ブランパン フィフティ•ファゾムス

ブランパン・フィフティ ファゾムスは、ロレックス サブマリーナとともに、ダイバーズウォッチの原型と見なされています。スイスのル・ブラッシュに本社を置く時計メーカーは、フランス海軍に供給するために、早くも1953年にフィフティ ファゾムスの公式初代モデルを設計しました。これには、ロレックスが回転式ダイビングベゼルを備えた初のダイバーズウォッチを発表した、1954年のさらに前年でした。「ファゾム」は当時普及していた航海用の単位で、初代モデルの防水性は、50ファゾムでした。これは、91.44メートルの潜水深度に相当し、当時のダイバーズウォッチとしては革命的なものでした。

ブランパンは、過去数十年にわたって人気のダイバーズウォッチの多数の異なるバージョンを発売しました。現在のコレクションには、「フィフティ ファゾムス ノーラディエーション」などのオリジナルのスチール製ツールウォッチと、貴金属製の高級素材を使用したバージョンの両方が含まれています。このシリーズは技術的にも非常に多様です。シンプルな3針時計に加え、ブランパンは洗練された複雑機構を備えたフィフティ ファゾムスも提供しており、フライバック クロノグラフ、ムーンフェイズ、またはトゥールビヨン搭載モデルから選択できます。注目モデルの1つは、トゥールビヨンに加えて8日間という長いパワーリザーブを提供するレッドゴールドモデル、「フィフティ ファゾムス トゥールビヨン 8デイズ」です。

2013年に発売されたシリーズフィフティ ファゾムス バチスカーフも大人気です。そのデザインは、以前にコレクションの多くの時計に見られたクラシックなものに比べて、大幅に削ぎ落とされています。バチスカーフのサイズは直径43mmまたは38mmで入手可能で、フィフティ ファゾムスでは初めて、細い手首にも適する時計です。スチールと貴金属に加えて、バチスカーフのケース素材には初めてセラミックが使用されています。

フィフティ ファゾムスのすべてのバリエーションにおいて、ブランパンの自社製キャリバーが使用されています。現代のフィフティ ファゾムスは、古いモデルよりもはるかに高い防水性を提供しており、すべてのモデルで300m (30気圧) 防水となっています。

フィフティ ファゾムスの最も安いエントリーモデルはRef.2200-1130-71で、中古品は約65万円で入手できます。ブランパンは2000年代初頭にこのモデルを製造しました。まだ比較的新しいバチスカーフコレクションのモデルは、約95万円から始まります。クロノグラフをご希望の場合、少なくとも160万円の予算をお見積りください。限定の3針時計エディション「バラクーダ」は大変人気で、価格はすでに225万円を超えています。トゥールビヨン付きのフィフティ ファゾムスをご希望の場合は、トゥールビヨン8デイズが唯一の選択肢となります。価格は約1225万円です。

フィフティ ファゾムス オートマティック シリーズは、スポーティーであると同時にクラシックな3針ウォッチのコレクションです。ブランパンは、ステンレススチール、ピンクゴールド、またはチタン製のバリエーションを提供しています。さらに、完全に黒で統一されたステンレススチールモデルもあります。フィフティ ファゾムス オートマティックのすべてのモデルは直径45mmで、ラグ幅は23mmです。もう1つの共通点は、自社製キャリバー1315です。これは、時、分、秒の表示に加えて、4時30分位置に日付表示を提供しています。駆動時間は、完全に巻き上げてから120時間です。文字盤には三角形のインデックスが使用されており、3時、6時、9時、12時にアラビア数字が見られます。

Ref.5015 12B40 NAOAはシリーズを代表するモデルです。このモデルはチタン製で、青い文字盤と青いベゼルを備えています。同じく青の色調で統一されているNATOストラップが、時計を手首にしっかりと装着します。この時計の未使用品は、Chrono24で約150万円で販売されています。

Ref.5015 1130 71Sのケースとブレスレットは、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げが施されたステンレススチール製です。この時計では、文字盤とベゼルの両方が黒で統一されています。このフィフティ ファゾムス オートマティックの未使用品をご購入される場合には、約165万円の予算が必要です。

ステルス機を操縦する気分でダイビングを楽しみたい場合には、完全に黒で統一されたRef.5015 11C30 52Aをご覧ください。このモデルでは、インデックスの発光材料でさえ黒に保たれています。唯一の赤いアクセントは、秒針の先端に見られます。キャンバスストラップで手首に巻かれるこのバージョンの価格は、未使用品で約140万円です。

文字盤とベゼルも黒のレッドゴールド製フィフティ ファゾムス オートマティック (Ref.5015 3630 52A) は、特にエレガントです。黒のキャンバスストラップが、時計に特別なコントラストを提供しています。価格は約290万円です。

バチスカーフはまだ比較的若いコレクションです。ブランパンは、2013年にフィフティ ファゾムスの60周年を記念して、広範なシリーズを発表しました。「バチスカーフ」という用語は、スイスの水中研究者オーギュスト・ピカールによって開発された同名の深海潜水艦を指します。当初はケース径が43mmでしか入手できなかったコレクションに、2017年に38mmのサイズのモデルが追加されました。

