ドイツ製時計 – 最高級の品質
ドイツ製時計は、ドイツの工業技術を搭載する高精度で精密な時計として知られています。その中には、世界で最も複雑なコンプリケーションを搭載し、また、世界最高級の部類に入る、この上なく美しい時計もあります。
ドイツ製時計を買う5つの理由
- 最上級の「ドイツ製」品質
- 高級時計の世界で最上級であるA.ランゲ&ゾーネ時計
- ムーブメントの現地生産率50%を誇るグラスヒュッテ産時計
- 自社製キャリバー搭載で安価なノモス時計
- 高いコストパフォーマンスのユンハンス時計
数々の時計メーカーを誇るドイツ
ドイツは高級時計産業において、スイスに並ぶ主要な国です。100件を超える時計メーカーが、ドイツの各地で時計生産を営んでいます。中でもザクセン州にある小さな町 グラスヒュッテは、ドイツ時計産業の中心地とされており、A.ランゲ&ゾーネやノモス グラスヒュッテ、また、グラスヒュッテ・オリジナルなどの世界的に有名なブランドがこの地を拠点としています。これらのメーカーは、グラスヒュッテのマニュファクチュールにて、日々最高級レベルの時計製造に励んでいます。
A.ランゲ&ゾーネが作り出す高級時計は、世界最上級の部類に入ります。ファンや専門家たちからは、同ブランドはパテック フィリップやオーデマ・ピゲ、また、ヴァシュロン・コンスタンタンなどのスイスメーカーに並ぶ超高級メーカーと称賛されています。A.ランゲ&ゾーネを代表するモデルは、オフセンターの文字盤とビッグデイトが特徴的なランゲ1です。さらにこのブランドは、永久カレンダーやトゥールビヨン、ラトラパンテ クロノグラフなどを搭載した時計も提供しています。
バーデン=ヴュルテンベルク州のシュヴァルツヴァルトは、ドイツ第2の時計生産地で、この地はグラスヒュッテに比べて格段に広い面積を持ちます。ドイツには「ロマンチック街道」や「メルヘン街道」などがありますが、その他にも「ドイツ時計街道」があります。全長約320kmある時計街道は、シュヴァルツヴァルトのほぼ全域を周回するようになっています。この街道を辿ると、この地における重要な時計産業の中心地を巡回するようになっており、時計産業の歴史を学ぶことができます。
ドイツの南西地域でおそらく最も有名な時計メーカーは、ユンハンスでしょう。1861年にシュランベルクという町で創業したユンハンスは、20世紀初期に世界最多の製造本数を誇る時計メーカーにまで成長しました。その際同社は3000人の従業員を抱え、年間300万本以上の時計を製造する大企業でした。ユンハンスの最も有名な腕時計はマックスビルです。このモデルは、モデル名の由来である1961年にバウハウスに影響されたスイスの建築家で芸術家、マックス・ビルによって設計されました。この時計はまさに バウハウスの理念に忠実で、シンプルで機能的、また、直線的に仕上げられています。同メーカーは、最新のソーラー電波技術を搭載した腕時計も自社のプログラムに取り入れています。
ドイツ製時計の価格は?
メーカー | モデル | 価格 (約) | サイズ | 機能 |
A.ランゲ&ゾーネ | ランゲ1 トゥールビヨン 永久カレンダー | 2700万円 | 41.9mm | 永久カレンダー、トゥールビヨン |
A.ランゲ&ゾーネ | ランゲ1 | 300万円 | 38.5mm | ビッグデイト |
グラスヒュッテ・オリジナル | セネタ エクセレンス | 145万円 | 40mm | 自動巻き |
ノモス グラスヒュッテ | タンジェント ネオマティック 41 アップデート | 34万円 | 40.5mm | 自動巻き、日付表示 |
ノモス グラスヒュッテ | メトロ | 30万円 | 37mm | パワーリザーブ、日付表示 |
ジン特殊時計 | UX GSG 9 | 25万円 | 44mm | 日付 |
ユンハンス | マイスターパイロット | 20万円 | 43mm | クロノグラフ、オートマチック |
ジン特殊時計 | 103 St | 20万円 | 41mm | クロノグラフ、デイデイト、自動巻き |
ユンハンス | マックスビル | 10万円 | 38mm | 自動巻き、日付表示 |
ドイツ製時計の価格は?
