防水時計

水気や湿気による浸水は、時計にとって大敵です。機械式時計では水気によって潤滑油が流れ落ち、これが錆びの原因となります。クォーツ時計やスマートウォッチに湿気が帯びた場合、また電池が漏洩したり放電する可能性があります。このため、時計を購入する際には防水性を考慮することが重要となります。 防水時計とは、3気圧以上の圧力に耐久する時計を指します。これは、水深およそ30mでの圧力に値します。

しかし残念ながら、防水性30mもしくは3気圧防水と表示されている時計を着用して水深30mまで潜水できるわけではありません。3気圧防水の時計は、雨水や手を洗う際の水しぶきのみから保護されています。50m (5気圧) 防水の時計は、軽くシャワーを浴びたりお風呂につかる際にも着用できます。ビーチやシュノーケルダイビング、プールでの水遊びにも着用できる時計をお探しの場合、最低100m (10気圧) の防水性が必要です。ダイビングをされたい場合、150m (15気圧) 以上の時計をお選びください。しかし基本的に、100％防水の時計は存在しません。特にパッキン部分は時計における浸水の弱点で、この箇所に関しては定期的に検査を行うことをお勧めします。

多くの時計メーカーは防水性をATMで表示します。ATMは日本でも使用される圧力の単位記号です。この単位はbarと同じで、例えば20ATMは20barになります。

防水時計の種類は、レディース・メンズの両タイプにおいて大変豊富に提供されており、低価格のクォーツモデルから自社製キャリバー搭載の自動巻きモデルまで多岐に渡ります。スポーツウォッチの分野では、過去数十年において防水性がさらに向上してきました。また、ドレスウォッチにも防水性を備えるモデルが提供されています。

特に強い防水性を持つ時計をお探しですか？それなら、 ダイバーズウォッチとアウトドア時計が最適です。これらのタイムピースは水辺、水中、水面上で使用する目的のために特別に設計されており、それ故に高い防水性を備えています。

ダイバーズウォッチとして最も有名なモデルは、何と言ってもロレックス サブマリーナです。この時計は1953年以降絶えずジュネーブに拠地を置くロレックスのカタログにラインナップされており、現在では数々のモデルが提供されています。1950年代に製造されたヴィンテージモデルの防水性が100m (10気圧) であるのに対し、60年代、70年代、80年代に製造されたモデルは200m (20気圧) の防水性を備えます。さらに80年代後期以降の サブマリーナは300m (30気圧) 防水で、時計が浸水からより良く保護されています。Ref.116610LNなどの現行モデルは約123万円で販売されています。これに対し、70年代のRef.1680には約182万円の価格が付けられます。初期のサブマリーナモデルの1つであるRef.6536の価格は約326万円になります。

これらの価格に比べて安いモデルもあります。その例としては、ミューレ グラスヒュッテ S.A.R. レスキュータイマーやジンのU1が挙げられます。 S.A.R. レスキュータイマー は、海上救急隊のために開発された時計です。この時計は1000m (100気圧) の防水性を備え、特に強固なサファイアガラスとラバーベゼルを使用することで、強い打撃にも耐久するように設計されています。リューズは4時位置に取り付けられており、手首への着け心地は優れています。この時計は、約19万円でご購入いただけます。

ジン U1 も同じく堅牢な時計です。この時計も1000m (100気圧) までの防水性を持ち、Uボートスチール素材でできた耐減圧性のケースの使用によって塩水に対する耐久性も強くなっています。真のダイバーズウォッチであるU1には、逆方向回転防止ベゼルが備えられています。また、このベゼルはジンによって特殊な構造で設計されているため、外れてしまう心配がありません。モデルの種類と時計の状態によって、この耐久性の強い時計の価格は約18万円～22万円になります。

アウトドアウォッチを代表する定番時計は、 カシオ G-Shock です。このクォーツ式時計には、無数の異なるモデルが提供されており、中にはスマートウォッチテクノロジーを搭載する時計も存在します。このシリーズの時計のすべてに共通している特徴は、その強い耐久性と防水性です。また、多くのモデルにはクロノグラフ、タイマー、アラーム、バロメーター、高度計、デジタルコンパスなどの追加機能が搭載されています。このシリーズの中でも特に安いモデルは約6000円からの価格でご購入いただけます。複数の機能を備えるスマートウォッチモデルは、約8万円でご入手いただけます。

