機械式時計はまさに星の数ほどあります。中には素晴らしい歴史を持つ逸品、流行に左右されない普遍的なデザインの傑作など単なる時計を遥かに超えるものもあります。史上屈指のアイコニックな時計を10本ご紹介します。皆様のお気に入りの時計も入っていますか?
1. タグ ホイヤー モナコ
角ばったデザインと70年代独特の雰囲気。タグ ホイヤー モナコのデザインはこれから紹介する他の時計に比べると、それほど普遍的ではないかもしれない。しかし、今でも正真正銘のアイコンウォッチであることに変わりはない。ジョー・シフェールやヨッヘン・リントといった有名なレーシングドライバーが愛用し、レースの歴史を刻んできた。そして映画『ル・マン』でスティーブ・マックイーンが着用し、他にないカルト的人気を持つ伝説の時計となった。
2. ジャガー・ルクルト レベルソ
アールデコ調のジャガー・ルクルト レベルソは、おそらくこのメーカーで最も有名な時計だろう。もともとポロ選手のためにデザインされたもので、ユニークな反転式ケースは他にはないセールスポイントだ。裏面は単に時計を保護するための裏蓋ではなく、希望によって、ここにもうひとつまったく別の顔を与えることができる。まさしくアイコンウォッチだ。
3. カルティエ サントス
カルティエ サントスの歴史は1904年にまでさかのぼる。飛行船の操縦中に当時の懐中時計を読むのは非常に難しいと感じた発明家のアルベルト・サントス・デュモンは、友人のルイ・フランソワ・カルティエとともに飛行中に利用できる腕時計を開発した。それ以来デュモンは飛行には必ずこの腕時計を着用するようになり、カルティエ サントスは世界初のパイロットウォッチとなった。その象徴的なデザインは1911年の発売以来ほとんど変わっていない。
4. ブライトリング ナビタイマー
さて、次もブライトリング ナビタイマーというアイコニックなパイロットウォッチだ。この時計は紹介するまでもないだろう。時計が本当に道具だった時代にあって、このアイコニックなクロノグラフは単に時間を表示したりタイムを測るだけのものではなかった。回転ベゼルによって、パイロットに必須の複雑な計算ができるようになった。ブライトリングは現在、このモデルにさまざまなサイズと文字盤色を用意しているが、デザインそのものは今でも他とは違う独自性を維持している。
5. ロレックス デイトナ
史上屈指のアイコンウォッチのリストにロレックス デイトナは外せない。現在、このスポーツウォッチはロレックスの中でも特に人気のあるモデルのひとつであり、市場価格は公式のメーカー希望小売価格の何倍にもなっている。ただ不思議なことに、始めからそうだったわけではない。1963年のリリース後、この伝説のクロノグラフは長らく棚ざらし品とされてきた。皆様も考えられないことだと思うだろう。
6. パテック フィリップ ノーチラス
パテック フィリップ ノーチラスは、現在の高級時計のトレンドの中で大きなシェアを占めているモデルだ。1976年にリリースされた当時、気品あるジェンタデザインのこの時計は、高級腕時計部門に登場したスチール製時計の初期のもののひとつだった。一番手となった初のスチール製時計についてはこの後で紹介したい。 パテック フィリップはスチール製の高級時計という挑戦に対し十二分な結果を出し、スチール製の高級時計というコンセプトをほんの少し後押ししたといえる。
7. ロレックス デイトジャスト
ロレックス デイトジャストは真のスタイルアイコンである。ディテールのひとつひとつが、この時計がファッション史に残る唯一無二の存在であることを世界に知らしめている。フルーテッドベゼル、象徴的なサイクロップレンズ、デイトジャストのために特別にデザインされたジュビリーブレスレットが、この時計の紛れもないトレードマークである。デイトジャストは1945年以来、ロレックスのラインアップに欠かすことのできない存在だ。デイトジャストをベースにしたロレックス デイデイトは曜日表示、プレジデントブレス、貴金属製のみといった特徴があり、デイトジャスト同様にアイコニックな時計だ。デイトジャストは数え切れないほど多くの映画に登場し、今でも群を抜いて有名な腕時計のひとつである。
8. オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク
1970年代初頭は高級時計といえば貴金属を使った繊細な装飾品であり、スチール製のスポーツウォッチは計器としての役割に甘んじねばならず、クォーツ危機がすでに本格化していた。このような時代に、オーデマ・ピゲは不可能を可能にしたのだ。デザイナーのジェラルド・ジェンタにスチール製の高級時計を一晩でデザインしてほしいと依頼し、それに答えたジェンタは名作を世に送り出し、不動の地位を築いた。オーデマ・ピゲ ロイヤルオークは1972年に発表された初のスチール製高級時計であり、現在でも史上屈指のアイコニックなデザインのひとつである。もしこの時計がなかったら、時計界はどうなっていただろう。
9. ロレックス サブマリーナ
ロレックス サブマリーナは世界で最も多くコピーされた時計だ。時計に興味がなくても、このスタイルアイコンを見たことはあるだろう。1953年の発売以来、絶えず改良され完成度を上げてきたが、見間違うことのない個性は変わらない。ジェームズ・ボンド映画で高い知名度を得て、現在でもステータスシンボルとみなされている。そして今年この時計は70周年を迎える。ロレックスがアニバーサリーをどのように祝うのか、皆様も楽しみにしているのではないだろうか。
10. オメガ スピードマスター プロフェッショナル
ロイヤルオークもノーチラスもデイトナも、そしておそらくサブマリーナもその地位を揺るがすことはできない。オメガ スピードマスター プロフェッショナルは、おそらく史上最もアイコニックな時計であり、今後もそうあり続けるのだ。幾度も月面着陸に成功し、宇宙での救出作戦や、NASAとの数え切れないほどの宇宙冒険を経験した「ムーンウォッチ」は伝説的な時計となっている。普遍的なデザインは宇宙飛行の偉大な開拓時代からほとんど変わらない。手首を見れば、この伝説のクロノグラフが参加した冒険を文字通り感じることができるだろう。オメガ スピードマスター プロフェッショナルほど、偉大な歴史を誇る時計は他にない。真に伝説的な存在だ。
最も有名な高級時計10選
時計 | リリース | カテゴリー | 直径 |
タグ ホイヤー モナコ | 1969年 | クロノグラフ | 39mm |
JLC レベルソ | 1931年 | ドレスウォッチ | 42.9 x 25.5mm |
カルティエ サントス | 1911年 | ドレスウォッチ | 最大39.8mm |
ブライトリング ナビタイマー | 1952年 | クロノグラフ | 41mm、43mm、46mm |
ロレックス デイトナ | 1963年 | クロノグラフ | 40mm |
パテック フィリップ ノーチラス | 1976年 | スポーツウォッチ | 40mm |
ロレックス デイトジャスト | 1945年 | ドレスウォッチ/オールラウンダー | 36mmまたは41mm |
オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク | 1972年 | スポーツウォッチ | 最大42mm |
ロレックス サブマリーナ | 1953年 | ダイバーズウォッチ | 41mm |
オメガ スピードマスター | 1957年 | クロノグラフ | 42mm |