ドイツにある小さな町グラスヒュッテは、時計産業における長い歴史を誇ります。1845年、実業家 フェルディナント・アドルフ・ランゲは、スイスの時計産業を参考にした時計生産の基盤をこの小さな町に築き上げました。グラスヒュッテ産の時計は、常に大変高品質で信頼の置ける時計を生産している、と100年以上に渡り知られてきました。そして、それは現在も変わらず続いています。ムーブメントの現地生産率が50%以上のもののみ、その文字盤上に「Glashütte (グラスヒュッテ)」の刻印を施すことが許可されています。さらに、A.ランゲ&ゾーネ、モリッツ・グロスマン、グラスヒュッテ・オリジナル、ノモスなどのメーカーは、それより格段に高い現地生産率を誇っており、例えばノモス時計では、その数値は95%にまで及びます。
グラスヒュッテ産時計には、様々な価格帯のものが提供されています。例えばブルーノ・ゾンレーのクォーツ時計は、数十万円の価格でご購入いただけます。手巻き式の自社製キャリバーを搭載するノモス時計は約13万円から、また、自動巻きのモデルは約23万円からお買い求めいただけます。それらに比べてずっと高価格な時計には、最上級のA.ランゲ&ゾーネ時計があります。プラチナ製のデジタル表示付き、ミニッツリピーター搭載モデル、ツァイトヴェルクには、3750万円以上の価格が付けられます。また、グランドコンプリケーションは定価約190万ユーロ (約2億3500万円) で、世界で最も高価格な時計の部類に属します。
A.ランゲ&ゾーネ、ランゲ1の価格は?
A.ランゲ&ゾーネの時計のすべてが、これほど高価格だというわけではありません。1994年以降A.ランゲ&ゾーネが提供している、このブランドを代表するモデル ランゲ1は、これよりずっと低価格です。このモデル最大の特徴は、完璧に仕上げられたオフセンターの時刻表示とビッグデイトです。この時計にはローマ数字が使用されており、ゴールド、もしくは、プラチナ製のラウンド型ケースと、美しいレザーストラップを持つ完璧なドレスウォッチです。時計に搭載される機構はすべて自社製キャリバーで、それらには精巧なフィニッシングが施されています。レッドゴールドモデルの新品価格は約300万円、中古価格は約260万円です。
ワールドタイム機能を搭載する ランゲ1 タイムゾーン のご購入をお考えの場合、新品のホワイトゴールドモデルの価格は415万円、中古時計の価格は約400万円になります。シリーズ内で最も高価格の時計はランゲ1 トゥールビヨン 永久カレンダーで、その価格は新品約2700万円になります。
A.ランゲ&ゾーネ、ツァイトヴェルクの価格は?
A.ランゲ&ゾーネの時計の中で、これらに続く特別なタイムピースには ツァイトヴェルクがあります。これは、同ブランド初のデジタル表示搭載、機械式腕時計です。この時計において、時刻は針で示されるのではなく、時間と分の数字がクイックチェンジするデジタル機能を用いて表示されます。秒表示に関しては、インダイヤルと針表示で示されます。自社製キャリバーL043.1は36時間のパワーリザーブを保ち、ランゲ社の時計において定番である、精巧な仕上げが施されています。新品価格はレッドゴールド、ホワイトゴールドの両モデルとも約620万円以上、中古は約600万円になります。
ノモス タンジェントの価格は?
