数多くのF1ドライバーのために時計を開発してきた。リシャール・ミルは、しばしば定価をはるかに上回る価格で、心を打つ時計を提供している。
H.モーザー
H.モーザーは、2005年に再登場して以来、常にブームを起こしてきた独立企業である。スイスのシャフハウゼンにあるこの会社は、近年、特に成功を収めている。この小さな独立ブランドは、ストリームライナー・フライバック クロノグラフやストリームライナー・センターセコンドなど、人気の高いストリームライナーコレクションで注目を集めた。今年は、永久カレンダー搭載ストリームライナーをラインナップに加え、最も印象的な自社製時計を製作する能力を示している。H.モーザーのスペシャルコレクションには、最も印象的なコンセプトウォッチが含まれており、中でもVantablack®ダイヤルを備えた壮大なヴェンチュラーは絶対的なハイライトとなっている。
F.P.ジュルヌ
トップ10の最後にご紹介するのは、F.P.ジュルヌである。フランソワ・ポール・ジュルヌによって設立され、その名を冠したこの小さなブランドは、年間800本の時計しか製造しておらず、その中には、業界で最も優れた、特別なモデルが含まれている。F.P.ジュルヌはハイエンドのコレクターから絶大な人気を誇り、800本の時計は数分で完売してしまう。現在、F.P.ジュルヌは6つのコレクションを展開しているが、その中でも特にファンの多い時計がF.P.ジュルヌ エレガント 48である。この驚くべきチタン製クォーツ時計は、計時上の課題に独創的なソリューションを提供するというジュルヌの哲学を見事に体現している。数あるモデルの中のひとつであるこのモデルは、F.P.ジュルヌを時計界の話題にし、このリストに加えるべきふさわしい存在となった。
以上が、Chrono24が選んだ2021年現在のトップ10ブランドである。いずれのブランドも、時計業界が提供する最高レベルのモデルでユーザーを驚かせ続けていることで、注目を集めている。