スポーツウォッチの多くは、防水時計です。これは定番時計である ロレックス デイトナ や パテック フィリップ ノーチラス にも言えることです。1970年以降、デイトナは100m (10気圧) の防水性を備えており、パテックのRef.5711/1Aの防水性は150m (15気圧) です。この両モデルは大変な人気を誇る高級時計であり、多くの異なるモデルが提供されています。デイトナには、ステンレス、コンビ、レッドゴールド、ホワイトゴールド、プラチナモデルがあります。この人気クロノグラフの価格は、モデルの種類と時計の状態によって約200万円～790万円になります。ノーチラス Ref.5711/1Aの価格は、ステンレスモデルは約832万円、ピンクゴールドモデルは約1210万円になります。

歴史ある高級時計ブランド オメガも、数多くの防水スポーツウォッチを提供しています。例えばシーマスターコレクションからのアクアテラ 150Mは、そのモデル名からも分かるように150m (15気圧) の防水性を備えています。このシリーズにはシンプルな3針時計、第2タイムゾーンやワールドタイマーを搭載するモデルがラインナップされています。これらすべてのタイムピースの共通する特徴はエレガントでスポーティーなデザインと、ここ数年のモデルではマスター コーアクシャル クロノメーター認定を持つことです。アクアテラの3針モデルは、約39万円～46万円でご購入いただけます。GMTモデルは約77万円で販売されており、シリーズ内で最も高いアクアテラ ワールドタイマーには約449万円の価格が付けられます。

日本の時計ブランド セイコーのコレクション プロスペックスでは、比較的安い価格の防水スポーツウォッチが提供されています。このシリーズには、約3万円で提供されている海外モデルである、200m (20気圧) 防水のSRPB531 "サムライ" から、約2万8000円で提供されている1000m (10気圧) 防水のダイバーズウォッチ マリーンマスター SBDX013 "ツナ缶" などがあります。

ドレスウォッチは通常スポーツ時計ほど高い防水性を持たず、大半のモデルは30mか50m、すなわち3～5気圧程度です。しかし、実際にはこれを上回る防水性を備えるドレスウォッチも数多く存在します。その1つにロレックスの定番モデルである デイトジャストと デイデイトがあります。これらの時計ではオイスターケースとツインロックシステムで、100m (10気圧) までの防水性が実現されています。ロレックスは両モデルをレディース・メンズ用のサイズで提供しています。デイデイトのケース素材はピンクゴールド、イエローゴールド、ホワイトゴールド、プラチナの中からお選びいただけ、約316万円～632万円の価格で販売されています。デイトジャストには、これに加えてステンレスとコンビモデルも提供されており、価格はモデルの種類と時計の状態によって約61万円～146万円になります。

イタリアのモダンなデザインがお好みの方には、ブルガリ オクト ソロテンポがお勧めです。8角ケースと110のファセットカットを持つこの時計は、際立つデザインで作られています。この時計は極薄のオクト フィニッシモよりは厚みがありますが、その代わり100m (10気圧) までの防水性を提供しています。 オクト ソロテンポ のステンレスモデルは約51万円でご購入いただけます。18金ピンクゴールドベゼルのブラックDLCコーティングモデルは、約84万円でご入手いただけます。

低価格セグメントにおいてもまた、高い防水性を持つドレスウォッチをご購入いただけます。 セイコー プレザージュ SPB035J1 は正確に時を刻む自動巻きキャリバー搭載のエレガントな時計で、100m (10気圧) までの防水性を備えています。このモデルは約6万円で販売されています。これよりもさらに安いモデルに、 シチズン BM7360-82L があります。この時計も同じく100m (10気圧) 防水で、ケース素材はチタン製、クォーツ自動巻きキャリバー エコ・ドライブ E111によって駆動されています。価格は約3万円です。