ノモスと言えば、まずタンジェントを思い浮かべる方が多いでしょう。このバウハウス調の時計ほど、グラスヒュッテ出身のノモスブランドを体現するものはありません。このシンプルな時計のデザイン特徴は、ラウンドの薄型ケース、裏側に曲げられたラグ、6時位置のスモールセコンド、そして細長い針です。文字盤上にはアラビア数字と細いバーインデックスが交互に配置されており、分目盛りは薄い線で軽やかに描かれています。このデザインは見てすぐそれと分かるもので、ノモス タンジェントの象徴でもあります。
タンジェントには、手巻き式、もしくは自動巻きの自社製キャリバーが搭載されています。コレクション内でも最高峰を成すモデルは、2018年に発表された タンジェント ネオマティック 41 アップデート です。このモデルは自動巻きキャリバー使用にもかかわらず、厚みはたったの7.9mmです。ケースサイズ41mmのこの腕時計では、文字盤の縁に刻印された数字と2つの赤いマーキングによって、日付が表示されます。ノモスは、キャリバーDUW 6101において、ノモススウィングシステムを使用しています。この脱進システムは、同社によって独自開発されて、2014年に発表されました。社内で独自の振幅・脱進システムを開発するのは大変困難で、これを成し遂げるメーカーは少数に限られているため、ノモスのこの開発は時計界に対する独立宣言でもありました。タンジェント ネオマティック 41 アップデートの価格は、新品約34万円、中古約30万円です。
ベーシックなタンジェントは、ノモス創業の2年後である1992年に発表されたモデルです。そのケースサイズは35mmで、機構としては手巻き式キャリバー、アルファによって駆動されています、ケースの厚みはさらに薄型の6.2mmで、オフィスに着けて行くのに最適です。新品の価格は約15万円、中古の価格は約13万円です。タンジェントのベーシックモデルは、グラスヒュッテ産の時計の中でも低価格の部類に入ります。
ノモス メトロの価格は?
それに並び、数々の受賞を受けてきたメトロも、人気のノモス時計です。ベルリンで活躍するデザイナー、マーク・ブラウンが、このドイツ製時計のコスモポリタンなデザインを考案しました。デザインの特徴は、ドットの分・時目盛り、6時位置に配置されたスモールセコンド、ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルを思わせる先端が細くなっている時計針です。
ノモスは2014年、独自開発のスイングシステムと同時に、初の メトロを発表しました。この元祖モデルでは、文字盤の上半部にプレート式のパワーリザーブインジケーターが、また、6時位置には日付表示が搭載されています。この手巻き式時計は、新品約30万円でご購入いただけます。中古時計はそれより約数十万円安くなります。ケースサイズ35mmのネオマティックモデルは、約45万円で提供されています。
グラスヒュッテ・オリジナル セネタの価格は?
グラスヒュッテ・オリジナルのセネタ コレクションで提供されている時計は、クラシックなデザインで仕上げられていますが、搭載されている機構は最新の自社キャリバーです。キャリバーは大変美しくフィニッシング装飾されており、それはランゲ&ゾーネの機構と比べても劣らないほどです。デザインの特徴には、洋ナシ型の青く発色した時計針、ローマ数字、文字盤の円周に見られるレイルウェイ・ミニッツトラックです。 グランド・コスモポリト・トゥールビヨン シリーズの中でも最高級のモデルは、まさに最高級の時計芸術を象徴するものです。この時計には、永久カレンダーとトゥールビヨン、また、ワールドタイム機能が搭載されています。多数のコンプリケーションを搭載するこの時計の価格は、約4050万円です。
それに比べてずっと低価格でシンプルなのは、3針自動巻きモデルで、素材にはゴールドとステンレスの2種類があります。 セネタ エクセレンス は新品約80万円、中古約70万円で販売されており、比較的安価と言えます。レッドゴールドモデルの価格は、新品約145万円、中古約130万円になります。
スポーティーかつ優雅で、機能的な腕時計をお探しの方には、 セネタ クロノグラフ パノラマデイト がおすすめです。特に蛍光針とインデックスを備え、12時と6時のみがローマ数字表記のステンレスモデルは、このシリーズ内でも最もスポーティーなモデルです。自社製キャリバー37-01によって駆動されるこの腕時計には、フライバック クロノグラフ、パワーリザーブ・インジケーター、通常より大きなパノラマデイトが搭載されています。このクロノグラフのステンレスモデルは新品約125万円、中古約110万円です。18Kレッドゴールドモデルは、新品約235万円、中古約200万円でお買い求めいただけます。
他のグラスヒュッテ産メーカーによる時計の価格は?
