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ノモス – バウハウス調のグラスヒュッテ工房
ノモスは最も有名で成功しているドイツの時計メーカーです。このブランドの時計は数々の賞を受賞しており、その直線的で明瞭なデザインは世界的に称賛されています。中でも特に人気のモデルには、タンジェントやメトロなどがあります。
ノモス時計を買う5つの理由
- 完璧な仕上げのドイツ製時計
- 自社キャリバーのみ使用
- 世界的に知名度の高い、直線的でシンプルな時計デザイン
- 数々の賞を受賞した、資産価値安定の時計モデル
- 独自開発の脱進機: ノモス スウィングシステム
グラスヒュッテ出身の、成功を収めたマニュファクチュール
自社製キャリバー、数々の賞を受賞したデザイン、グラスヒュッテの品質 – これらがノモス時計の特徴です。ザクセン州にある小さな町を拠点とするノモスは優秀な若手メーカーであり、現在では ドイツ出身メーカーの中でも大手に数えられます。最も有名で人気のモデルはタンジェント、オリオン、メトロです。また、ノモス時計には都会的でモダンな要素とクラシックな特徴が統合されており、このコンセプトで短い間に数々の賞を獲得しました。
ノモスは1990年に創立されて以来、独立した会社として継続されています。ノモス専属の工房と独自開発技術が、他社に依存しないこのメーカーの素質をまさに表現しています。 ノモス スウィングシステム はノモスが独自開発した優秀な技術です。ノモスは外部のパートナーと協力し、16億円の費用と7年の歳月が費やされた独自の脱進機(アソートメント)を2014年に発表しました。テンプ、ヒゲぜんまい、アンクル、ガンキ車からなるシステムを全て自社で製造できるメーカーは、ごく少数に限られています。このため、この新型脱進機の発表は大変注目され、これは時計業界全体に対する独立宣言でもありました。
ノモス時計の価格は?
モデル | 価格 (約) | ケース直径 (mm) | キャリバー |
ラムダ Ref. 932 | 160万円 | 42 | DUW 1001 |
アウトバーン Ref. 1302 | 42万円 | 41 | DUW 6101 |
タンジェント アップデート Ref. 180 | 35万円 | 41 | DUW 6101 |
アホイ アトランティック Ref. 552 | 33万円 | 40 | DUW 5001 |
メトロ デイト パワーリザーブ Ref. 1101 | 32万円 | 37 | DUW 4401 |
オリオン Ref. 301 | 18万円 | 35 | アルファ |
テトラ27 Ref. 401 | 16万円 | 27.5 x 27.5 | アルファ |
タンジェント Ref. 101 | 16万円 | 35 | アルファ |
タンジェント – ノモス定番時計の価格
タンジェントはノモスの中で一番有名なモデルです。ノモス グラスヒュッテの時計といえば、まずタンジェントを思い浮かべる人も多いでしょう。このモデルはノモス時計の中で最も販売量の多い、またそれに伴い生産量の多いモデルです。モデルの特徴はラウンド型のケースと角ばったラグです。文字盤上で一際目を惹くのは、細長いブルーの針と、スモールセコンドです。アラビア数字と棒インデックスが交互に記されているのもこの時計の特徴の一つで、これが時計の明瞭なデザインをさらに助長しています。タンジェントのブレスレットには、ノモス時計でお馴染みの コードバン レザー が使用されています。この皮革は農耕用馬の臀部から採られ、水気に強く頑丈です。
ノモス タンジェント には色々なモデルがあります。定番モデルはケース直径35mmで、機構としては自社製キャリバーのアルファが搭載されています。この手巻き機構は薄型なため、タンジェント Ref.101の厚みは6.2mmです。ノモス時計の定番であるこの時計の価格は中古で約12万円です。新品モデルの価格は約16万円になります。日付けとパワーリザーブ表示付きのタンジェントモデルは、約25万円~30万円でご入手いただけます。
サイズ35mmでは小さすぎるという方は、ケース直径41mmの タンジェント アップデート をご覧ください。2018年に発表されたこのモデルには、新型の日付表示が搭載されています。この新しい日付表示は、文字盤の円周に記された2つの赤いマークが現在の日付け数字を囲んでいます。この表示方法のため、タンジェント アップデートは自動巻きキャリバー搭載にもかかわらず、厚さ僅か7.9mmです。機構にはノモススウィングシステムを使用したネオマティック キャリバーDUW 6101が使われています。新品の価格は約35万円です。
