リシャール・ミルラファエル・ナダル

ラファエル・ナダルがグランドスラム大会でどんな時計を着用しているか気になったことはありませんか？テニスコートでもオフでも、スペイン人の彼はリシャールミルの超軽量の腕時計を愛用しています。このスイス時計メーカーは2008年からプロテニスプレーヤーのナダル選手と提携しており、彼は2010年以降の主要な大会では、彼のために専用にデザインされた時計を着用しています。 モデルRM 27-03 は、マヨルカ島出身の彼のためにデザインされた最新モデルの一つで、国内定価は8900万円です。50本限定のトゥールビヨン時計は、クォーツTPT®と呼ばれるケース素材を採用しており、レッド・イエローのカラーリングが目を引きます。さらに、この時計は 1万グラムまでの衝撃に耐えるため、ナダル選手の強いサービスで時計に強いショックが与えられても問題ありません。

リシャールミルのラファエル・ナダル時計は、最新のハイテク素材を使用しているため、非常に軽量で耐久性に優れています。だからこそ、ナダルは2019年、オーストリアのドミニク・ティエム選手を4セットで破って通算12回目の全仏オープン優勝を果たした時のように、安心して時計をコートで身につけることができるのです。勝利の際、ナダルはトゥールビヨン搭載のRM 27-03を着用していました。

数年前、ラファエル・ナダルのリシャールミルの時計が盗まれる事件が起こりました。2012年6月、全仏オープンの決勝でノバク・ジョコビッチを破った後の話です。約4015万円の高級時計が、ナダルが滞在していたホテルの部屋から謎の失踪を遂げました。その時計は彼にとって借り物だったこともあり、この経験は彼にとって衝撃的なものだったに違いないでしょう。幸いなことに、しばらくして盗まれた時計は警察によって発見され、その後容疑者の逮捕が発表されました。

ラファエル・ナダルは、2021年に新しい リシャールミル RM 27-04 トゥールビヨン で再び注目を集めました。重さはわずか30グラムで、チタンとカーボンの合金である「TitaCarb®」と呼ばれる素材を使用しています。1万2000グラムまでの耐衝撃性を備えたこの軽量モデルは、わずか50本の限定生産で、もし入手できた場合の価格は1億700万円～1億3380万円です。

リシャールミルは2010年、初のナダル時計をRM 027という名称で発表しました。メーカーの目的は、激しい打撃や加速が飛び交うテニスのプレー中にも着用できる、 強力な耐衝撃性を持つトゥールビヨン時計を市場に送り出すことでした。モデルRM 027は世界一軽いトゥールビヨン搭載の機械式時計のひとつに数えられます。スケルトン加工が施された機構の重さは、わずか4グラム以下です。この軽さは、チタンとリチウムの合金素材を使用することによって実現されています。またこの素材によって、内部に至るまでとても堅牢なタイムピースとなっています。サイズ40mmx48mmのカーボンケースとトゥールビヨン機構の合計重量は、 約13グラムです。時計全体の重さはわずか20グラムになります。

リシャールミル RM 027 トゥールビヨン ラファエル・ナダルは 50本に限定されており、市場に出回っているのはたったの数本です。発売当時の定価は4700万円でしたが、現在状態の良い中古時計の価格は約6692万円になっています。

RM 027発売から3年後、リシャールミルは モデルRM 27-01 を発表しました。この時計の特徴は、斬新なショックプロテクションにあります。マニュファクチュールでは、キャリバーの固定に0.35mmの細いスチールの糸を使用しています。この驚異的なメカニズムにより、このトゥールビヨン時計は5000グラム以上の加速度に耐えることができます。

約46mmx39mmのグレーのケースには、特殊なプラスチックが使用されています。そして、その中にカーボン製のチューブが埋め込まれています。RM027と同様、トゥールビヨンキャリバーにはチタンとアルミニウム・リチウム合金が使用されています。この合金は主に航空宇宙産業で使用される素材です。リシャールミルは、このラファエル・ナダル時計も50本限定で生産しており、2013年の発売時には60万ユーロ (約8025万円) 以上しました。