時計のデザインは、他のフィフティ ファゾムスのデザインよりもはるかにモダンでシンプルです。アワーマーカーにはドットインデックスが採用されており、3時、6時、9時、12時だけ小さなバーインデックスになっています。鉛筆の形をした針と共に、インデックスはスーパールミノバでコーティングされています。

ケースの素材は、ステンレススチール、レッドゴールド、チタン、セラミックから選べます。また、ブランパンはこれらの素材をベゼルインサートにも使用しています。文字盤の色に関しては、初めてグリーンが直径43mmのコレクションに登場しました。一方、白文字盤の38mmサイズのバチスカーフもラインナップされており、これは、このシリーズのユニセックスモデルとなっています。大型なバージョンには、120時間のパワーリザーブを持つブランパンのキャリバー1315が使用されています。38mmの時計を駆動しているのは、100時間のパワーリザーブを提供するキャリバー1150です。時間、分、秒に加えて、どちらも4時30分の位置に日付表示を備えています。

43mmサイズのバチスカーフ

フィフティ ファゾムス バチスカーフのデザインが好きで、クラシックな色の組み合わせをお探しの場合、チタン製のRef.5000 1230 B52Aをお勧めします。このモデルは、黒の文字盤、黒のセラミックベゼル、そして、おなじみの黒のキャンバスストラップを備えています。未使用品の価格は約115万円です。ブルーが好きな方は、Ref.5000 0240 O52Aを詳しくご覧ください。Chrono24での未使用価格は約120万円です。

Ref.5000 36S40 O52Aにもブルーの文字盤とベゼルが搭載されていますが、ケース、針、インデックスはピンクゴールドです。このバージョンには青いNATOストラップが装備されています。価格は約230万円です。黒の文字盤を備えたNATOストラップのピンクゴールドバージョンは約240万円です。Ref.5000 1153 H52Aはグリーンのモデルで、ケースはステンレススチール製です。この時計はChrono24ではまだ非常に稀で、価格は通常265万円を上回ります。

38mmサイズのバチスカーフ

ケース径38mmのバチスカーフ コレクションには、ブラックまたはブルーの文字盤やベゼルを備えたモデルの他に、ホワイトのモデルも提供されています。ブランパンはホワイトモデルを合計6つラインナップしており、これらは主に女性を対象としています。すべてのバリエーションに共通しているのは、高さ11mm未満の特別に薄型なデザインです。これを実現しているのは自動巻きの自社製キャリバー1150と1153で、その高さがわずか3.25mmと非常にフラットです。にもかかわらず、各キャリバーは100時間と95時間のパワーリザーブを提供します。キャリバー1153は、100本に制限されているRef.5100 1130のみに搭載されます。ドットインデックスを持つ他のすべてのモデルとは対照的に、この時計にはアラビア数字と組み合わせたバーインデックスが採用されています。この非常に希少な時計はめったに入手できないため、本稿執筆時点では市場価格を調べることはできませんでした。国内定価は102万6000円です。

白い文字盤と白いキャンバスストラップを備えたモデルをお探しの場合は、Ref.5100 1127 W52Aが適しています。これは、Chrono24では未使用の状態で約90万円です。Ref.5100 1127 NAHAには印象的なライトグリーンのNATOストラップが装備されており、約85万円で未使用品を購入できます。Ref.5100 1140 NAOAは、青い文字盤、青いベゼル、青いNATOストラップを持ったモデルです。未使用価格は同じく約85万円です。

ブランパンはフィフティ ファゾムス コレクションから、クロノグラフ機能を備えた時計も提供しています。バチスカーフ シリーズでは、ステンレススチールと黒または青のセラミックで作られたモデルを購入できます。文字盤とベゼルの色は、ブラック、ブルー、グリーンからお選びいただけます。さらに、様々なブレスレットも提供されています。すべてのバチスカーフクロノグラフのケース径は共通して43.6mmで、50時間のパワーリザーブを持つ、フライバック機能を備えた自動巻きキャリバーF385を搭載しています。

インダイヤルは、クラシックなトリコンパックスで配置されています。30分カウンターは3時位置、12時間表示は9時位置、スモールセコンドは6時位置にあります。3針のバチスカーフモデルと同様に、クロノグラフにも4時30分位置に日付が搭載されています。サファイアクリスタル製のケースバックを通して、ムーブメントの動きを見ることができます。

Ref.5200 0130 NABAはセラミック製で、黒いNATOストラップが取り付けられています。未使用品の価格は約155万円です。ステンレススチールを好まれる場合は、Ref.5200 1110 70Bがお勧めです。黒の文字盤を備えたこのバージョンは、ステンレスのブレスレットを備えており、約165万円で販売されています。ブラックのケースとグリーンの文字盤・ベゼルを備えたセラミックバージョン (Ref.5200 0153 B52A) は、特に興味深い色調の時計です。ブラックのセイルキャンバスストラップは、グリーンと強いコントラストを生み出しています。Chrono24では、このモデルを約245万円で購入できます。