日付表示なしで小型な35mmモデルの価格は、新品約30万円、中古はそれより多少安く約25万円になります。タンジェント ネオマティックの39mmモデルにも日付表示機能は付いておらず、価格は新品約33万円です。このモデルは発売されてからまだそれほどの月日が経っていないため、中古時計を見つけるのは困難です。
ノモス オリオンの価格
膨らみのあるケースを持った、本質のみに制限された時計。それがオリオンです。このモデルはノモス時計の中で最も洗練された、必要最小限までに限られたミニマリスト時計です。細い棒状の分インデックスと、それより中側に配置されたアワーマーカーが、この時計の文字盤の特徴です。丸みを帯びたサファイアクリスタルはレンズを思わせる形で、UFOのようにも見えます。タンジェントと同様、オリオンも クラシックな手巻き式と薄型のネオマティックキャリバーの2種類で提供されています。
ケースサイズには33mmと41mmがあります。小型サイズのモデルはすっきりとした女性の腕に似合います。新型のステンレスモデルの価格は約16万円からご購入いただけます。また、中古は約14万円になります。サファイアクリスタル使用のモデルの価格は、それらより数万円高くなります・
ステンレス製 35mmサイズのモデルは新品で約18万円、中古で約13万円の価格になります。ネオマティック搭載のモデルでは、ケース直径がそれより1mm大きく、36mmサイズです。このモデルの価格は新品約30万円、中古約26万円になります。
また、大型の38mm、39mm、41mmサイズのモデルも提供されています。一番大型のモデルには日付表示が搭載されており、これはタンジェントと同じく自社製のキャリバーDUW 6101によって稼動されています。しかし、オリオン41の日付け表示は従来の様式で、3時位置のシンプルな小窓によるものです。新品の ノモス オリオン ネオマティック41 デイト の価格は約35万円です。日付け表示のない39mmサイズのモデルの価格はそれより数万円安くなり、新品価格約33万円になります。
オリオン38には、ノモス社の簡素な手巻き式機構が使用されています。ノンデイトモデルにはキャリバーアルファが搭載されており、6時位置に日付け表示が付いたデイトモデルには、ノモススウィングシステムが導入された、キャリバーDUW 4101が搭載されています。このキャリバーにはノモス独自のアソートメントが使用されているため多少高価格で、新品約24万円、中古約20万円で提供されています。日付け表示なしのモデルは、新品約20万円、中古約18万円になります。
都会的な手巻き時計、メトロの価格は?
ノモス メトロ は2014年、ノモス独自開発のスウィングシステムと同時に発表されました。その名の響きからも分かるように、このコレクションでは都会的な雰囲気を醸し出す時計が並んでいます。そのデザインは他の多くのノモス時計よりも、モダンで遊び心あるものになっています。このモデルのデザインを考案したのは著名なデザイナーであるマーク・ブラウンで、彼はこのデザインに対しては多くの称賛を浴びました。メトロは大変な人気を誇るモデルで、この時計には発売後間もなく、数々の賞が授与されました。
デザインの特徴は細長いスマートな時計針で、そのさらに細い先端はニューヨークのエンパイアステートビルを思い起こさせるかもしれません。ダイヤモンドローレット加工のリュウズとワイヤラグは、メトロのみに採用されています。また、ドットで表された分目盛りとアワーマーカーが、コスモポリタンなタイムピースに調和しています。
「定番」のメトロに搭載されているのは、 手巻きキャリバーDUW 4401 です。この機構の6時位置には日付表示があり、文字盤の上側にはノモスが特許を得たカラフルなパワーリザーブ表示が配置されています。パワーリザーブは最大約42時間です。サイズ37mmのこのモデルの価格は、新品約32万円、中古約30万円です。
ケース直径38mmノンデイト、パワーリザーブ表示なしのモデルは特にシンプルに仕上げられています。このモデルは新品約22万円、中古約18万円で提供されています。デイトモデルの価格は新品約26万円、中古約24万円になります。
メトロ ネオマティックの価格
現在では自動巻きキャリバーDUW 3001搭載のノモス メトロも出ています。この メトロ ネオマティック は、様々な文字盤と異なるサイズからお選びいただけます。サイズには35mmと39mmの2種類があり、文字盤の色はホワイト、ミッドナイトブルー、シルバーカット、シャンパーニュといった種類があります。シャンパーニュはどちらかというとフェミニンなモデルで、そのためサイズ35mmのみで入手可能です。このモデルの価格は約33万円になります。また、その他の35mmサイズのネオマティックも、これとほぼ同価格帯になります。
高級感を醸し出すシルバーカットモデルは39mmサイズで提供されており、価格はそれに比べて多少上がります。新品は約35万円、中古は約30万円になります。また、ノモス メトロ ネオマティック39 ミッドナイトブルーもこれと同じ位の価格でご購入いただけます。