グラスヒュッテを拠点とする時計メーカーは、他にもいくつかあります。ミューレ・グラスヒュッテ、ユニオン グラスヒュッテ、ヴェンペ グラスヒュッテ、チュチマがこれに当たります。チュチマは、現在も製造されていて由緒あるパイロットウォッチで有名です。同メーカーはすでに1940年代に、当時テンポストップと呼ばれた、いわゆるフライバック機能を搭載したパイロット・クロノグラフの製造に成功しました。今日 グランドフリーガー・クラシック シリーズにラインナップされている時計は、フレーテッドベゼルと洋ナシ型の針を持ち、昔ながらのパイロットウォッチを思い起こさせます。新品のグランドフリーガー・クラシック クロノグラフは約40万円、中古は約25万円でご購入いただけます。1940年代に製造されていた古いモデルはコレクターに注目されるもので、価格約50万円~115万円で提供されています。
チュチマ ミリタリークロノグラフ もまた、グラスヒュッテ出身のチュチマが提供するミリタリーウォッチです。1980年代に開発されたこの腕時計は、現在までドイツ空軍に従事するパイロットたちによって公認クロノグラフとして着用されています。この時計の特徴は、丸みを帯びたケース、ねじ込みリューズ、24時間表示、センター分針です。ミリタリークロノグラフは、中古で約20万円からの価格でお買い求めいただけます。空軍クロノグラフモデル チュチマ M2は、約50万円で販売されています。
ヴェンペ グラスヒュッテの時計の中で最も高級なモデルは、生産量25本に限定されている トノー型のプラチナ時計、クロノメーターヴェルケ トゥールビヨン です。ヴェンペはこの時計に搭載されているムーブメントを、ノモスと共同で開発しました。まるで美術品のよう美しいこの時計は、定価4万9500ユーロ (約620万円) にて販売されています。ツァイトマイスターシリーズにラインナップされている時計は、これより格段に安くなります。カレンダー機能とムーンフェイズ表示搭載のクロノグラフは、新品価格約45万円にてご購入いただけます。また、ツァイトマイスターワールドタイムの価格は、新品約25万円になります。
さらなるドイツの時計メーカーである ミューレ グラスヒュッテ は、水中や海中、また、飛行時に着用できる、機能的な腕時計で名声を誇っています。家族企業であるこのメーカーは、海上救急隊、ならびに航空救急隊のための時計シリーズとして、S.A.R.シリーズを開発しました。がっしりとしたS.A.Rパイロットクロノグラフでは、リューズとプッッシュボタンが左側に取り付けられています。この時計の価格は中古約25万円、新品約35万円にて販売されています。3針時計である S.A.R.レスキュータイマーの価格は中古約15万円、新品約17万円でご購入いただけます。
ユニオン グラスヒュッテ が提供する中で最も注目されるのは、パイロットウォッチやレーシングウォッチを提供する、ベリザーシリーズです。中でも最高級のモデルは、スポーティーかつ優雅なデザインで仕上げられたベリザークロノグラフで、この時計にはムーンフェイズ表示とカレンダー機能が搭載されています。その価格は新品で約30万円、中古はそれより約4万円安い価格で提供されています。生産量が300本に限定されたレトロクロノグラフ ベリザー ザクセンクラシック 2018は、そのデザインのためトレンド時計とされており、新品を約30万円でご入手いただけます。2016年にベリザー パイロット パワーリザーブは、ドイツの時計専門雑誌Armbanduhren (アームバンドウーレン)にて、輝かしい「今年のベスト時計」を受賞しました。受賞歴を持つこの時計のご購入をお考えの場合、新品には約23万円、中古には約21万円のご予算をお立てください。