ピンクゴールド製のフィフティ ファゾムス フライバック クロノグラフを手首に着用すれば、特に注目を浴びること間違いなしです。Ref.5085FA 3630 63Bの45mmモデルは、ピンクゴールドのアプライドインデックスが施された光沢のあるブラックの文字盤を備えています。時刻表示やクロノグラフ針にも、同じくこの素材が使用されています。インダイヤルは、トリコンパックスで配置されています。30分のカウンターは3時位置、12時間カウンターは9時位置にあり、スモールセコンドは6時位置に設置されています。内部では、40時間のパワーリザーブを提供するブランパンキャリバーF185が駆動しています。その他多くの時計と同様に、このクロノグラフにもサファイアクリスタルのケースバックが装備されています。

ゴールドケースとのコントラストを作り出しているブラックのサファイアクリスタルベゼルは特に際立ちます。ブランパンは、このモデルに白いステッチが施されたブラウンのカーフスキンストラップを使用しています。この時計の未使用品を購入したい場合、約335万円の予算が必要です。

Ref.5085FB 1140 52Bおよび5085F 1130 52Aは、機能的にはレッドゴールドバージョンと同じですが、素材はステンレススチールです。Ref.5085FB 1140 52Bの文字盤とベゼルは青ですが、5085F 1130 52Aではこれらが黒になっています。どちらの時計にも、それぞれの色に合わせたキャンバスストラップが付いています。青いモデルは約175万円で、黒バージョンは約165万円です。

2019年に発表されたフィフティ ファゾムス バラクーダ (Ref.5008B 1130 B52A) は、ブランパンが1960年代の終わりに導入した同名のモデルのリニューアル版です。時計はステンレススチールでできており、サイズは40.3mmです。文字盤は黒で、他の多くのフィフティ ファゾムスとは異なり、マット仕上げになっています。オリジナルと同様に、インデックスは長方形で、アンティークの特徴を強調する「オールドラジウム」スタイルが採用されています。インデックスは、文字盤の縁方向の先端が赤くなっています。針のセットは白で、オールドラジウム スーパールミノバでコーティングされています。ベゼルは逆方向回転防止で、サファイアクリスタル製のダイビングスケールが刻まれています。

バラクーダは自動巻きキャリバー1151で駆動されています。時、分、秒のクラシックな表示に加えて、3時位置には日付が表示されます。キャリバーには2つの香箱が備えられており、最大100時間のパワーリザーブを実現しています。ブランパンは、ピンバックル付きのトロピカルラバーストラップを装備したスタイリッシュなバラクーダを提供しています。裏蓋はサファイアクリスタルで、外側から中身のムーブメントの動きを見ることができ、この部分はオリジナルモデルとは異なります。

フィフティ ファゾムス バラクーダはわずか500本に限定されており、未使用品は、Chrono24で約245万円で提供されています。これは、公式の定価である139万円と比較して、100万円以上の価格上昇を意味します。

ノーラディとは、放射性物質であるラジウムを使用していない、という意味です。ブランパンは2021年に、「フィフティ ファゾムス BUND RPG1」の新版であるフィフティ ファゾムス ノーラディ (Ref.5008D 1130 B64A) を発表しました。同社は1960年代に、ドイツ海軍の戦闘スイマー向けにこの時計を製造しました。当時、「放射性なし」という名称は、放射性物質のラジウムがアワーマーカーや針の夜光塗料として使用されなくなったことを意味し、これによって着用者に危険をもたらすことがなくなりました。ブランパンは、文字盤の6時位置の上部に黄色の丸いロゴを堂々と表示しています。このシンボルは、現行の新版においてもとても目立っています。ブランパンは、夜光塗料としてダーク「オールドラジウム」スーパールミノバを使用しています。これは、暗闇の中で緑色に光り、時計のアンティーク感を強調しています。

ノーラディには、約280万円の価格が付けられます。このための資金がある方は、500本に限定された比較的スリムな40.3mmのステンレススチール製フィフティ ファゾムスを購入できます。内部では、100時間のパワーリザーブを備えた自動巻きキャリバー1151が時を刻みます。キャリバーは時計に時、分、秒の表示を提供し、3時位置には日付表示があります。この時計を手首に巻くのは、ブラックのトロピカルラバーストラップです。国内定価は139万円です。つまり、このモデルの市場価格は過去数か月で定価の約2倍になったことを意味します。

フィフティ ファゾムス トゥールビヨン 8デイズ Ref.5025 3630 52Aは、フィフティ ファゾムス コレクションの中で最も技術的に洗練された時計です。45mmの時計のケースはレッドゴールド製で、サファイアクリスタルの典型的なブラックベゼルを備えています。光沢のある文字盤もブラックで、針とインデックスはピンクゴールド製です。時計の心臓部には、自社製キャリバー25Aが搭載されています。12時位置にはトゥールビヨンが設置されており、6時の上にあるパワーリザーブインジケーターでは、8日間に相当する192時間の駆動時間の消耗率を確認できます。サファイアクリスタルのケースバックを通して、ケース内の機構の動きを眺められます。フィフティ ファゾムス トゥールビヨン 8デイズには、黒いキャンバスストラップが取り付けられており、未使用品の価格は約1220万円です。