このモデルシリーズ内で最も注目すべきは、ケースサイズ39mmの ピンクゴールド製メトロです。このモデルはメーカーが製造する時計の中でも、数少ない金素材の時計です。シルバー加工されたホワイトの文字盤は、グレーのアワーマーカーで一際シンプルで高級感を与えます。このモデルの針は、金色です。自動巻きキャリバーDUW 3001搭載のゴールド メトロは、公式定価約95万円です。運がよければChrono24にて、約80万円で見つかるかもしれません。
ノモスのゴールドウォッチ – ラムダとラックス
ノモス時計の多くはステンレス製ですが、中にはいくつかのゴールドウォッチもあります。ラムダとラックスシリーズでは、素材にピンクゴールドとホワイトゴールドのみが使用されています。従ってこの両シリーズはノモス時計の中でももっとも高級モデルを提供しています。
ラムダの42mmサイズ18Kピンクゴールド製のモデルは、価格約160万円で販売されています。このモデルには手巻きキャリバーDUW 1001が搭載されており、 パワーリザーブは84時間です。それより小型な39mmサイズのモデルの価格は約140万円になります。ホワイトゴールドモデルのケース直径も42mmで、新品価格約175万円です。
ノモス ルックスはトノー型のケースが顕著なモデルです。遊び心旺盛で、同時に上品さを醸し出すカラフルな文字盤が、このゴールドウォッチの見た目をさらに惹き立てています。ラムダと同様、ルックスの素材にもホワイトゴールドとピンクゴールドの2種類があります。機構には手巻き式キャリバーDUW 2002が搭載されています。このキャリバーもノモスによって丹念に仕上げられており、パワーリザーブは84時間です。ピンクゴールド素材の新品価格は約160万円です。このモデルにおいてもホワイトゴールド製はより高価格で、約185万円で提供されています。
正方形ケース、ノモス テトラの価格
ノモス テトラは、正方形ケースのノモスウォッチです。この時計は、オリオン、ラドヴィッグ、タンジェントと並ぶ初代のノモス時計として、1992年に発売されました。テトラの文字盤上に見られるアラビア数字とバーインデックスは、タンジェントを思い起こさせるデザインです、正方形の時計は全体的にフェミニン調に仕立てられており、小型なケースサイズと文字盤の色がさらに女性らしさを強めています。中型サイズのケース使用のモデルもあり、これはレディース時計としても、メンズ時計としても通用します。このユニセックスなモデルでネオマティックキャリバーが搭載された時計の価格は、約35万円になります。中古時計は30万円前後でご入手いただけます。
プチ・フォー・シリーズに属する ノモス テトラ グレナディン には、ザクロ色の文字盤と金色の分時針が使用されています。このモデルは特に女性らしさを漂わせており、サイズが29.5mmx29.5mmとなっているため、細身の女性の腕によく似合います。時計内にはキャリバー アルファが搭載されています。このモデルの価格は約20万円です。
ノモス アウトバーン – 車を運転しない方にも
2018年バーゼルワールドにおいて、ノモスはスポーティーな時計モデルを発表しました。これがアウトバーンです。サイズ41mmのケース直径を持つこの時計の文字盤は、モデル名の通り、自動車のタコメーターを思わせるものです。このタイムピースは有名なデザイナーである、 ヴェルナー・アイスリンガーによって設計されました。最大の特徴はの地盤中央に見られる、半円カーブに配置された8つのスクエアです。このスクエア、また時針には蛍光塗料が使用されており、暗闇でも明確に時間を表示します。6時位置に横長く配置された日付け表示の上にはスモールセコンドが設置されています。
この時計の「モーター」として活躍するのは 自動巻きキャリバーDUW 6101 です。この機構は厚さ3.6mmと大変薄型で、このため時計全体の厚さも僅か10.5mmです。耐久性の強いナイロンス製トラップが、時計を腕にしっかりと固定します。ノモス アウトバーンは水深100m(10気圧)までの耐水性を誇り、このため水泳時にも着用できます。価格は新品約45万円,中古約35万円です。
スポーツウォッチでダイビング: ノモス アホイ
アホイはノモスのスポーツウォッチです。針とアワーマーカーには夜光塗料が使用されており、暗い場所や水中でも明瞭に時刻を読み取ることができます。アホイは 水深200m(20気圧)までの耐水性を持っています。ねじ込み式リュウズは、さらにリュウズガードによって 衝撃から保護されており、時計のスポーティーな雰囲気を助長しています。タンジェントを思わせる文字盤はシンプルで、まさにノモスウォッチと言えるデザインです。また、ベルトには耐水性のナイロンストラップが使用されています。