リシャールミル RM 27-02 ラファエル・ナダルは、クォーツ時計という言葉に新たな意味を与えました。通常、クォーツ時計といえば、安価な電池式のムーブメントを搭載したものを思い浮かべるでしょう。しかしRM 27-02の内部には、クォーツではなく、高度にスケルトン化された手巻きトゥールビヨンキャリバーが搭載されています。

ではこナダル時計が何故「クォーツ時計」なのかというと、それはケースの素材に クリアクォーツとカーボンが使用されているからです。この素材は特に軽量で、同時に強い耐久力を備えています。何百枚もの薄いクォーツの層を重ねた素材でケースが作られており、これが新しい質感を与えています。このクォーツ層がケースの表面・裏面に使用されており、ケース中央はカーボン素材となっています。

また、ケースバックをムーブメントの地板として使用しているのも画期的です。サイズは約40mmx48mm。目を引くオレンジのナイロンストラップが、リシャールミルのラファエル・ナダルウォッチをしっかりと手首に固定してくれます。RM 27-02は50本の限定生産です。Chrono24でこのモデルのご購入をお考えの方は、最低でも7420万円のご予算をご用意ください。

モデルRM 27-03 は2017年に発売され、すでにいくつかのグランドスラムに登場しています。クォーツTPT素材のケースは赤と黄色のストライプでデザインされており、スペインの国旗がモチーフとなっています。リシャールミルは45μmの大変薄い二酸化ケイ素の層を合成樹脂に飽和させることで、素材の配色を作り上げています。ケース素材は軽量かつ耐久性に強く、50m (5気圧) までの耐圧性を備えています。

モデルRM 27-03のさらなる特徴は、1万グラムまでの加速度に耐えうるトゥールビヨンとケージです。これが意味することの比較として、ジェット機のパイロットが練習飛行を行う際の加速度は「たったの」9グラムです。この数値ですでに、普通の人間が耐えられる最大の加速度に値します。トゥールビヨンの上にあるスケルトンのブリッジは、ラファエル・ナダルの出身国スペインのシンボルでもある雄牛をイメージしてデザインされています。

未使用のモデルは約8490万円で購入できます。50本限定のRM 27-03の定価は、2017年の時点で9612万円でした。

RM 27-04 ラファエル・ナダル2020年、リシャールミルとラファエル・ナダルのコラボレーションは10年目を迎えました。これを機に2つの新記録を持つナダルの新モデルが発表されました。 RM 27-04 ラファエル・ナダル の重量は30グラムで、RM 027よりも3分の1ほど重いですが、1万2000グラムまでの加速に耐えることができます。この軽さは、チタンと38.5%のカーボンの合金からなるTitaCarb®という素材によるものです。トゥールビヨンを搭載した手巻きキャリバーRM27-04は、時間と分を表示します。キャリバーには、0.27mmの細いスチール糸がテニスネットのように張って固定されています。この時計は50本の限定生産で、入手可能な場合、1億705万～1億3380万円の価格となります。価格的にも、リシャールミルの時計としては新記録です。

リシャールミル RM 035 は2011年に発売されたモデルで、ラファエル・ナダル時計の中では「安い」とれています。状態の良い中古時計は、約2677万円で提供されています。

複雑なスケルトン作業が施されたキャリバーの重さはたったの4.3グラムで、マグネシウム・アルミニウムのケースに包まれています。この素材は大変軽く、また錆びに強く硬質なことで知られています。モデルRM 035にはトゥールビヨンは搭載されていませんが、その代わり、この腕時計はクロノファイアブルとして認定されています。スイスで検定されるクロノファイブルでは、時計は意図的に早められた老化プロセスのテストに合格する必要があります。検定では、衝撃、加速、湿気、磁場、温度差に対して時計にどれだけの耐久力があるかが調べられます。検定は3週間の期間を要し、この期間に6日月の着用期間がシミュレーションされます。