ユンハンス時計の価格
ユンハンスはグラスヒュッテ以外の土地を拠点とするドイツ時計メーカーの中で、最も有名なメーカーです。同メーカーは、ドイツ南西に位置するバーデン=ヴュルテンベルク州のシュランベルクに拠点を置き、150年以上の歴史を誇っており、ドイツで最も長い伝統を持つブランドの中に数えられます。ユンハンスは1950年代、ドイツ最大のクロノメーター製造メーカーであり、当時その生産本数は世界で第3位でした。また、ドイツ連邦軍が初めて着用したパイロットクロノグラフもユンハンス製で、1950年代にはこれらの時計は軍へ供給されていました。
マックスビルは、おそらく最も有名なユンハンスの時計でしょう。モデル名の由来となっている芸術家兼建築家、また、デザイナーでもあったマックス・ビルは、バウハウス・デッサウ校にて学びました。彼はウルム造形大学の創立者の一人でもあります。1950年代ユンハンスからの依頼で、ビルは彼の生徒たちと共に、機能的で読みやすいキッチン時計のデザインを手掛けました。この日常使用用品であるキッチン時計のデザインが、後に発表された腕時計マックスビルの原型となっており、その外見には当時から現在までほとんど変更が加えられていません。構造的な特徴は、特に細いインデックスとアワーマーカーで、これはまるで文字盤からはみ出ているかのように見えます。 また、3時、6時、9時、12時位置には、小さな光のルミナスポイントが見られます。さらに、12時位置には2つのルミナスポイントが、アワーマーカーの線の左右に一つずつ配置されています。いくつかのモデルにおいては、アラビア数字を配置する空間をもたらすために、アワーマーカーが短めになっています。
ユンハンス・マックスビルには、機械式、もしくはクォーツ式のETAキャリバーが搭載されています。これらの機構はすでに長年の成果を持ち、その熟成した性能は信頼の置けるものです。クォーツ機構搭載のモデルは大変安く、約5万円からの価格で販売されています。クォーツ式の電波機構を搭載するマックスビル メガは、それより2万5000円ほど高い価格で提供されています。手巻き式のマックスビルは約7万円、自動巻きモデルは約10万円で提供されています。クロノグラフ機能を搭載するマックスビル クロノスコープは、新品約16万円でご購入いただけます。
シュランベルクの時計ブランドが誇るさらなる腕時計シリーズは、 ユンハンス マイスター です。このシリーズの特徴は、視認性の高い文字盤と細いインデックス、もしくは大きなアラビア数字、またはドルフィン針です。ブラックの文字盤と12角のベゼルを搭載するレトロ時計のマイスターパイロットは、1950年代のドイツ軍用クロノグラフを連想させます。しかし、ケース直径43mmのリニューアル版は、昔のモデルに比べて大型なサイズになっています。時計内では、ETA 2824をベースにしたユンハンス キャリバーJ880.4が時を刻みます。この機構にはクロノグラフモジュールが搭載されており、最長30分までのタイムを計ることが出来ます。また、パワーリザーブは38時間です。新品時計の価格は約20万円で、高いコストパフォーマンスを持つと言えます。50年代のヴィンテージモデルの価格は、状態の良し悪しにより約17万円~50万円になります。
ジン特殊時計の価格は?