ノモス アホイには異なるサイズがあり、また数種類の異なる自動巻きムーブメントが使用されています。中でも一番の注目は、文字盤がシグナルホワイト、シグナルブルー、シグナルレッドのモデルに集まります。これらの時計は夏に浜辺で着用するのに最適です。これに比べて比較的控えめなモデルは、ダークブルーの文字盤を持つ アホイ アトランティック です。このモデルのデザインは、優雅であると同時にスポーティー感も与えます。また、シルバー加工された白い文字盤のモデルも提供されています。アホイ アトランティック、またアホイのシルバー加工ホワイトダイヤルのモデルも、カジュアル、そしてフォーマルなシーンで着用できるモデルです。また、この時計は日頃着用するのにも打ってつけです。
自動巻きキャリバーDUW 5001搭載の、ノンデイト ステンレス製ノモス アホイの価格は約30万円です。ホワイトの文字盤を持つこのモデルの中古時計は、価格約25万円で提供されています。日付表示のキャリバーDUW 5101搭載モデルは、新品約37万円、中古約30万円でご購入いただけます。アホイ アトランティックにも同じくデイトとノンデイトの両バージョンがあります。その両方とも、価格はホワイトダイヤルのモデルに比べてそれぞれ数万円ほどプラスになります。
ケース直径40mmでは大きすぎるという方は、 アホイ ネオマティック がお気に召すかもしれません。このモデルはサイズ36mmで、例えばシグナルレッドやシグナルブルーダイヤルなど、様々なデザインで販売されています。アホイ ネオマティック シグナルレッドの価格は、新品約37万円、中古約32万円になります。
数々の賞を獲得した時計デザイン
ノモス時計は、そのデザインと技術においてこれまで数々の賞を受賞してきました。受賞した賞には、レッド・ドット・デザイン賞やドイツデザイン賞、またGoldene Unruh(黄金のテンプ)賞などがあります。時計のデザインは明瞭で簡素、直線的であり、まさに バウハウス調のスタイルになっています。ノモスはシンプルなインダストリアルデザインを追求しており、バウハウス促進を目的とするドイツの組合にも属しています。ノモスは時計デザインにモダンなフィーリングを与えており、 マーク・ブラウンや ヴェルナー・アイスリンガーなどの著名なデザイナーとも協力しています。
ノモスの歴史
デュッセルドルフ出身のIT専門家、 ローラント・シュヴァートナーは、1990年ベルリンの壁崩壊直後に、ノモスグラスヒュッテを創業しました。会社名には既に既存していた「ノモス」の名を採用しました。元祖ノモスは1906年から1910年にかけて、ドイツのグラスヒュッテにおいてスイス製の懐中時計を販売していた会社でした。しかし、元祖ノモスは「システム グラスヒュッテ」という言葉を宣伝に使用し、これが違法であるという責任を問われ、その業務を停止することになります。
ブランドの再構築を目的に掲げたシュヴァートナーですが、彼も間もなく似たような問題を抱えることになります。メーカーの出身地である「グラスヒュッテ」の地名がメーカー名の一部になっているため、彼はノモスで作られる時計の構成部品の大半が、この地で製造されていることを証明しなければなりませんでした。そして、ノモスは実際にこれを証明することになります。
ノモスは徐々に、キャリバーの多くを自社で製造するようになりました。ノモス曰く、現在では機構の95%を自社内で製造しているということです。公式にグラスヒュッテ製を名乗るのに必要なのは50%であるため、ノモスは正真正銘メイド・イン・グラスヒュッテと言えます。ノモスほどの自社製造率を誇ることのできるマニュファクチュールは、世界的に見ても指折りです。ノモスではコンピューター操作の器具やレーザー技術と、伝統的な手作業技術の融合で、時計を生み出しています。
外見は大変シンプルなノノモスウォッチの中にどれほどすごい機構が搭載されているかという話題は、このシーンで常に注目されています。例えば、2015年に発表された超薄型のキャリバーDUW 3001があります。自動巻き機構であるにもかかわらず、僅か3.2mというその薄さは、世を驚かせました。通常この種の機構はより分厚いことが多く、超薄型のDUW 3001は数々の専門記事や雑誌などにて紹介されました。
ノモスを愛用する有名人
ノモス時計は政治家や有名人にも人気です。ドイツ連邦大統領フランク=ヴァルター・シュタインマイアーも、ノモス時計の愛用者の一人です。また、ドイツの元首相ゲアハルト・シュレーダーもノモス タンジェントを着用しています。この両政治家は、それぞれの夫人からノモス時計をプレゼントされたそうです。
ジャーナリストで作家でもあるアリス・シュヴァルツァーも、ノモスファンの一人です。ドイツのフェミニストの代表的存在でもある彼女のお気に入りの一本は、正方形ケースのテトラです。