リシャールミルは、2017年にRM 035のリニューアル版を2種類のモデルで発表しました。そのひとつは完全に18Kピンクゴールドで出来たモデル、もうひとつはセラミックとピンクゴールドから成るモデルです。2つ目のモデルでは、ケース中央がゴールド、表・裏面がマットブラックのセラミックで作られています。各モデルの本数は、50本に限定されています。これらの特別モデルは、北米と南米の国々のみで販売されました。Chrono24では、このモデルの状態の非常に良い中古品～未使用品を約5274万円でご購入いただけます。

リシャールミル RM 35-01 ラファエル・ナダルで注目すべきはケースです。その素材には時代を先導するカーボン重層のカーボンNTPTが使用されています。一つ一つのカーボン層は30μmと大変薄型です。完成した時計ケースのサイズは、50mmx42mmになります。また、特殊な素材により一風変った質感が楽しめます。さらに、カーボンNTPTは非常に硬質な素材です。全体の厚さ14mmのナダル時計は50mまでの防水性を備えます。

この時計内で時を刻むのは、 手巻きキャリバーRMUL3です。モデルRM 035の機構はスケルトンです。2つの香箱を備えるこの機構のパワーリザーブは55時間です。状態の良い中古RM 35-01モデルの価格は2463万円～2543万円になリます。未使用品はあまり出回っておらず、価格はこれより数十万円高くなります。

リシャールミル RM 35-02 ラファエル・ナダルは、初めての自動巻きキャリバー搭載のナダル時計です。自社製キャリバーRMAL1のローターでは、 巻き上げの効率の変慣が可能です。例えば、腕を少し動かすだけの場合、ケース内の振り石の動きが速く成ります。これに対し、テニスのプレー中などで激しい運動をすると、ローターの動きが減速し、しかし効率よく時計が巻かれるようになっています。パワーリザーブは55時間です。RM 35-01と同様、RM 35-02モデルの機構もスケルトンです。

リシャールミル RM 35-02 ラファエル・ナダルのケースには、カーボンNTPTとレッドTPTクォーツの2つのバージョンがあります。どちらのケースも、極薄のカーボンファイバーを積層した「NTPT」と、水晶振動子を積層して合成樹脂を用いた「TPT Quartz」の複合素材を採用しています。どちらのバージョンもパターニングされています。特に赤のケースに白の差し色が入っているのが目を引きます。ラファエル・ナダルの赤いRM 35-02に興味をお持ちの方は、未使用品で約3346万円をご用意ください。RM 35-02のブラックカーボンバージョンは少しだけ安くなります。

リシャールミル ラファエル・ナダル時計は世界一エクスクルージブで、高価格な時計として有名です。この時計がこれほどまでに高額な理由は、精巧な製造プロセスにあります。この精巧さは、ケースを作るだけでも非常に長い時間を要するほどです。ケースのフォルムは、通常トノー型で膨らみを帯びたています。そして、これに炭素繊維やマグネシウム合金などのモダンな素材が使用されます。こういった素材により、リシャールミルは時計の重量を記録的に削減することに成功しています。

また、特殊で複雑な自社製キャリバーも高価格の理由のひとつです。リシャールミルは、他のメーカーには無い革新的なテクノロジーで有名です。これに、同じく製造に多くの時間を要する芸術的なスケルトンのムーブメントが追加されます。これらすべて、そしてその他いくつかの理由より、この時計は少数の人々にしか提供されない大変エクスクルージブなものとなっています。リシャールミルの時計を所有するということは、フェラーリをドライブしたり、コート・ダジュールを豪華ヨットで走ったりするのと同じく、ごく一部の人間に限られた喜びを経験するということなのです。