ドイツ、フランクフルト出身の ジン特殊時計は、比較的若い時計メーカーです。元パイロットで、パイロット養成訓練の教官、またラリードライバーでもあったヘルムート・ジンは、1961年にジン社を創立しました。初期、ジン社は機能性に重点を置いた時計を低価格で提供することに従事しました。このためジンのプログラムには、視認性の高いパイロットウォッチやダイバーズウォッチ、また、救助隊や特別部隊の隊員たちによって着用される時計が見られます。
例えば ダイバーズウォッチ UX GSG 9 は、海軍の潜水部隊 GSG 9によって任務遂行時に着用されています。ドイツの潜水艦に使用される、スチール素材でできたクォーツ時計は、水深1万2000m (1200気圧) までの防水性を備え、深さ5000m (500 気圧) まで問題なく着用できます。この強固な腕時計は、新品約25万円、中古約18万円で販売されています。
ジン103 St は、ドイツ産のクラシックなパイロットウォッチです。このクロノグラフの特徴はブラックの文字盤と、60分目盛りが刻印された両方向回転ベゼル、3時位置のデイデイト表示、12時、9時、6時位置のインダイヤルです。スタンダードモデルでは、衝撃に強いアクリルガラスが使用されています。ステンレス製ケースは水深200m (20気圧) までの防水性を備え、水泳やシュノーケルダイビングの際にも着用できます。機構には、長年に渡りその成果を実証してきたバルジュー7750が搭載されています。新品価格約20万円のクロノグラフ103 Stは、低価格なストップウォッチ腕時計です。
その他のドイツ製時計ブランド
ドイツには、全国各地において多数の時計メーカーが存在しています。その多くが大きな都市を拠点としていますが、小さな町で時計製造を営むメーカーもあります。ドイツにおける時計産業の中心地と言えば、やはりエルツ山脈地方にあるグラスヒュッテやシュヴァルツヴァルト地域などがあげられますが、中でも特に時計の産地として名高い町は、フォルツハイムです。大都市に拠点を置くのは、アルキメデ、ベンツィガー、もしくは ラコなどがあります。また、 ストーヴァ工房は大都市の郊外にあります。ラコとストーヴァの両メーカーは、パイロットウォッチで有名です。
バイエルン州の州都ミュンヘン近辺にあるイスマニングという町には、ポイントテックエレクトロニックという企業があります。 ユンカース、ツェッペリン、アイアン・アニー、マキシミリアンなどの、低価格で高品質な時計で有名なブランドが、この企業に属しています。また、UTSミュンヘンや、エルウィン・サトラーなどのブランドも、ミュンヘンで時計製造に励んでいます。
ドイツの首都ベルリンで最も有名な時計メーカーは、 アスカニアです。2004年に創業した同メーカーが提供する時計シリーズは、以前精密機器と光学機器の製造を営んでいた、同じくベルリン出身のアスカニアヴェルケ社の製品を思わせます。アスカニアヴェルケ社の製品の中で最も有名なのは、映画撮影用カメラとプロジェクターです。
ベルリンの時計メーカー リリエンタールは、時計産業における若いスタートアップ企業です。このメーカーが提供する安価なモデル「Made in Germany」には、スイスのクォーツ機構ロンダが搭載されており、そのデザインは都会的でモダンです。文字盤とレザーストラップはドイツ製です。
ドイツの西側には、 マイスタージンガーがあります。ミュンスターに拠点を置くこのメーカーは2001年に開業し、1針時計の製造を専門としています。マイスタージンガーの企業史はまだ浅いですが、1針時計については長い歴史を持ちます。中世の時計台には、1針の時計がよく使われていました。また、メーカーの名前にも、15世紀~16世紀にかけて民間の歌手や作家がギルド (組合) を結成し、それを「マイスタージンガー」と呼んだ背景があります。
1針の時計構造には珍しい利点があります。それは、「走らない」ということです。これは、ブランド名の上に配置された同社のロゴにも現れています。このロゴは楽譜に使われ、音を延長するフェルマータ記号を逆さにしたものです。マイスタージンガーが提供する商品は、ラウンド型のクラシックなドレスウォッチからシンプルで時代を問わないバウハウスデザインのモデル、また、水深200m (20気圧) までの耐水性を持つスポーツウォッチに至るまで、多岐に渡ります。お馴染みの1針時計の価格は、約6万円のクォーツ時計から始まり、ゴールド製の特別限定モデルの価格は約185万円になります。多くの機械式時計の価格は、13万円~25万円ほどになります。